ジムに通ってダイエットを成功させる秘訣
ダイエット目的でジムに通う人は沢山います。しかし、脱落したのか、目標を達成したのか、いずれにせよ9割は1年間で脱落します。
できれば目標を達成したうえでジム辞めたいと思うはずです。そこで今回は、ジムに通ってダイエットを成功させる秘訣について解説してみたいと思います。長いですが、各項目に分けて書いたので最後まで読んでいただけると嬉しいです。
失敗する人の特徴
成功の秘訣を語る前に、失敗する理由や、失敗する人の傾向またはマインドを知っておくのが良いと思います。失敗する(なかなか成果が出ない)人は以下のような傾向があることが多いように感じます。
- 短期思考
- 栄養計算にズレがあるorしていない
- 運動の内容が効率的ではない
- 言い訳が多い
大体こんな感じです。一つづつ簡単に解説してみます。
短期思考
開始時の体重にもよりますが、人間が痩せるペースって限られているという事を理解できていない人が多いです。
仮に1ヶ月で最大どのくらい痩せることができるかを計算してみます。
脂肪を1kg落とすのに必要なマイナスのカロリーは7200〜7300kcalといわれています。人間の1日の基礎代謝は男性で1500、女性で1200くらいです。ここでの個人差は誤差程度なのでこのまま進めるとします。
仮に1ヶ月絶食しても、男性-1500×30日÷7200= -6.25kg/月、女性-1200×30÷7200=-5kg/月、ここに身体活動量を加味しても-1kg積み上げれるくらいです。これが理論上MAXで落とせる量です。しかし、”絶食したら”のケースなので、ここに至るまでに死んでしまいます。
脂肪だけを落とすと想定し、基礎代謝と同じくらいのカロリーを摂取するとします。人間は基礎代謝の1.3倍くらいを1日に消費します。これを前提として、
男性-1500×1.3+1500=-450kcal/日。これを30日積み重ねると-13,500kcal、7200で割ると-1.875kg/月です。女性も同様に計算すると-1.5kg/月です。これが現実的に最大で落とせる体脂肪量です。仮に中程度の運動を2日に1回行ったとしても500gくらい多く落とせるようになる程度です。
いろんな広告で『2ヶ月で−8kg!』とか『3ヶ月で−15kg!』などと見かけたことがあるでしょう。上記の計算を見ると広告が嘘をついているか分かります。短期思考の罠です。この数字に照らし合わせてしまうから、自分が1ヶ月ダイエットに取り組んで2kgしか落ちなかった時、失敗したと錯覚してしまうのです。そして脱落します。
1ヶ月に落とせる脂肪量は男性で2kg、女性で1.5kgと考えておくと良いでしょう。これが達成できれば100点です。仮に男性で1.4kg、女性1.0kgで着地しても”70点で上出来”くらいに考えると良いです。
短期思考は失敗の原因です。
栄養計算にズレがあるorしていない
ダイエットは短期思考の項で説明したように数字のゲームです。従って、カロリー摂取量の計算がガバガバだと全然落ちなかったり、やたらと落ちる日があったりして安定しません。
プロがやっても栄養計算は最初のうちはズレがあります。なのでそれをアジャストする日も必要です。仮に1ヶ月で2kg落とすとすると1週間で500g減っていればいいわけです。自分で栄養計算しながらやってみて、1週間で500g減っていれば計算は合っている、300gしか減っていないならちょっと摂取カロリーが多い、という感じで自分の計算が合っているかは確認できます。
1日単位での照らし合わせは誤差が大きいのでやる意味がありません。1週間〜10日単位での照らし合わせをしながらダイエットを計画的に進めていきましょう。
- 運動の内容が効率的ではない
ダイエットの際、運動を加えるとより効果的に脂肪を減らすことができます。といっても運動には沢山の種類があり、その選択を間違っている人がいます。
ダイエットでは消費カロリーを多く積み上げれる運動が最適で、一般的なジムで考えると『筋トレ』か『有酸素運動』が優先事項になります。
筋トレのやり方は詳しくは述べませんが、筋肉がしっかり疲れる重量に設定して、10回3セットくらいはこなしたいです。ジムで沢山の会員さんを眺めていると、初心者っぽい人はほとんど”負荷が軽すぎる”ように見えます。10回3セットはとりあえずこなすようです。負荷が適切なら3セット目の8〜10レップ目はかなり重そうでゆっくりな動きになります。しかし、初心者の場合はシャカシャカ動かせるくらいの軽い重さで実施していることが多いです。1セット目の1レップ目と3セット目の8〜10レップ目で動きが変わらないのは明らかに負荷が軽いと言えます。
筋トレを行う際は負荷をちゃんと設定しましょう。
有酸素運動で一番優先したいのはトレッドミルかステアマスターです。
この2つは自転車と違って”立っている”のでその分消費も大きいです。特にステアマスターは上半身も動かすので心拍数を上げやすく、膝へのストレスも少なくておすすめです。
有酸素運動を行う際は、トレッドミルかステアマスターを選択しましょう。心拍数を110〜120の間で推移させ、1日合計30〜60分、週5回〜が有酸素運動の基本プランです。
ヨガやピラティス、ストレッチなどは上記のトレーニングに比べると消費カロリーがだいぶ少ないので、ダイエットのためとしては非効率です。目的に合った運動様式を選択しましょう。
言い訳が多い
