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  • 2022.07.08

筋力トレーニングの効果について

筋力トレーニング(以下、トレーニング)は、安全に筋力を高め、筋肉を増量させるものです。

トレーニングと言われると、激しい運動であり、ケガをする可能性があると危険なイメージを持たれる方が少なからずいらっしゃいます。実際には↓

マシンとフリーウェイト(ダンベル・バーベル)を用いた一般的な RT の傷害発生率は、100時間当たり0.0035件であることが示されている。これは、サッカー(100時間当たり6.20 件)、陸上競技(100 時間当たり0.57 件)、アメリカンフットボール(100時間当たり0.10 件)、バスケットボール(100 時間当たり0.03 件)、および体操(100 時間当たり0.044件)のような他の一般的な競技と比較しても低い。※1

また、トレーニングは空調の整った室内で行われるので、夏であれば熱中症のリスクは低く、監視スタッフも居るため、仮に体調に支障をきたしても迅速に対応ができます。

安全性に加えて筋力up、筋肉の肥大、骨密度の増加などの効果が得られるので、運動をこれから始めようという方は有酸素運動ではなく、トレーニングの方が適している可能性が高いと考えられます。

以下、トレーニングの効果を解説していきます。

筋肉量・骨密度を増やす

筋肉を肥大させるには、その人が発揮しうる最大筋力の70%(中程度)以上の力の発揮(以下、力発揮)が必要と言われています。

日常生活での力発揮は最大筋力の10~20%程度と言われていて、日常生活で筋肉を肥大させるほどの負荷を与えることは難しいです。

また、トレーニングにより骨密度を改善することが明らかになっています。

骨密度を維持・ 改善する最善の方法は、筋肉に大きな負荷を与え、さらに適応に応じて段階的に負荷を高めることです。

最大筋力の40%強度では効果がないとされていて、筋肉量を増加させるのと同様にトレーニングが必要になります。

たまに家の中で重いものを持ったりする際に強い力発揮が行われますが、たった一度や二度の刺激では筋肉は大きくなりませんし、骨密度が急に増加することもありません。力発揮の機会を定期的に設ける必要があります。

筋力・筋持久力を高める

筋力と筋持久力は日常生活で特に要求される体力で、生活の質に大きく関わります。

椅子から立ち上がる、ものを持ち上げる、階段を昇るなどの動作には筋力が要求され、歩き続ける、階段を連続して昇るなどの作業には筋持久力が要求されます。

トレーニングを行うことによって、普段使っていない筋肉を使えるようになり、筋力を高めることができます。

筋力が高まると日常活動でかかる負荷が相対的に下がり、より長時間の作業を行うことができます。

これらを図にまとめると以下のようになります。

最大筋力の何%を発揮すると、どういった反応が身体に起きるのかを概略化しています。

日常生活では強い筋力の発揮は必要ない、あるいは機会が極めて少ないため、筋肉の成長は起こらず、加齢とともに減少していきます。

繰り返しになりますが、筋肉量の増加、骨密度を増加させるためには力発揮の機会(トレーニング)を定期的に設ける必要があります。 

サルコペニアを改善する

サルコペニアは、加齢や疾患、過度な食事の制限などにより筋肉量が低下し、筋力や身体能力が低下した状態のことです。

改善には、栄養と並んで運動が必要です。中でも筋力トレーニングは最適な手段です。

胃を切除された方でも、トレーニングを行うことで、筋力と筋持久力は確実に高まります。

これだけでもサルコペニアの診断基準である、歩行速度と握力はクリアする可能性が高まります。

筋肉量に関しては、栄養摂取量が同時に必要になるため、トレーニングだけで改善できるかと言えばそうとも限りませんが、トレーニングによる筋繊維の損傷と同化ホルモンの分泌は栄養を筋肉に取り込む強力な要因となります。

以下のデータは、胃がんのお客様ではありませんが、食道がんの手術により胃を切除されたお客様へのトレーニングによる変化です。

69歳の高齢者ですが、筋肉量の増加により体重が徐々に増えてきており、それを維持できていることがわかります。※筋肉を付けるための食事のアドバイスも同時に行っています。

この方は現在もトレーニングを続けて、筋肉量の維持・向上に努めていらっしゃいます。

トレーニングをやめると効果が失われるので、定期的に行って、筋肉量・筋力・筋持久力の維持・向上を図りましょう。効果は90歳以上でも得られる可能性が高いとされています。

具体的なトレーニングプログラムの解説

トレーニングのプログラムには、どのくらいの重さか、何回行うか、などの変数があり、それらは目的に応じて変わります。

  • 強度

筋肉の肥大には67~85%の強度が効果的とされています。

強度は、その人が現在発揮しうる最大筋力をもとに設定され、トレーニングの反応を引き出すうえで最も重要な変数です。しかし、実際の測定では最大努力が要求されるため、特に高齢の方にとってはリスクが伴います。

よく用いられるのは、10RMという指標です。これはその人にとって「10回挙げられるが11回は挙げられない重さ」になり、最大筋力の75%を発揮していることになります。

言い換えると、「軽く10回挙げられる重さではなく、頑張って10回挙げられる重さに設定する必要がある」ということです。

  • 回数・セット数

67~85%を回数にすると、12~8回となります。この中で筋収縮の限界が来るように重さを調節します。

限界とありますが、67~85%の中での限界なので、中程度の運動となり安全性は高いとされています。

初心者は1セットから始め、2、3セットと徐々に増加させていくと良いでしょう。3~4セットが筋肥大を引き出しやすくなります。

  • 休息時間

一般的には、10回→60秒休憩→10回→60秒休憩→…、というように1~2分程度休憩を挟みながら3~4セットこなしていきます。

休息時間が極端に短すぎると後半の10回が4、5回程度で終わってしまい筋肉の仕事量が十分とは言えなくなってきます。

  • 動作速度

速すぎる動作は姿勢の乱れに繋がり、ケガをするリスクも出てきます。

重りを下ろす局面は2秒ほど、挙げる局面は1秒ほどで、姿勢を意識しつつ自分の動作をコントロールしていきます。

まとめると以下の図のようになります。

これから筋力トレーニングを始める方は低強度から行うと良いでしょう。

 

出来ればジムに通うことをお勧めします。

トレーニングマシーンであれば可動域が制限されているので安全に実施することが出来ます。

扱う重さの調整も簡単に行うことが出来るので、自分に合ったプログラムを行いやすいです。

運動は必要ですが、それをどのように行うかが効果に大きく影響します。

安全に効果を高めるために最適なプログラムで運動を行いましょう。

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引用

※1:Health Aspects of Resistance Exercise and Training レジスタンストレーニングの健康に関する側面

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