糖質制限の誤解
こんにちは。トレーナーの佐藤です。
今回は糖質制限食を行う上で間違われやすい、誤解について紹介します。
起こりやすい誤解としては糖質を摂らないと(お米を食べないと)頭がボーとして集中力下がってしまう。
と、いうことがよく上がります。
日中にお仕事をしている方は分かりやすいと思いますが、糖質を制限するとボーッとしてしまったりフラフラしてしまった経験は無いでしょうか?
糖質制限が正しく行われているかどうかの目安になりますが、このボーッとするような症状が出なければ上手く糖質制限が出来ていると判断しても良いでしょう。
著書の中で江部先生は「糖質を食事でまったく摂らなくても健康には影響はない」と明言しています。
そしてこれは偏った意見ではなく、これまでブログに沢山書いてきたように科学的な根拠があるのです。
何故ボーっとしてしまうのか
それは糖質を制限するにあたり、全体的な食事のカロリーも減らしすぎている可能性があります。
可能性というより、概ねそのケースが殆どです。
いつもの食事は炭水化物を主とした糖質過剰食のケースが多い現代において、ただそのまま炭水化物を抜いてしまうということは著しく食事から摂るカロリーを制限してしまうことになってしまいます。
そうなると不足しているカロリーを補う必要があります。
何を摂るべきかというと、主にタンパク質です。
タンパク質は糖質とは逆に不足しがちな栄養素です。
不足しやすい理由としては、毎食お肉やお魚、大豆製品等を食べることが難しいということが主かと思います。
昼夜はたべれたとしても朝が食べらない・・・
そんな方が多いと思います。
そして朝ごはんにタンパク質が不足するということは、糖質制限においては致命的です。
身体を動かすガソリンが無いということになってしまいます。
そうすると日中にフラフラしてしまったり、ボーッとしてしまいますよね。
タンパク質が他の脂質や糖質よりも体内でエネルギーとして使われる割合が大きいので糖質制限食においては尚更、無くてはならない栄養素だと言えます。
どれくらいの量のタンパク質を摂ればいいのかは、以前にもブログで紹介させていただきましたが、概ね体重1kgあたり1gは最低量で、1.5g~2gまでは摂るべきだと思います。
それくらい摂らないと不足してしまったカロリーを補いきれないからです。
簡単に説明するとご飯やパンを抜いた分、お肉やお魚、大豆食品を多く食べましょう、というのが問いに対しての答えです。
これが難しい方はプロテインなどのサプリメントで補うことが望ましいです。
著書で取り上げられている主な疑問はいくつかありましたが、以下の3つをこのブログでは紹介していきます。
- 脳の唯一の栄養であるブドウ糖を抑えることに対しての懸念
- 炭水化物を抜くとイライラしてしまう
- 糖質制限をしているのに痩せない
脳の唯一の栄養であるブドウ糖を抑えることに対しての懸念
健康情報番組や雑誌などのメディア、新しい情報を知らない栄養士や医師によって脳のエネルギー=ブドウ糖のみ、となってしまう方が多いかと思います。
しかしながら脳の栄養素はブドウ糖のみではなく、ケトン体も使えます。
これはまぎれもない事実として明言されております。
脳の栄養素である糖を抑えるんだから頭がボーとするのは当然。ではなく、ケトン体を使えば良いのです。
ケトン体とは脂肪由来の物質で、ヒトの身体のエネルギーとして日常的に使われております。
決して特別な物質ではないのです。
体脂肪が体内で分解されてケトン体という小さな粒になり、細胞のエネルギーになるというイメージでいいと著書に記載があります。
では、どうやってケトン体を使えるようになるのか。
それは糖質を抑える食事をすれば身体の中でエネルギーのタンク(のようなイメージ)が糖質から脂質に切り替わるのです。
体内の中でケトン体の濃度が上がるので危険だと言う医師もいますが、ケトン体はヒトの中に一般的に存在する物質ですし、インスリンの作用が働いていれば健康には何の問題もありません。
