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  • 2023.01.09

糖尿病予備軍への低炭水化物食による血糖値への影響

低炭水化物食は,2型糖尿病患者のヘモグロビンA1c(HbA1c)を少なくとも低脂肪食と同程度に低下させることが知られています。しかし,糖尿病治療薬で治療していない糖尿病予備軍から糖尿病の範囲のHbA1cを有する個人における低炭水化物食のHbA1cに対する効果に関するエビデンスは限られています。

今回は、糖尿病予備軍および潜在的な糖尿病罹患者(血糖値は高いが治療をしていない人)に対する低炭水化物食の影響を調べた研究を紹介します。

結論からいうと、低炭水化物食は血糖値を下げる効果がありました。それでは詳しくみていきましょう。

目的

未治療のHbA1cが高い人のHbA1cの6ヶ月間の変化に対して、通常の食事と比較して低炭水化物食を促進する行動介入の効果を検討すること。

デザイン

設定、参加者 2018年9月から2021年6月まで、ルイジアナ州ニューオーリンズの学術医療センターにおいて、2並行群による6か月間の無作為化臨床試験を実施した。ラボラトリーアナリストは、割り当てについて盲検化された。参加者は40~70歳で、未治療のHbA1cは6.0~6.9%(42~52mmol/mol)であった。データ解析は2021年11月~2022年9月に実施した。

介入

参加者は、低炭水化物食介入(最初の3か月は炭水化物40純g未満を目標、3~6か月は60純g未満)または通常の食事に無作為に割り付けられた。低炭水化物食群には食事に関するカウンセリングを実施した。

主要アウトカムおよび測定法

HbA1cの6ヵ月間の変化を主要アウトカムとした。アウトカムは0、3、6ヵ月目に測定された。

結果

事前スクリーニングを受けた2722人のうち、962人がスクリーニングを受け、150人が登録され(平均[SD]年齢、58.9[7.9]歳;女性108人[72%];黒人88人[59%])、低糖質食介入群(75人)または通常の食事(75人)にランダムに割り付けられた。142名(95%)の参加者について6ヵ月間のデータが収集された。ベースライン時の平均(SD)HbA1cは6.16%(0.30%)であった。通常の食事群と比較して、低炭水化物食事介入群では、6ヵ月後のHbA1cの減少が有意に大きかった(純差、-0.23%;95%CI、-0.32%~-0.14%;P < .001)、空腹時血糖(-10.3 mg/dL;95%CI、-15.6 ~-4.9 mg/dL;P未満)、体重(-5.9 kg;95%CI,-7.4 ~-4.4 kg;P未満).

結論および妥当性

この無作為化臨床試験において、低炭水化物の食事介入は、グルコース低下薬を服用していないHbA1cが高い個人の血糖値の改善につながったが、この試験では体重減少とは別にその効果を評価することはできなかった。この食事療法が継続されれば、2型糖尿病の予防と治療に有用な食事療法になるかもしれないが、さらなる研究が必要である。

  • 参加者は平均58.9歳の150人(女性72%:黒人59%)
  • 低糖質食介入群(75人)通常の食事(75人)にランダムに割り付け
  • 未治療のHbA1cは6.0~6.9%

対象者は上記の通りでした。結果は

“通常の食事群と比較して、低炭水化物食事介入群では、6ヵ月後のHbA1cの減少が有意に大きかった”ようです。

まとめ

結論として、治療を行っていないHbA1cが高い人の血糖値の改善にはつながるが、低炭水化物食を継続できるかどうかは別問題だということです。

現実的に考えても、ご飯・パン・麺類や糖類を除いた食事を続けていくのは難しいと思います。

過去にお客様に低糖質食を用いた減量を指導したことも多くありました。皆、体重が十分に減って血糖値やコレステロール値なども改善したケースがいくつもあるので、こうした点では一定の成果は出るのでしょう。

しかし、低炭水化物食は頑張っても半年程度が限界かなと感じています。どこの飲食店に行っても基本は炭水化物が含まれているメニューがほとんどだからです。

また、炭水化物が食べれない代わりに肉や魚を食べるわけですが、費用が結構かかります。炭水化物よりタンパク源となる食材の方が圧倒的に高いので当たり前ですよね。低炭水化物食は費用面でも負担になります。

とはいえ、低炭水化物食はルールが分かりやすいので取り組みやすい面があります。減量効果もしっかりあります。年末年始で体重が増えてしまった方は2月末くらいまで低炭水化物食にしてみるのはいかがでしょうか?

スタートの体重にもよりますが、2ヶ月でマイナス5kgくらいは期待できますよ。


参考文献

Effects of a Low-Carbohydrate Dietary Intervention on Hemoglobin A1cA Randomized Clinical Trial

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