【気を付けよう】高尿酸血症とは
こんにちは。トレーナーの佐藤です。
今回は高尿酸血症についてのお話です。
高尿酸血症とは俗に言う、痛風のことという認識で良いでしょう。(厳密には違いますが)
痛風とは高尿酸血症がもたらす一つの症状のことで、痛みが出るという反応を痛風発作と言います。
実際に痛風発作が起きた事がある方はわかると思いますが、風が吹いても痛みが出るということから「痛風」と呼ばれています。
痛風という厄介な症状をもたらす、高尿酸血症はどうしてなってしまうのか皆さんはご存知でしょうか?
高尿酸血症の字の如く、血液中の尿酸値が上昇してしまい起きる病気なのです。
そして尿酸値は一定のキャパを越えると関節内に尿酸塩結晶というものが生じます。
尿酸は、細胞の核の中にある核酸という物質の中のプリン体が分解されると出てきます。
核酸は肉や魚などの動物性タンパク質に多く含まれています。
そして尿酸塩結晶を免疫細胞である、白血球が処理する際に痛みが出てしまいます。
尿酸値が高くても関節に痛みが出なければ大丈夫、という訳ではありません。
高尿酸血症の状態が続くと結石が腎臓に出来て、腎臓の機能不全つまり腎不全になるという悪循環に陥ります。
その他にも動脈硬化・高血圧・脳血管障害・狭心症・心筋梗塞などの重篤な病気になってしまう可能性もあります。
痛みが出ていないだけで静かに症状は進行しているかもしれませんね・・・。
痛風は肉や魚を多く食べたり、アルコールを飲み過ぎるとなることから昔は贅沢病と言われていて、フビライハンやルイ14世などの偉人達も痛風であったと記録がされています。
日本では食の欧米化が進んだ戦後から増えてきたと言われています。
贅沢病ではなく、誰しもがなりうる可能性がある病気なのですね。
現在、厚生労働省のホームページによると日本における高尿酸血症の患者数は500万人にのぼるといいます。
その中で痛風発作が起きている方は10分の1以下なので、誰しもが関節に痛みが出るわけではない事が分かります。
足の指の付け根が一番多く痛みが出る場所であって、他の場所に痛みが出ることもあり、耳たぶにも出る場合もあるそうです。
但し誤解しないでいただきたいのが、プリン体は元々体の中で作られる物質でもあります。
食事で摂取する量は全体の2~3割と言われており、基本的には体内で作られるもののほうが遥かに量は多いのです。
プリン体は生命活動を維持する上で私達には欠かせないものと言えます。
けれども、高尿酸血症の原因は暴飲暴食が主です。
飲み会が多い方、しょっぱい物が好きな方は注意しないといけませんね。
(※一日のプリン体の摂取目安は400mg)
後は激しい運動でも高尿酸結晶になる可能性があります。
これは意外でしたが実は運動のし過ぎでも高尿酸結晶になる可能性があるのです。
エネルギー代謝的な理由や、筋繊維の損傷をきっかけに血液中の尿酸値が上がってしまうのです。
こう言うと『じゃあ、筋トレは良くないじゃん!』と勘違いする方も居ますが、激しい運動とはトップアスリートがオフシーズン中に行う自分の肉体を極限まで追い込むようなトレーニングです。
・・・普通のジムであれば、そこまで激しいトレーニングは提供しませんのでご安心ください。笑
いかに尿酸値を上げないか、にフォーカスしてくと、尿酸値を上げやすい食べ物や飲み物があります。
では尿酸値を上げやすい食べ物と尿酸値を上げやすい飲み物を挙げていきます。
尿酸値を上げやすい食べ物
・レバー系(トリや豚、牛などのレバー)
・干物系(イワシやサンマ、アジなどの干物)
・カツオやカツオ節
・イワシ
・大正エビ(エビの種類によって変わる)
・あん肝
・白子
・干し椎茸 などが挙げられます。
具体的にいうとプリン体が多い食べ物と言えます。
後は高血圧を併発してしまうことも多いので塩分の取り過ぎも注意ですね。
尿酸値を上げやすい飲み物
・アルコール(プリン体を含むものと含まないもの両方)
・ジュースなどのソフトドリンク(果糖の摂り過ぎは尿酸値を上げてしまいます)
プリン体はもちろんのことですが、アルコールを分解する際にも尿酸を産生し尿酸を排泄する働きを妨げてしまいますので注意が必要です。
アルコール飲料はいくらプリン体が入っていなくても尿酸値が高い方は控えるべきでしょう。
プリン体ゼロを歌うアルコール飲料もリスクあり、という事ですね。
アルコール自体が尿酸値を上昇させてしまうので”プリン体ゼロ”と書いていても出来るだけ控えましょう!
