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  • 2023.03.15

身体能力を維持するための最低限の運動量


ほぼすべてのフィットネス参加者は、運動に使える時間が制限される期間に遭遇します(例えば、個人、家族、またはビジネスなどの都合)。

このような時期には、身体トレーニングの目的は、身体的パフォーマンスを向上させることではなく、単に維持することが合理的な選択となるでしょう。逆に、かろうじてトレーニング頻度を維持してパフォーマンスの向上を図ると、オーバートレーニングを引き起こすかもしれません。

一般的に、運動量を身体的パフォーマンスを維持するために必要な最低限の量に減らすことができれば、フィットネス参加者は、利用可能な時間を他の仕事や回復のために割り当てすることができます。これは生涯にわたってフィットネスを生活に組み込む上で重要な考え方にもなります。

長期間にわたって身体的パフォーマンスを維持するために必要な最小量の運動(頻度、量、強度)が分かれば生活に役立ちます。今回はこれを紹介したいと思います。

必要最低限のトレーニング頻度

一般成人

  • トレーニング頻度は週2回程度
  • 運動量を33~66%(1回13~26分程度)減らしたりしてもOK
  • 運動強度(運動時心拍数)が維持されていれば、最長で15週間、持久力のパフォーマンスを維持することが可能
  • 筋力と筋肉の大きさは、(少なくとも若年層では)運動強度を維持する限り、週1セッション、1エクササイズ1セット程度の筋力トレーニングで32週間まで維持できる。

高齢者

  • 筋肉の大きさを維持するには、運動強度を維持したまま週2セッション
  • 1エクササイズ2~3セットを必要とするかもしれない

スポーツ選手や軍人

  • 具体的な推奨をするには、データが不十分です。

結論

運動頻度や運動量が比較的大きく減少しても、長期間にわたって身体能力を維持するには、運動強度が重要な変数であると思われます。

有酸素運動

運動強度は、有酸素運動であれば”心拍数”です。運動時に十分心拍数を高められれば、心臓血管系の機能は維持されやすくなります。トレーニングをするときはスマートウォッチなどを使用して心拍数を測るクセをつけておきましょう。

具体的な強度は、HRmaxの約90-100%、が目安となります。運動負荷を上げていき、『もうこれ以上がんばれない』時の心拍数が最大心拍数(HRmax)です。つまり、約20分走ったら”もう走れない”または、それに近い疲労感が発生する強度にする必要があります。強度は走る速さだったり、自転車ならペダルの重さ(回転数は減らさない)だったりします。

筋力トレーニング

”取扱う重量”がカギとなります。

筋力トレーニングにおける必要最低限の強度は8~12RM(70〜80%強度)です。これは『10回挙げれるけど11回は挙げれない重さ(10回目に限界が来る)』で10回行うということです。

20〜35歳はこの強度で、週1セッション、1種目1セット程度の筋力トレーニングで32週間まで筋力と筋肉量を維持できます。

高齢者(約60~75歳)も同様の強度で、週2セッション、1種目2~3セットの筋力トレーニングを行うことで筋力と筋肉量を8週間は完全に維持できます。

まとめ

以上、最低限どのくらい運動すれば、一定期間の身体パフォーマンスや筋肉量を維持することが可能かをみてきました。

完全にトレーニングをゼロにすれば、早い段階でトレーニング効果は失われ始めます。残念ながら多くの人は“忙しい”や“体調が悪かった”などの一時的な理由から長期間(数ヶ月~数年単位)の離脱をしているのが現状です。

しかし、今回提示した内容であれば、個人的に忙しい時期が来たとしても、最低1週間のうち1時間だけでも確保できれば数ヶ月の維持が可能ということがわかったので、安心して個人のイベントに注力できるのではないでしょうか。

「継続」とは週に3~5回やっているかどうかだけではありません。週に1時間だけでも毎週行えば、それは立派に『継続』出来ていると言えます。せっかく積み上げたトレーニングの成果を台無しにしないよう、忙しいときは今回紹介した方法で維持に努めてください。


参考文献

Maintaining Physical Performance: The Minimal Dose of Exercise Needed to Preserve Endurance and Strength Over Time

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パーソナルトレーナー 井上大輔

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