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  • 2025.12.25

40代からの筋肉が落ちない食事術:タンパク質の黄金ルール

こんにちは。日本橋のパーソナルジム「IGF」井上です。

当ジムには、健康志向の高い40代〜50代後半の方々を中心に、80代のお客様まで幅広く通っていただいています

カウンセリングの中でよく耳にするのが、 「昔と同じように食べているのに、筋肉が落ちて脂肪がついた気がする」 というお悩みです。

実はこれ、気のせいではありません。私たちの体は年齢とともに、栄養の受け取り方が劇的に変化するからです。今回は、科学的根拠(エビデンス)に基づき、中高年以降の方が意識すべき「筋肉を守る食事の鉄則」についてお話しします。

なぜ、年齢とともに筋肉は落ちやすくなるのか?

医学的に、加齢に伴って筋肉量や筋力が低下する現象を「サルコペニア」と呼びます。

なぜこれが起きるのでしょうか? 大きな原因の一つが「アナボリック抵抗性(Anabolic Resistance)」です。

簡単に言うと、「筋肉の合成スイッチが入りにくくなっている状態」のことです。若い頃は少量のタンパク質でも筋肉は敏感に反応して合成を始めますが、年齢を重ねると、筋肉が栄養に対して「鈍感」になってしまいます。

つまり、「若い頃と同じ量のお肉や魚を食べていても、筋肉にとっては足りていない」という事態が体の中で起きているのです。

科学が推奨する「1食あたり」のタンパク質量

では、具体的にどうすれば良いのでしょうか? 重要なのは「1日の総量」だけでなく、「1食ごとの摂取量」です。

カナダのマクマスター大学で行われた研究(Moore et al., 2014)をはじめ、多くのスポーツ栄養学の研究が以下のことを示唆しています。

  • 若年層: 1食あたり約20gのタンパク質で筋合成が最大化する

  • 中高年層(40代以降): 1食あたり約30g〜40gのタンパク質が必要になる可能性がある

若い頃よりも「1回に食べるタンパク質の量」を増やさないと、筋肉の合成スイッチが十分にONにならないのです。

「朝食」が運命の分かれ道

特に問題になるのが「朝食」です。 夕食でステーキやお刺身を食べてタンパク質を40g摂取しても、朝食が「パンとコーヒーだけ(タンパク質5g程度)」だとどうなるでしょうか?

  • 夕食後: 筋肉のスイッチON

  • 朝食後: 筋肉のスイッチOFF(筋肉の分解が進む)

このように、1日の中で筋肉が分解される時間が長くなってしまいます。 2014年に発表された研究(Mamerow et al., Journal of Nutrition)では、タンパク質を3食均等に摂取したグループの方が、夕食に偏って摂取したグループよりも、24時間の筋タンパク質合成率が約25%も高かったことが報告されています。

今すぐできる!IGF流・実践アドバイス

40代・50代の方が筋肉を維持・向上させるための具体的なアクションプランは以下の通りです。

  1. 「1食30g」を目指す お肉や魚なら手のひら1枚分(約100g〜120g)が目安です。

  2. 朝食に「あと1品」足す ゆで卵(約6g)、納豆(約7g)、ギリシャヨーグルト(約10g)などを追加し、朝のタンパク質量を底上げしましょう。

  3. 既往歴や血液データに合わせる 腎臓の機能など、健康状態によってはタンパク質の摂りすぎに注意が必要な場合もあります。

「あなただけ」の正解を見つけるために

「理論はわかったけれど、自分の生活スタイルでどう実践すればいいの?」 「健康診断で指摘事項があるから、自己流の食事制限は怖い」

そう感じた方は、ぜひ一度プロにご相談ください。

日本橋駅から徒歩1分にあるパーソナルジム「IGF」では、単にトレーニングを教えるだけではありません体組成だけでなく、血液データや既往歴、生活習慣から、お客様一人ひとりに必要な「運動と栄養」をご提案します

「トレーニングと一緒に食事指導も行ってほしい」という方向けのプランもご用意しております

まずは、今のあなたの身体の状態を知ることから始めませんか? 無理な勧誘は一切ございません。お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください


参考文献(References)

本記事は、以下の学術論文等の知見を参考に構成しています。

  1. Moore, D. R., et al. (2015). Protein distribution affects muscle mass based on differences in postprandial muscle protein synthesis and amino acid metabolism in older adults. The Journal of Gerontology: Series A. (高齢者におけるタンパク質摂取の配分が筋肉量に与える影響についての研究)

  2. Mamerow, M. M., et al. (2014). Dietary protein distribution positively influences 24-h muscle protein synthesis in healthy adults. The Journal of Nutrition. (1日のタンパク質摂取配分が筋合成率に与える影響についての研究)

  3. Bauer, J., et al. (2013). Evidence-based recommendations for optimal dietary protein intake in older people: a position paper from the PROT-AGE Study Group. JAMDA. (高齢者の最適なタンパク質摂取量に関するエビデンスベースの推奨事項)