早期時間制限食のダイエット効果
減量するための方法としてオーソドックスなのは、食事のカロリーを減らすことに加えて運動をすることが挙げられます。
しかし、運動をする時間が無い人や、疾患などで運動への参加が制限されている人もいます。例えば、減量しなければならないが膝が悪いといったケースは、カロリー制限だけで減量に取り組む事になります。
こういった人達に更に効率の良い手法がないか、ひとつの案を提示したいと思います。
早期時間制限食
“1日の早い時間に食事をする”方法があります。これを「早期時間制限食」としましょう。
やり方はシンプルで、7:00~15:00の8時間で1日の食事を済ませるというものです。8時間の枠を守れば、絶対に7時スタートでなくても良いと思いますが、研究では7:00~15:00で検証されています。
食事の時間帯はコントロールしますが、エネルギー制限も同時に行います。時間の枠で自由に食べまくっていいワケではありません。
時間制限食の効果
では、早期時間制限食に効果があるのか、実際の研究を見ていきたいと思います。
参加者:本試験は、2018年8月から2020年4月にかけて実施された14週間のランダム化臨床試験である。参加者は、25歳から75歳の肥満の成人で、アラバマ大学バーミンガム病院の減量医療クリニックで減量治療を受けた人です。
介入:参加者全員が減量治療(エネルギー制限[ER])を受け、早期時間制限食+ER(7:00~15:00の8時間の食事枠)またはコントロール群+ER(≧12時間の食事枠)に無作為に割り付けられた。
結果:90名の参加者が登録された(80%女性)。早期時間制限食+ER介入は、体重の減少にはより有効であったが、体脂肪および体重減少に対する脂肪減少の比率には影響を与えなかった。早期時間制限食+ERの効果は、摂取カロリーをさらに214 kcal/日減らすことと同等であった。早期時間制限食+ER介入は、拡張期血圧および気分障害(疲労-不活発、活力-活動、鬱-拒絶を含む)も改善した。他のすべての心代謝系危険因子、食物摂取量、身体活動、および睡眠の結果は、両群間で同様であった。59人の完了者の二次分析では、早期時間制限食+ERはCON+ERよりも体脂肪と体幹脂肪の減少にも有効であった。
結論:このランダム化臨床試験において、早期時間制限食は、14週間において、12時間以上の枠で食事をするよりも、体重を減らし、拡張期血圧と気分を改善するのに有効であった。
体重の減少量には効果があるようでした。摂取カロリーを214kcal/日減らすことと同等というのも興味深いです。空腹時間が長い方が減量効果が高いのでしょうか。
新たに費用がかかったり、時間を投下したりする必要もないので、すぐに始めることができます。
また、ダイエット食はストレスを感じるケースもありますが、気分の改善も見込めることから続けやすい手法かもしれません。血圧を下げる効果があるのも良いですね。
研究では女性の比率が高いので、男性の人数を増やしたケースでは結果がまた変わるかもしれません。
まとめ
特に体重が重すぎる人は、運動を始めた際に関節ストレスが大きく、膝や股関節などを損傷する可能性があります。
したがって、重度の肥満の場合、まずは食事のみである程度のところまで減量する作戦を取ることがあります。その期間に早期時間制限食を採用することで、時間を短縮できるかもしれません。
また、冒頭述べたように時間に制約があり、運動の時間が安定して確保できない人も早期時間制限食を採用すると良いかもしれません。
その他、何度かダイエットとリバウンドを繰り返しちゃった人も早期時間制限食が使えそうです。理由は、摂取カロリーを約200kcal/日多く削減したことと同等になるので、言い換えれば、早期時間制限食を続けている限り200kcalまでは多めに食べてもカバーできる可能性があります。例えば、1日の消費量が1600kcalだとして1800kcal食べても太らないかも?という感じです(これは本当に体重が増えてないかを確認する必要がありますが)。
いずれにせよ、早期時間制限食が痩せにくいですよ・逆に太りやすくなりますよ、といったデメリットは無いのでトライする価値はあると考えられます。
この記事を読んで、あなたのダイエットのバリエーションが増えれば幸いです。
参考文献
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パーソナルトレーナー 井上大輔
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