最近、テレビや雑誌などの広告でよく見かけるフィットネス機器があります。
コレです。
メーカーや商品名問わず、この手の商品が活況を呈しています。
仕組み・理論は簡単にいうとこうです↓
筋肉は脳からの電気信号によって収縮します。
脳からの指令(電気信号)に加えて外部(EMS)からの電気信号でそれを増幅させ筋出力を高める、といった感じの理論です。
一般の方はこれを付けて過ごせば筋肉が鍛えられると考えている方もいるようです。
しかし、実際にこのマシーンの効果が期待できるのはEMSをかけながらしっかり筋トレを行うという事です。楽して効果を出せるという意味ではないです。
そもそもコレが本当に効くのかは疑問が残ります。
支持している記事は沢山ありました。そのうちの一つで、何やら参考文献も添付されており信頼性は高そう。。。と思うはずです。
実際に添付されている先の文献を読んでみましたが、確かにEMSを用いた筋トレは成果が出ています。
この研究では、EMS&トレーニングあり(介入群)と何も無し(対照群)の2グループで筋力・筋持久力・周径囲を調べています。しかし、疑問なのはEMSグループは週5回×8週間トレーニングしているのに、対照群は「なにも実施していない」のです。
これでは比較になりません。普通の筋トレでも同じくらい、あるいはそれ以上の成果が出たかもしれません。
同じく添付されている、国際宇宙ステーションに長期滞在する宇宙飛行士の筋骨格系廃用性萎縮へのハイブリッド訓練法の効果では、利き腕で無い方にEMSを付けて利き腕との差を調べるようです。これについては結果が載っていませんでした。(示唆するとは言っているが、従来のトレーニングと比較して効果があるかは定かではない)
しかし、利き腕で無い方はそもそも利き腕に対して筋肉量は少ないケースが多いので成長率でいえば利き腕で無い方が有利です。この辺は宇宙空間での実験なので制約が色々あると思われます。この研究でEMSを語るのはまだまだ先になるでしょう。
先ほどご紹介した記事では、中盤であまり効果は期待できない旨を述べており、これには賛同します。最終的に「買う」ことを勧めています。
理由は「モチベーションに繋がるから」です。
ちなみに私は「買わない」ことを勧めます。
結局、一時期流行った「ワンダーコア」のような一過性のブームになると考えられます。そうなるとお金の無駄になります。
よくよく考えれば、いちいちEMSを身体に貼り付けて、ようやく運動を始めるといった「手間」がかかります。
これは継続をしていくうえでストレスになります。身体を変えたい場合は継続する事が最も重要で、継続しやすい仕組みをつくる事に焦点を当てるべきです。
ちなみに、パーソナルトレーニングでは
こういったことが「仕組み」であり、加えて正しいトレーニング処方と正しい栄養指導が「質」となり成果を出せるのです。質が良くても仕組みがダメなら成果は出ません。パーソナルトレーニングの価値は仕組みが9割と言っても良いでしょう。
継続する事が習慣になり、運動をしない事がストレスだ!というところまできて、ようやくより成果を出せる方法はないか?⇒EMSを使ってみよう!となるのが正しい道筋だと考えます。
私はEMSは買うなという事で話を終えたいと思います。
非常に高価で、ゆくゆくは使わなくなるのが分かっているモノをマスコミや業界の甘い言葉に流され「買わされないように」よく考えて買い物をしましょう。
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