カフェインの影響
日常的にコーヒーや緑茶など、カフェインを含む飲み物をを飲んでいる人は沢山いらっしゃると思います。
私も、コーヒーは毎日飲んでいます。トレーニング効果を高めるために、あえてカフェインを摂取するトレーニーも沢山います。
今回はカフェインの影響について書いていきます。
カフェインの代謝
カフェインは、摂取後45分で胃と小腸から完全に吸収されます。体内に貯める事は出来ず、健康な人なら3~4時間後に排泄されます。
カフェインは中枢神経系を刺激し、その結果、注意力と集中力を高めます。
カフェインにより得られる効果には個人差があります。少量のカフェインで眠気が飛ぶ人もいれば、夜に飲んでも普通に寝れる人も居ます。
また、カフェインの代謝物質は、血管の拡張と尿量の増加、平滑筋弛緩と脂肪分解の促進などを起こします。さらに、酸素摂取量、カテコ-ルアミンの放出、代謝速度の増加も報告されています。
これらの効果は、体重1kg当たり2~9mgの範囲とされ、通常これより高用量では、不安、不眠、頭痛などパフォーマンスに有害な副作用をもたらす可能性があります。
安全性
カフェインの安全性は各国で認められています。摂取量の上限についての提言は厚生労働省のページを参考にしてみてください。要約すると、健康な成人で400 mg(コーヒーをマグカップで約3杯)までとしているようです。
健康への効果
コーヒーを習慣的に飲んでいる人では長期的に心血管疾患による死亡が少ないとした報告などがあります。
専門誌『Mayo Clinic Proceedings』にカフェインと死亡率の関係を検討した報告がありました。
研究対象:アメリカで1999年~2010年にかけて行われた追跡調査の結果のうち、17,594人分のデータを統計解析。
グループ分け:カフェインの摂取量により4グループ
- 1日10mg未満
- 1日10-99mg
- 1日100-199mg
- 1日200mg以上
平均年齢はグループごとに48~50歳、女性の割合は59.2%~45.9%、カフェイン摂取量が多いグループで年齢がやや高く、男性がやや多い傾向にありました。追跡期間は平均で6.5年分のデータが得られました。
結果は、
カフェイン摂取量が1日10mg未満のグループに比べると、カフェイン摂取量が多いどのグループでも全体としての死亡率が低く、0.63倍から0.81倍になっていました。
また、コーヒー消費量が週に1杯未満の人だけに限ってカフェイン摂取量で比較しても、カフェイン摂取量10mg未満に比べて100-199mgのグループで死亡率が0.46倍に低くなっていました。
カフェインを摂ることで死亡率が下がる事は傾向として分かりましたが、だからといってこれまで積極的に摂取していない人があえて摂るようにすることは避けた方がよいでしょう。上記の研究ではカフェイン単体が影響したかどうかは定かではない、別の要因が影響している可能性もあるからです。
エクササイズへの効果
筋力トレーニングにおいては、カフェインによるパフォーマンス向上が認められています。具体的には、1セットで完了するレップ数の向上(回数多くこなせる)です。
また、持久的パフォーマンスでは、水泳、自転車スプリント、反復短距離走など、アスリートがスポーツの要求を模倣したエクササイズを行なった研究では、カフェインの摂取により、パフォーマンスが向上する傾向が認められています。
2.5~7mg/kgのカフェインは、高強度のエクササイズパフォーマンスを改善すると考えられます。
反復スプリントなどのチームスポーツのパフォーマンスは、運動前に6mg/kg(高容量)の摂取をした場合に向上する。
筋力トレーニングや水泳、自転車など鍛錬者の方が、未経験者に比べてカフェインの効果を感じやすい傾向。
個人の代謝率に応じてカフェインの反応の大きさが変わる。
まとめ
カフェインは基本的に安全なサプリメントであることが確認されており、使い方によっては健康面、運動パフォーマンス面でポジティブな効果を与えてくれます。
過剰な摂取は避けて、ご自身の体重から必要量を計算して適切に使いましょう。
ボーダーは「健康な成人で400 mg(コーヒーをマグカップで約3杯)まで」です。
参考
カフェイン1日100mgで死亡率減少?コーヒー週1杯未満でも
Efficacy of Acute Caffeine Ingestion for Short-term High-Intensity Exercise Performance: A Systematic Review