マラソンのパフォーマンス向上 トレーニング
一通りのシーズンスポーツも終わりましたね。
特にラグビーワールドカップでは日本国内で行われたのもあり、国全体が盛り上がりました。このままラグビー熱が冷めずに競技人口が増えると良いなと思っています。
これから冬にかけてはマラソンや駅伝など、長距離走のスポーツが盛り上がってきます。
2020年東京オリンピックもあり、ランニング(ジョギング)は最もポピュラーな運動となっています。
普段街を歩いていても、ジョギングをしている人を多く見かけますよね。海外に行くとやはりこちらでも走っている人は多いです。
近年、趣味や健康づくりの為にランニングなどの有酸素運動を実施する人が増えてきており、ドラマ「陸王」の影響もありましたね。ランニングに参加される方は益々増えると思われます。
そこから、自身のレベルアップの実感が得られ、マラソン大会やトライアスロンなどグレードupしたものに移っていく方も多くいらっしゃいます。これはとても良い事ですね!
今回は更に高いレベル(短いタイムでの完走)を目指す方への提案をしたいと思います。
マラソンのトレーニングというと、基本的にスケジュールを組んでタイム・心拍数を計測しながら走るというのが一般的です。
しかし、上級者、とりわけ国の代表に近いレベルの人は「筋力トレーニング」や「プライオメトリックス」もしっかり実施しています。
走る速さの要因
走る速さは、「ストライドの幅」と「ピッチ数」で決まります。
短距離走の場合、常に全力で走る為、ピッチ数とストライド幅が勝負にかなり影響を及ぼします。
長距離走においては自分の残体力やレース展開を見てピッチを調整します。短距離走ほどピッチは上げないのでピッチ数のトレーニングは今回は置いておきます。
ストライドの幅は筋力トレーニングによって確実に伸ばす事ができます。
下肢の筋力が高まると、足が着地して蹴り出す際の力が強くなり、結果として一歩の幅が広がる事になります。無意識に走っても自然とストライドが伸びるようになります。
意外と盲点になりやすい所ですが、長距離走のタイム短縮においても筋トレは必要ですね!
マラソンのトップ選手はみんな筋トレをトレーニングの一環として取り入れています。走るだけではダメです。
エネルギーの貯蔵量
また、筋力トレーニングを行うと、筋グリコーゲンを貯蔵しやすい身体になります。これは糖質の事なのですが、ヒトの身体は肝臓と筋肉に糖質を一時的にストックするようになっています。
よく収縮を繰り返す筋肉ほど筋グリコーゲンを貯める事ができます。筋トレは強度が高いエクササイズなので、普段寝ている筋肉も収縮します。これによって貯蔵できる筋肉を増やす事ができます。(使っていない筋肉はあまり貯めない)
グリコーゲン(糖質)はマラソンではとくにスピードを上げる際に沢山使われます。なので、集団から前に抜け出したい時や終盤のスパートで力を発揮する為に必要です。
レベルアップしたいと考えているランナーは、ストライドが上がり、筋グリコーゲンの貯蔵量も増やせる筋トレを普段のトレーニングに取り入れるべきです。全くやったことが無い人は週に1回だけでも、ランの時間を削ってでも取り入れると効果を感じるはずです。
プライオメトリックスはジャンプ系が中心のエクササイズです。
プライオメトリックトレーニングの一例:バウンディング
垂直系のトレーニングもあれば、バウンディングといった水平方向系のトレーニングもあります。
これもストライドを伸ばすのに非常に効果的です。
まとめ
筋力トレーニングまたはプライオメトリックトレーニングと持久力トレーニングの同時実施は、ランニングパフォーマンスに有益な効果をもたらし、そのような効果は十分にトレーニングを積んだランナーとレクリエーションレベルのランナー、全てのランナーに効果的であることが研究で明らかになっています。
期間にして最短4週間、頻度にして最低週2回の筋力またはプライオメトリックトレーニングによって効果が得られます。
多量のトレーニング(>週80km)を実施しているランナーは、ランニング量が減る傾向にあるトレーニング期間の最初と最後の4~6週間に筋力トレーニングまたはプライオメトリックトレーニングを組み込むと良いでしょう。
参考
Effects of Performing Endurance and Strength or Plyometric Training Concurrently on Running Economy and Performance
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