BLOG

  • 2019.07.23

筋肉痛はこなくても良い。やった感は必要ない


筋肉痛の痛みは運動のモチベーションに関わってきます。

運動の嫌いな人にとって、筋肉痛は苦痛でしかないので動機づけとしてはマイナスに働きますね。

一方で、運動が好きな人にとっては筋肉痛があった方が、「前回のトレーニングで頑張ったんだな→成果が得られるな」という考えになるので、ポジティブな印象を与えます。

中には筋肉痛が無かったためにあまり効果がなかったのではないか?と思って落ち込む人もいます。

 

筋肉痛とは

「筋肉痛=遅発性筋肉痛」は、運動の後に起こるもので、慣れない身体の使い方(新しい刺激)や高強度の運動(強い刺激)が与えられた後に起こりやすいです。

なぜ筋肉痛が起こるのかというのは明確に解明されていません。運動で発生する乳酸とは関係がありません。筋肉で起こる炎症反応とされています。

 

どんな時に筋肉痛が発生する?

筋肉痛が起こりやすい運動は、筋力トレーニングで特に重りを挙げる時ではなく、「コントロールしながら下ろす時」に起こりやすくなります。

この重りを下ろす時の筋収縮を「エキセントリック収縮」といいます。逆に挙げる時を「コンセントリック収縮」といいます。

筋肉は挙げる時にはもうムリという状態でも、補助をして挙げてゆっくりコントロールしながら下ろすことは何回かは可能です。コンセントリックで力が入らなくてもエキセントリックでは何回かは筋出力が出来るという事です。

従って筋力トレーニング中の最後のセットでパートナーに補助をしてもらえればエキセントリック収縮を活用し筋肉痛を引き出すことは可能です。

(筋肉痛を引き出すことを目的とするならですが。普通はそんなことしません。笑)

 

しかし、慣れている種目だと徐々に筋肉痛は起こらなくなってきます。例えば、ずっとベンチプレスを行っていると補助を活用してへとへとになるまで行っても翌日の筋肉痛が起こらないなんてことはザラにあります。(でも筋肉の疲労感や張りはあります)

こういったことがあると、筋肉痛が無いと不安、やった感がない、という不満を持つ人も出てくることになります。過去のクライアントからも何度も言われ、その度に説明をしています。

 

筋肉痛は必要か?

そんな人に対してご機嫌を取ろうとする・やった感を出すため、種目をコロコロ変えて筋肉痛を起こしやすく処方するトレーナーや施設もあります。これは非常に悪質です。

種目をコロコロ変えるという事は、クライアントはその動きの習得がどれもマスター出来ないことになります。

しかも、たいていはそれらに対して高強度の処方をしますので、ケガのリスクも極めて高くなります。

 

実際にyoutubeなどで動画がありますので、お時間のある方は観てみてください。ひどいフォームで無茶をしているのは素人が見ても明らかです。→クロスフィット

例として「クロスフィット」を挙げてみました。

何人か一組で決められたその日のメニューを一緒に消化していくので、連帯感は高まり、運動継続のモチベーションになるなら良い事ですが、ケガするリスクを高めてまで行うのは本末転倒ですし、目的が「筋肉痛」や「やった感を得る事」にすり替わっています。

 

目的は、健康的な手法を前提に筋力向上や筋肥大の効果を最大限得る事であり、その手段として安全なトレーニングがあるという事です。

筋肉痛=効果がある、というわけではありません。無くても十分に筋力は発達し、筋肥大も起こります。

安全で効果のあるトレーニングが広まっていく事を願ってやみません。