BLOG

  • 2020.01.14

炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇 気を付けたい点


過去に、ヤフーニュースに「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」という記事が掲載されました。※なぜかリンク先の記事削除されていました。

話し手は日本の糖質制限の第一人者と言っても良いと思います、江部先生です。

要約すると


【5大陸18カ国の13万5000人を調査】-ランセットの論文 カナダ・マクマスター大学 Mahshid Dehghan博士ら-

2003年1月1日時点で登録した35~70歳の13万5335人を、13年3月31日まで7.4年間(中央値)追跡調査しました。これまでの研究データのほとんどが、高所得で栄養過剰傾向にある欧米のものでした。しかし、この研究は低所得、中所得、高所得の18カ国を網羅しており、その点でも信頼性の高い研究だといえます。

1)炭水化物摂取量の多さは、全死亡リスクの上昇と関連している

2)総脂質も各種脂質も摂取量の多さが全死亡リスクの低下と関連している

3)総脂質、各種脂質の摂取量は、心血管疾患、心筋梗塞(こうそく)、心血管疾患死と関連していない

4)(乳製品や動物性食品に多く含まれる)飽和脂肪酸の摂取量は脳卒中の発症リスクと逆相関している

◇総死亡率が示す炭水化物の影響

論文では、炭水化物と脂質それぞれについて、摂取比率によって五つのグループに分け、全死亡率を比較しています。

炭水化物については、摂取比率が高いほど総死亡率が上昇しています。摂取比率が最も低い1群(46.4%)は総死亡率が4.1%で、最も高い5群(77.2%)は総死亡率が7.2%ですから、5群は1群よりも総死亡率が1.76倍も高くなっています。

脂質については逆で、摂取比率が高いほど総死亡率が減少しています。摂取比率が最も少ない1群(10.6%)の総死亡率は6.7%。最も高い5群(35.3%)の総死亡率は4.1%です。5群の総死亡率は1群の0.61倍しかありません。

※原文より抜粋


とあります。

ここからは記事を読んだ私の意見です。

炭水化物の摂取比率が高いのは低所得層にあたる可能性。それは炭水化物が安く入手できるからです。

また、炭水化物を摂るとき一般の方が食べるのは白い炭水化物(白米・小麦粉製品など)です。一方で茶色い炭水化物(玄米・全粒粉製品など)があります。

白い炭水化物と茶色い炭水化物は健康への効果が全く効果が異なります。

死亡率が高かったのは炭水化物の影響かもしれませんし、摂取エネルギー不足や栄養不足(ビタミン・ミネラルなどの欠乏)による体調不良が引き起こした可能性もあります。

脂質について、摂取比率が高いという事は肉や魚といったタンパク質を十分に摂れている可能性があります。

これは必須アミノ酸の摂取が出来ている事と同等ですから、やはり低所得層とりわけ貧困国では必須アミノ酸不足による免疫力の低下により死亡した可能性があります。

端的に言えば「低所得層は炭水化物の摂取が多くなる傾向だし、微量栄養素と必須アミノ酸が不足しやすく体調不良に陥りやすい」となります。十分な医療行為も受けれていない可能性もあります。

とはいえ、血糖値を直接的に上げるのは糖質=炭水化物であり、これは肥満を促進させ、糖尿病に罹る可能性を高めるので、江部先生の炭水化物を控えるという主張には賛成です。しかし、ゼロにした方がいいとは考えていませんし、茶色い炭水化物ならアリだと考えています。

内容や分量に気をつけて、という事です。

原論文を読んだわけではないので、あくまでも記事を読んで感じた内容です。また時間のあるときに原論文にも目を通してみたいと思います。

炭水化物を摂りたい場合は、血液中の糖を筋肉へ送り込むために筋力トレーニングの併用が勧められます。

健康にマイナスの影響を与える反面、美味しいと感じるものなので、上手く付き合っていく事が大事ですね。