そして、ケトン体がしっかりと体内で作られればボーッとしてしまうことはありません。
著書の中でなんでこれほどまでに糖質=脳の唯一の栄養という考えが定着しているのかについて、栄養士の教育の現場では未だ糖質=脳の唯一の栄養となっているからだと書いておりました。
これにはびっくりですが、私達トレーナーのテキストも頻繁にアップデートされる訳ではないので、難しいところでもあります。
現場に出たら殆ど使わないような知識を学ぶことや、それがテストの問題になってしまうこともあるくらいです。
実際に学校を出てから学校で教わっていないことの方が多いくらいでしたね・・・。
(勿論、基礎は築けますが)
炭水化物を抜くとイライラしてしまう
これは私も実際に起きたのですが、糖質を抑える食事を続けているといつもならなんともないことでイライライしてしまったことがあります。笑
これは炭水化物依存症の可能性があります。
不思議だとは思いますがヒトは糖質が入り一時的に血糖値が上がることにより幸福感を得るのです。
これはホルモンの関係ですね。
おおよそ2週間程度、糖質を我慢することが出来れば依存症のような気持ちが不安定になってしまうことはないと思います。
私自身も糖質制限を始めて間もない頃にその経験をしました。
糖質制限を始めて2週間というのは糖質の誘惑を断ち切るのに必要な日数とも言われていて、2週間経つまでは些細なことで糖質を欲してしまったり、しまいには食べてしまうことが多々あります。
その始めて2週間をどう乗り越えることが出来るかが、糖質制限の一つの山場と言えるでしょう。
他の対策としては炭水化物を抜くのは夜ご飯のみとして、朝と昼では量を調整する方法や、3食炭水化物を食べるがいずれもいつもの量の3分の1の量にする方法を著書の中で紹介しておりました。
糖質制限をしているのに痩せない
頑張って糖質制限をしているのに全然痩せない。
これはあまり多くはないですが、比較的女性に見られることが多いです。
何故かというと女性は男性と比べて基礎代謝が低い傾向にあるからです。
基礎代謝×1.5をすると概ね、1日に消費できるカロリーが分かります。
基礎代謝が低いということは比例して消費できるカロリーも少ないのです。
あまり摂取カロリーに依存しない糖質制限ですがこのようなことがきっかけで痩せない方はいらっしゃいます。
どうすれば良いのか。
それは糖質量以外にもカロリーにフォーカスしていきましょう。
今食べている量がそれほど多くなければ別ですが、減らしても問題ない範囲でしたら少しコントロールしてみるのが良いと思います。
具体的には炒め物で使う油を減らしたり、お肉やお魚の中でもやや脂の少ないものに変更してみたりすることが効果的です。
仮に、タンパク質を体重の2倍以上取っているのでしたら多くても2倍に、もっと減らすことで筋肉量が過剰に落ちなければ1.5倍程度まで減らしてみては如何でしょうか。
そうすることで以前のカロリーよりも減らすことが出来るので良い効果を与えてくれる可能性があります。
そしてタンパク質を摂っていれば脂肪も確実に減っていくと思います。
まとめ
今日は糖質制限食で起こりやすい誤解や疑問について紹介させていただきました。
ここに紹介しきれなかったものも著書の中には沢山ありますので興味のある方は是非手にとって見てみてください。
糖質制限で一番多い誤解が
- ボーッとしてしまう
- フラフラして力が出ない
ということです。
正しい糖質制限を実践して無理なく健康に近づきましょう。
勿論、この方法が全てではなく、糖質制限がどうしても嫌な場合は他の方法もあります。
糖質制限以外の方法だからと言って痩せない訳でないので、自分に合った方法がベストですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
※参考資料
江部康二の糖質制限革命-江部康二(東洋経済新報社)