それでは逆にどのような食べ物や飲み物が尿酸値を下げるのに良いのか。
尿酸値が高いということは尿が酸性に傾いているということですので、尿をアルカリ性にする方向で考えればOKです。
尿酸値を下げる食べ物
・野菜(ほうれん草・ごぼう・人参・大根・かぶ・ナス・キャベツ)
・海藻(めかぶ・昆布・ワカメ・ひじき)
・乳製品
R-1を出している明治からは尿酸値を下げるヨーグルト(PA-3)が出ていますね。
これはPA-3乳酸菌という乳酸菌が含まれている飲料で、食後の尿酸値を下げることが実証されています。
尿酸値を下げる飲み物
・水
・麦茶
・緑茶
・烏龍茶
・牛乳(豆乳はNO)
水分を1日2L以上飲むことで尿量が増えて、尿酸の排泄が促されます。
コーヒーや紅茶だとカフェインの作用で水分を過剰に排出してしまうので控えましょう。
これらが尿酸値を上げる食べ物と飲み物、そして尿酸値を下げる食べ物と飲み物です。
参考になると幸いです。
そして中には遺伝的に尿酸値が低い方もいます。
尿酸値が低いというと尿酸値のキャパも普通の人より低いので高尿酸血症になってしまう可能性が高くなります。
肉や魚の取り過ぎでも高尿酸血症になる可能性があるとも言えます。
上記で強過ぎる負荷のトレーニングは尿酸値を上げてしまうと言いましたが、適度なトレーニングは良い方向に作用します。
体脂肪の減少や血圧の正常化に伴い、尿酸値を結果的に良くしてくれます。
筋トレの他にも有酸素運動も尿酸値の改善に良く働きかけてくれます。
有酸素運動は比較的低強度の筋トレよりもさらに運動後の尿酸値の上昇リスクが少なく、より安全に実施する事が出来ます。
論文を見ると有酸素運動は高強度でもOKとされていますが、普段からあまり運動をしていない方はいきなり高強度で有酸素運動をすることは控えた方が安全です。
高血圧や動脈硬化、肥満症を併発している方がいきなり激しい運動をする事はリスクが高いです。
これらの事から尿酸値の正常化には筋トレと有酸素運動の組み合わせが一番ベストなチョイスと言えますね^^
やっぱり運動なのか・・・。と思う方もいると思いますがそれくらい運動って万能薬なんです。笑
そしてその運動は高尿酸血症の方はもちろん。糖尿病や高血圧、心臓の手術等をした事がある方は一定のリスクがあります。
しっかりと病気や症状、適正値を知っている指導者の元で初めは運動をする事が大事です。
専門家によってプログラムされた運動はほぼ間違いなく身体を良い方向に変化させますし、その逆に科学的根拠のないプログラムは悪い方向に変化させてしまう可能性はがあるとも言えます。
IGFでは病気への理解度を深め、しっかりとしたプログラムをお客様へ提供しています。
何か持病を持っていてお困りの方は是非一度、無料カウンセリングにお越しください。
私達が力になれるかもしれません。
高尿酸血症の予防や改善の為にこの記事が役に立つと幸いです。
※参考文献
Newton別冊 からだの検査数値 70項目から見える病気のサイン
厚生労働省 e-ヘルスネット