女性および男性における職業上の身体活動と死亡リスク
職業上の身体活動と死亡リスクとの関連については結論が出ていません。
①仕事での身体活動単独、②余暇身体活動との併用と、全死因、心血管疾患、およびがん死亡リスクとの関連を、暴露および共変量を6~8年ごとに更新しながら40年間にわたって調べることを目的とした研究が出ました。
結論からいうと、肉体労働をしていても、余暇は身体を動かすような過ごし方をしたほうが良さそうで死亡リスクが下がります。
方法:Tromsø Study調査Tromsø3-Tromsø7(1986-2016)の20-65歳の成人を対象とした。身体活動を低値(座り仕事)、中程度(歩行仕事)、高値(歩行+持ち上げ仕事)、超高値(重い肉体労働)に分類し、余暇身体活動を不活発、中程度、活発とした。年齢、肥満度、喫煙、教育、食事、アルコール、余暇身体活動(目的1のみ)で調整したCox/FineおよびGray回帰を用いて関連を検討した。
結果:
- 29605人、総観察数44140人のうち、4131人(14.0%)が追跡期間中に死亡し、その内訳は心血管疾患が1057人(25.6%)、がんが1660人(40.4%)であった。
- 男性では、低身体活動と比較して、高身体活動は全死因死亡率および心血管疾患死亡率の低下と関連していたが、がん死亡率とは関連していなかった。
- 不活発な余暇身体活動と低身体活動を参照とした共同解析では、活発な余暇身体活動は低身体活動、高身体活動および超高身体活動と組み合わせた全死因死亡率の低下と関連したが、中等度身体活動との関連は認められなかった。
- 女性では、身体活動、または身体活動と余暇身体活動の組み合わせと死亡率との間に関連は認められなかった。
結論:高身体活動(中等度および超高身体活動を除く)は、男性では全死因死亡リスクおよび心血管疾患死亡リスクの低下と関連したが、女性では関連しなかった。活発な余暇身体活動は、低身体活動、高身体活動、超高身体活動の男性において死亡リスクの低下と関連していたが、中等度身体活動は関連していなかった。
まとめ
歩行+持ち上げ仕事を伴う仕事をしている男性は死亡率が低下する傾向にあるようです。この傾向は何故か女性にはないとのこと。また、重い肉体労働をしている人は死亡率は変わりません。
余暇に身体活動をすると、仕事で身体を動かしている人も概ね死亡リスクは下がるようです。
肉体労働をしていても、余暇は身体を動かすような過ごし方をしたほうが良さそうです。
参考文献
Occupational physical activity and risk of mortality in women and men: the Tromsø Study 1986–2021
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主な情報仕入れ先
- PubMed/論文検索サイト
- NSCA/全米ストレングス&コンディショニング協会
- ACSM/アメリカスポーツ医学会
- BMJ sport medicine/ブリティッシュメディカルジャーナル
- Harvard Health Publishing/ハーバード・ヘルス・パブリッシング
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パーソナルトレーナー 井上大輔(外科代謝栄養学会/臨床栄養代謝学会/感染症学会)
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