BLOG

  • 2019.08.24

糖質制限 -糖質制限食の定義


こんにちは。トレーナーの佐藤です。

引き続き糖質制限の話をしていきます。

今回は糖質制限食の定義から紹介していきます。

糖質制限食と一口に言っても巷では色々なパターンが溢れています。

勿論、正しくない糖質制限食もあります・・・。

危惧しているのは誤った糖質制限食を実施したことで体調を崩してしまったり、糖質制限への悪いイメージを持ってしまい誤った情報が拡散されてしまうことです。

 

糖質制限食の定義

1日の糖質摂取量が130g以内

この数値はアメリカ糖尿病学会が提唱し始めましたが、糖質制限食の先駆者であり権威でもあるバーンスタイン氏も認めております。著者である江部先生もこの数値を支持しています。

別の方が書いた本では120gという表記がされることもありますが、やはり上限はおおよそ130未満であることに変わりはないですね。

その為、私も130g以内に抑えるべきだと思います。

これは本を読んで知識を得たので分かりますが、実際のお客様への指導でも概ねその程度だと感じています。

しかしながら現在のところ、糖質制限食には公式の定義がないという事実もあります。

恐らく時間の問題だとは思いますが、糖尿病を研究している方々や上記のような先駆者達によって誤った糖質制限食は淘汰され、整備されていくと思います。

 

著者である江部先生が推奨しているのはスーパー糖質制限食、というものです。

スーパー糖質制限食とは1食あたり糖質摂取量10~20g以下で1日で糖質摂取量が30g~60gと紹介されています。

これは確実に食後高血糖と高インスリン血症が防げる糖質量といわれています、

食後高血糖や高インスリン血症が防げるということは、糖尿病やそれに付帯する病気や症状に対して、また生活習慣病や動脈硬化の予防や改善にも効果的だということですね。

これまで糖質制限食のメリットの部分を中心に紹介していきましたが、糖質制限食を行なってはいけない人、また、行う際に医師の指導を受けるべき人もいます。

  • 肝硬変、診断基準を満たす膵炎、長鎖脂肪酸代謝異常症の方は糖質制限食は行うべきではない
  • 腎不全、インスリン注射やSU剤内服を行なっている場合は必ず医師の指示の下で行うべき

です。これらに該当する方は気をつけましょう。

 

糖の種類

これまでに沢山、糖質という言葉が出てきましたが皆さんは糖質の意味をご存知でしょうか?

お酒を飲まれる方は、糖質ゼロの表記や糖類ゼロといった表記があることはわかっていると思います。

実はこれらもしっかりと定義があり、違いがあります。

炭水化物も実は糖質と同じ意味ではなく、別の意味があります。

今回のブログの後半ではこのことについて詳しく紹介していきます。

 

日本においては糖質や炭水化物、糖類という言葉が多く用いられますのでこの3つの違いから。

  • 炭水化物→糖質+食物繊維
  • 糖質→糖類+三糖類以上+糖アルコール+合成甘味料
  • 糖類→単糖類+二糖類

このような違いがあります。

つまりは糖類ゼロというのは完全な糖質ゼロではないということや、炭水化物を抜くと食物繊維も不足してしまうことが分かってくると思います。

 

更に掘り下げていくと糖には色々な種類がある事が分かってきます。

  • 三糖類以上→オリゴ糖やデンプン、デキストリンなど
  • 二糖類→ショ糖や麦芽糖、乳糖など
  • 単糖類→ブドウ糖や果糖、ガラクトースなど
  • 糖アルコール→エリスリトール、キシリトールやマルチトール、ソルビトールなど
  • 合成甘味料→アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリンなど

このように糖には沢山の種類があります。

キシリトールやブドウ糖、デンプンなどは聞き覚えがあるのではないでしょうか?

