痩せ体型の肥満【サルコペニア肥満】
これまでサルコペニアについていくつか記事を書いてきました。
サルコペニアとは
- 高齢者に多い
- 運動能力がとても低下している
- 要介護状態になりやすい
- 生活の質(QOL)が低下している
- 生存率に大きく関わる
といったことが挙げられます。
高齢の方が比較的なりやすいですが、今回は若年層の方も当てはまる「サルコペニア肥満」についてみていきたいと思います。
サルコペニア肥満とは
共通の診断基準はまだありませんが、体脂肪量が多く、筋肉量が少ないのがサルコペニア肥満です。
中高年に多く見られます。
また、私は年齢に関係なく女性に比較的多いと感じています。
体組成を測るとBMIは適正範囲内(標準の軽め)となっていても、体脂肪率は高いという方が多いからです。
そうなると体重は問題なくてもそれに占める体脂肪量は相対的に多い。筋肉が少ない。
つまり『サルコペニア肥満(というかサルコペニア予備軍)』になると考えた方が良いと思っています。
サルコペニア肥満の危険性
筋力が弱くなり、生活能力が低下し、要介護状態になりやすいです。
筋肉量が少ない割に脂肪が多いので、少ない筋肉で脂肪という重りを常に抱えて生活をする事になります。自由を奪われるイメージです。
合併症も出やすくなります。
内臓脂肪が多い為、体内での炎症も発生しやすくなります。癌、認知症、心血管系疾患の誘因にもなる可能性が高くなります。
筋肉量が少ない為、インスリン抵抗性が高まり、糖尿病のリスクもあります。筋肉が少ない事は関節痛や転倒・骨折のリスクも増加します。
原因は何なのか?
サルコペニアと共通して、運動と栄養が挙げられますが、中高年から若年層で考えると、まずは運動量が少ない事が一番の要因です。
現代人はデスクワークの増加、交通機関・エレベーターなど輸送手段の発展、スポーツ以外の娯楽の増加(例・ゲーム、スマホアプリ)などにより、身体を動かす機会が少ない事が筋肉を失う一番の原因だと思います。
食事は中高年から若年層の方では比較的食べれる(というか日本は飽食なので栄養失調は考えにくい)ので殆ど問題はありませんが、肉や魚などのタンパク源はしっかり食べるようにするのが重要です。
お菓子やパンなどの糖質を中心にして、タンパク源の摂取量が少ないと、運動量の低下が相まればサルコペニア肥満に十分なり得ます。
改善方法
若年層から60歳くらいまでの場合は、カロリーを少し落として、高タンパク質の食事を心がける。
60歳以上ではカロリーを落とすと、タンパク質摂取量の低下にもつながり、余計に筋肉量の低下が起こり得るので、タンパク質を担保しつつカロリーを削減するようにする。
※厳密に60歳で区切る必要はありません。個人の食事能力、体組成を加味して判断しましょう。
筋肉量・筋力を改善するには筋力トレーニングが最も効果的です。
筋力トレーニングは週1~2回でも十分効果を得られるため、忙しい働く世代の人達にとってはより重宝する運動になるでしょう。
その他以下もご覧ください。
まとめ
厳密に基準が決められていない分野ですが、健康に対する悪影響は研究を待たずとも容易に想像がつきます。
また、問題が表面化していないのは今現在は「サルコペニア」が問題になっており「サルコペニア肥満」はそれに隠れているからと考えています。
持論ですが、サルコペニア肥満はインターネットが発達して仕事でそれを活用している世代に多い・増加してくると考えています。なので60歳以下に多い為、問題が顕在化してくるのは10~20年ほど先になるかと思います。
要介護状態を避け、自立した生活を送っていくため、今から生活習慣を見直していきましょう。
参考文献