色々と言い訳をしてしまう人は『痩せたい・痩せなければならない』のではなく『痩せれたらいいな』くらいの熱量なので、そもそも失敗する確率が高いです。最初からダイエットする気がないのです。
飲み会に誘われた、今日は残業で遅くなった、疲れているから、といった理由でジムを避けます。また、3日くらいしか食事制限をやっていないのに”ご褒美”といってお酒を飲んだりお菓子を食べたりします。
飲み会でも食べるものをコントロールすることは出来ますし、お酒の量も調整できるはずです。一緒に行く人に「今、ダイエット中だから」と公言するのも一つの手です。こうすると相手も大人なので理解してくれます。
〇〇の食材は嫌いだから…というパターンもあります。それなら代替品を考えればいいのです。
ネット記事で△△と書いていたから…このパターンは色んなものに騙されます。酵素ドリンク、●●だけダイエット、痩身エ○テとか。
言い訳が多い人は、他責だったり、他力本願で『痩せれたらいいな』とやる気もないので、ダイエットには取り組まない方がいいです。ストレスがかかるだけで成果は出ないので。
この項目を読んで当てはまりそうなら、本当にやる気が出るまで・必要性が出てくるまでダイエットは考えない方が良いですよ。中途半端に取り組んでリバウンドしやすい身体になると逆にマイナスですからね。
ダイエットは長期のゲーム
以上を理解した上で取り組むと成功に近づくと思います。ここからはダイエットは長期のゲームという事を説明します。
短期思考NGという話で出ましたが、1ヶ月のダイエットで落とせる量は大体決まっています。男性2kg。女性1.5kgです。
自分を鏡で見て痩せたように見える、あるいは他人から見られて『痩せたね!』といわれるには、大体ですが5kg程度の変化が必要です。(敏感な人は3kgくらいで気づいてくれます)
そうすると男性で2.5ヶ月、女性で3ヶ月ちょいは少なくともかかります。これはかなり順調に進んでかかる日数で、1ヶ月のうちに食事会や繁忙期などのイベントが重ることが普通なので、プラス2週間くらいかかると思っておいた方が精神衛生上良いです。
例えば夏(7月1日)までに5kg痩せたい場合、男性は4月から、女性は3月から取り組むのがベターということです。7〜8kg痩せるなら年明けくらいから次の夏を見据えて動き出す必要があります。
夏に合わせるのか、健康診断に合わせるのか、結婚式に合わせるのか、目的は人それぞれですが、しっかり逆算して取り組んでいきましょう。特にこの時期というのが無い人はマイペースでもOKです。10日〜2週間に1度は好きなものを食べながら、1ヶ月に1kg痩せるとしても12ヶ月続ければマイナス12kgになります。1年後は別人です。
こうして長期視点で見れば、たとえ1日2日食事が乱れたり、旅行して1週間の体重が増えてしまっても、次の1週間でカバーすれば仕切り直しできます。
短期思考だともうダメだ、諦めようとなりやすいですが、長期視点なら楽しみを交えつつダイエットを成功させることができます。
”塵も積もれば山となる”
食事の時間配分を変えてみてもいいかも
普通のカロリー制限+ジム筋トレが王道なダイエット法ですが、食事の時間配分を変えるのも面白いかもしれません。こんな研究がありました↓
方法:実験は、単盲検無作為化試験で行った。20名の健康な被験者が登録され、レジスタンストレーニングとともに、時間制限食(TRE)または通常食のいずれかのプロトコルを12ヶ月間受けた。TREプロトコルでは、被験者は毎日8時間の間に3回の食事(午後1時、午後4時、午後8時)で必要なエネルギーを摂取した。通常食グループの被験者も、午前8時、午後1時、午後8時の3食を摂取した。ベースライン時の消費カロリーおよび多量栄養素の分布は、各グループで一致させた。
結果:TREの12ヶ月後、体重、脂肪量、インスリン様成長因子1、テストステロンが通常食と比較して有意に減少した。さらに、炎症マーカー(インターロイキン6、インターロイキン1β、腫瘍壊死因子α)、インスリン感受性(空腹時血糖値、インスリン、インスリン抵抗性の恒常性モデル評価指数)、脂質プロファイル(コレステロール、HDL、LDL)はTRE後、通常食と比較して有意に改善された。最後に、TREの被験者は1日のエネルギー摂取量を自発的に減少させたが、通常食の被験者は1日あたりのキロカロリーを開始時のまま維持した。有害事象は報告されなかった。
結論:本研究の結果は、レジスタンストレーニングの長期的な併用が、炎症マーカーおよび心血管・代謝性疾患の危険因子の低減に有効であり、かつ安全であることを示唆している。
”食事の時間帯を変えるだけで自発的に摂取カロリーを減らす”ようになるようです。一定期間はこうしたやり方を取り入れてみるのも面白いと思います。
まとめ
ジムに通ってダイエットを成功させる秘訣のポイントは、
- 理論的現実的に1ヶ月に落とせる脂肪の量を知ること
- ある程度長い時間軸で取り組むこと
- 適切な運動を選択・実践すること
- 食事の時間帯を変えてみるのも面白い
です。一つでも参考になるものがあれば良いなと思います。既に知っているよ!という方は、あとはやる気の問題といえます。
ダイエットは”数字のゲーム”なのでどんな人でも成功します。皆さんのダイエットが上手くいく事を願っています。
参考文献
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パーソナルトレーナー 井上大輔
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