三糖類以上は甘味を持っていなかったり、糖アルコール(天然の成分を使って人工的に加工)や合成甘味料は人工的に作られていたり、それぞれに特徴があります。

糖類は天然抽出される甘味のある糖質と記載もされております。

 

なんだか沢山の種類があり過ぎて迷ってしまいますが、糖質制限食を行う上で肝心なのは糖の種類を知ることと、商品の表記を知ることです。

表記の仕方

前述した通り、商品には糖質ゼロと表記されているものや糖類ゼロ、カロリーオフ、カロリーゼロなどといった表記が増えてきています。

低糖質、というのもありますね。

どれも糖質を含まないような印象を受けますがこの中で糖質を殆ど含まないのはカロリーゼロと糖質ゼロの2つのみです。

これは国が定める「健康増進法」によって基準が設けられています。

基準は以下の通りです。

  • カロリーゼロ→エネルギー量が食品100g当たり5kcal未満(飲用の液体では100ml当たり5kcal未満)
  • カロリーオフ→エネルギー量が食品100g当たり40kcal未満(飲用の液体では100ml当たり20kcal未満)
  • 糖質ゼロ→糖質量が食品100g当たり0.5g未満(飲用の液体では100ml当たり0.5g未満)
  • 糖質オフ→具体的な数値の基準無し、「誇大な表示とならないように十分な注意が必要」との記載のみ

厳密に言うとカロリーゼロはゼロで無いということや、糖質オフは明確な基準がないということがわかります。

低糖質を謳っている商品はもしかしたら、本来の糖質量よりは減っているが低糖質食を実践するには糖質が高い可能性も十分に考えられますね。

しかし、商品には糖質〇〇gタンパク質〇〇gなどと栄養素の表記がされていますのでそれを見れば問題なく選ぶことが出来ます。

盲目に商品を選んではいけない、ということをわかっていただければ幸いです。

 

血糖値を上げない糖

他には血糖値を上げない糖というのもあります。

それはエリスリトール(糖アルコール)や合成甘味料です。

理由は人体の中で起こる代謝に関係ないので、血糖値を上げることなく排出されるからです。

糖アルコールというのは天然に存在する物質を加水分解して人工的に合成したもので安全性が高いことが証明されています。

その為、摂取量に関しての規制がありません。

一方で合成甘味料に関しては血糖値の上昇が見られないという点に関しては同じですが、安全性は一応認められている、という感じなのです。その為、摂取量の規制はあります。

 

これらの血糖値を上昇させない糖は私たちの生活の中でも浸透しています。

スーパーやデパートなどの砂糖のコーナーにはラカントパルスイートといった砂糖が並んでいます。

これらはいずれも糖質ゼロの砂糖で甘みがあります。

ただし、原材料が違います。

ラカントは糖アルコールを使い、パルスイートは合成甘味料を使用しています。

合成甘味料が嫌だな・・と感じる人はラカントを選ぶ方が多いですね。

このように商品の比較において、糖アルコールを使った商品の方が合成甘味料を使った商品よリも値段も高くなっている印象を受けます。

ラカントとパルスイートはどちらも私は試したことがあります。

ラカントはやや控えめな甘さで、パルスイートは少量でもしっかりとした甘さを感じることが出来ました。

恐らく、糖質制限の一番の敵は甘い物が食べられなくなることだと思います。

私自身、チョコやお菓子などの甘い物が大好きなので自分の減量の際は沢山工夫をしました。

甘い物を食べれないという、その悩みさえも解決してくれる商品があるのはとても素晴らしいことですよね。

 

正しい糖質制限を知って、糖の種類を知って、自分にあった方法(商品や食材、料理のチョイス)が分かれば一番スムーズに糖質制限をすることが出来ると思います。

そして正しい糖質制限を行えば、身体は良い方向に変わっていくので変化が楽しみになっていきますよね。

今回のブログをきっかけに糖質制限に興味を持っていただけると嬉しく感じます。

次回のパートでは糖質制限の誤解について取り上げていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。


※参考文献

・江部康二の糖質制限革命-江部康二(東洋経済新報社)