ネット記事の紹介と反論 -糖質制限は糖尿病になる&痩せない-
先日、興味深いネットの記事がありましたので紹介します。
要約すると、
- 日本人が糖質制限すると糖尿病になり得る
- すい臓がインスリン分泌を増やそうと無理をして機能が低下する
- 痩せると感じるのは錯覚で、脂肪が減るわけではない
だそうです。
記事を読んでいても、「日本人が炭水化物を摂取しないと、すい臓がインスリンの分泌を増やそうと無理をするため、すい臓が機能低下し糖尿病になる」という部分が全く分かりませんでした。(誰か詳しい人教えてください。)
インスリンは血糖値を下げる(一定に保つ)ためのホルモンです。血液中の糖を筋肉や肝臓に送り込ませるホルモンで、結果的に血糖値が下がり血糖値が一定にコントロールされます。血糖値が高くなければインスリンは追加分泌されません。
なので、そもそも炭水化物を摂取しない場合、血糖値が上がらないのでインスリン分泌が増える事はありません。
糖質だけが血糖値を上げます。タンパク質と脂質は血糖値に影響はありません。
むしろ、すい臓の機能を守るために糖質制限は有効だと思われます。
糖尿病になるのは血糖値が高いからです。高血糖だから糖尿病になるのです。
血糖値は糖質のみが影響します。したがって血糖値を直接上げる糖を制限する糖質制限食は糖尿病に極めて有効だと考えられます。
「炭水化物を制限すれば・・・体についた脂肪が減るわけではありません。」とありますが、身体についた脂肪は格段に減ります。
続けて「日本人は脂肪をエネルギー変換できる形が整っていない。」とあります。
そもそも人の日常生活でのエネルギー消費は脂肪が半分以上を占めています。安静時の代謝は脂肪が半分~半分ちょっと、糖質が半分弱くらいです。この時点で脂肪をエネルギー変換している事になります。
さらに、糖新生という機能を御存じないのかな?とも思います。こんなことを言っている化学者(しかも客員教授)がいるのが驚きです。(参考:図解 超分かりやすい食事と代謝)
糖新生とは糖質以外の物質(脂質とタンパク質)から糖質を作るシステムです。このシステムが無ければヒトは低血糖で死んでしまいます。
脂質から糖質を作るので必然的に身体についた脂肪が減る事にもなります。
この人たちはヒト以外の生物で論じているのかな?
立派な科学者がこのような事を言うのも怪しいな、というのが本音です。おそらくこの方々が書いたブログや書籍なりを読んだ記事の書き手(ブロガー)が無知で訳の分からない記事になったのだろうなと推測します。
いずれにせよ、こういった何の根拠もない話は無視しましょう。