スポルテック2019 フィットネス大変革の予感!
こんにちは。茅場町店トレーナーの佐藤です。
7月11日(木)、スポルテックというスポーツ・健康産業の日本最大級のイベントに視察に行ってきました。
こちらがスポルテックの概要です。
https://www.sports-st.com/hfj/outline/
東京はビッグサイトで年一回行われており、年々その規模が拡大しているのでスポーツ・健康産業の注目度は上がっていると感じています。
学生時代から4回ほど参加していますが、やはり今回が一番盛り上がっておりました。
基本的には新しいトレーニングマシンの展示やサプリメントの紹介、テーピングやセルフケア、酸素カプセル等の紹介が多くあります。
ジムの空きスペースでのホワイト二ング事業のフランチャイズ募集もありました。
日本のみならず、中国やパキスタンと行った外国からの出店もありました。
何か良いものがあれば取り入れようと考えて端から端までくまなく見て回りました。
具体的にはこのような形に分類、展示されていました。
- トレーニング器具(業務用 ホームジム用 廉価品 IoTなど)
- セルフケア器具(振動するフォームローラー トリガーボール コンプレフロスなど)
- サプリメント(プロテイン ビタミン ミネラル 酵素 脂肪燃焼 OEM販売)
- フード(プロテインバー プロテインスナック)
- ウェア(EMS 着圧 フィットネスアパレル)
- テーピング(キネシオ ホワイト)
- ウェアラブル(GPSウォッチ)
- 3Dスキャン(身体の3Dデータ測定器具)
- 美容系(歯のホワイトニング 無痛脱毛)
例年見かけるものや初めて見るものまで沢山の種類がありました。
中国製のゴムバンド・ウォーターバッグ・振動するフォームローラー(筋肉をほぐす為のコンディショニングツール)やランニングマシンなどが販売しており、どれも日本で販売されている物よりも安く驚きでした。
ランニングマシンは2万円を切る物もあり、そこそこ良さ気なマシンもありました。
振動するフォームローラーは1万円越えが当たり前なのですがスポルテックの中国ブースでは2千円と破格の値段でした。
ドン・キホーテよりも安い・・・。
それでいて、振動するフォームローラーのトップシェアを誇るメーカーのOEMを匂わせるほどのクオリティがありました。
恐るべし中国です・・・。
今後は外資系の企業の参入が益々進み、今は高価な器具やツールも値段が下がり、手に取りやすい物になっていくのではないでしょうか。
バーベルや重りなどのベーシックなトレーニング器具の販売もされており、これからジムを作るであろう方の商談も聞こえてました。
商品の質は実際はどうかは分かりませんが、トレーナー側も選択肢が広がることは良い事ですよね。
一番の賑わいを見せていたのが、フィットネスアパレル系のブースでした。
芸能人とも取れるようなスター性のあるフィジーク選手やボディビルダーの方々が数多くいらっしゃており、自身のアパレルの販売や販売サポートをしていました。
若い方がそのブースに多く見られ、記念写真を撮っていてとても盛り上がっていました。
健康産業が盛り上がるにはスター性のある方々の活躍も改めて必要なのだと感じました。
私達パーソナルトレーナーの認知度が上がったのもライザップによる功績による物が大きいのと同義で、これからも彼らのようないわゆるインフルエンサーが、健康産業を広める一役を担っていると思います。
皮肉でもなんでもないですが、やはり見たことのないようなトレーニング方法やトレーニングフォームが話題になり、良かれ良かれと広まります。
いつまでも私達IGFは良い意味で流行りに流されずに伝統的な手法でお客様へサービスを提供し続けれるようにしていきたいですね。
その中でも効率的かつ安全で行う必要があるものは積極的に取り入れてお客様へ提供出来ればベストです。
沢山の展示がある中で私が一番気になったものは、
「Higatrec ヒガトレック」という電子制御出来るスミスマシンです。
(スミスマシンとはバーベルとパワーラックが一体化したマシン)
株式会社All You Need Isが作っている物で、比嘉さん(業界では有名な方)が代表の会社です。
まさかバーベルにもIoTが出来るとは・・・
この製品の特徴は何と言っても自分の体力レベルに合わせた安全で最大限に効果のあるトレーニングが行えるという点かと思います。
機械の発する日本語も綺麗でトレーニングをしていても違和感なくトレーニング出来ると感じました。
ホームページを見ると3つの大きな特徴があり、
- 利用者の出力に応じて自在に負荷を設定できること
- 利用者の1回1回の出力に合わせて負荷が1セットの最中に変わること
- バーの位置が利用者の適正ポジションに設定可能なこと
このような特徴があります。
既存のIoT筋トレマシンはあまり良いと思う物がありませんでしたが、このヒガトレックというマシンはデザインが良いですし、しっかりと筋トレ熟練者や初心者がやっても違和感なくトレーニング出来る事が何よりも素晴らしいと思いました。
それで安全かつ効果的、効率的で凄いですよね。
効果的というのは科学的根拠があり、ウエイトを上げる時の負荷をコンピュータが計測しそれを考慮した負荷が下ろす時にかかるようになっています。
キツく追い込もうと思うと1セットでオールアウト(完全に疲れ果てるイメージ)出来る一面と高齢の方でも無理し過ぎず運動が出来る一面を兼ね備えています。
正しいトレーニングのフォームは自分で身につける必要がありますが、重りの付け替えが不要の為、凄く便利ですよね。
プレートに足をぶつけたり、着脱の際に指を挟むというような事がなく良い事づくめです。
まだ販売日は決まっておらず、年内の販売を目指すとのことでしたが、価格はおおよそ300万円の見込みだそうです。
維持費がいくらかかるのか、メンテナンスの頻度、諸々きになることはありますがクオリティがとても高く、これを導入するのはアリだと感じました。
アプリで実際に行なったトレーニングの記録が取れたり、トレーナー用のアプリもあるのが益々便利ですね。
ホームページを見る限りでは無人のジムにも導入は可能なようです。
現場での活躍や研究もされている比嘉さんの会社が作るものなので個人的には凄く安心感があると思います。
今後もヒガトレックにの動向が気になりますね。
IoTマシンといえばミロンという物も展示がされていました。
ミロンはサーキットトレーニング(複数のトレーニングを周回して行うトレーニング)のIoTマシンです。
これは手首にはめるバンドや自分専用のカードによって自分に合ったトレーニングの負荷やマシンのポジショニング設定が出来ます。
一度自分に合う高さを見つける必要がありますが一回決めてしまえば後は機械にかざせばセッティングが容易に出来ます。
こちらのミロンは私も以前に体験した事があり、キツくも出来ますし優しくも出来ます。
それでいて安全なのはヒガトレック同様、IoTの賜物ですね。
ミロンはトレーニングの他にも自分の身体のエラー(姿勢的なもの)を計測できるのが面白いです。
膝が内側に入ったりすることは勿論、トレーナーがお客様に指導をする際に見るようなポイントをチェックしてくれます。
今はまだストレスなく出来る程のクオリティは無いと感じましたが、人の目よりも機械の方が関節の角度の計測や姿勢不良に強いことは絶対的にあり得るので今後の発展が待ち遠しいですね。
日本中、世界中どこにいても一定レベルのトレーニングサービスを受けられる日もそう遠くないのかもしれません。
今回はスポルテックの話をまとめましたがこのように毎年様々な変化がこの業界では起きます。
革新的な技術や伝統的な手法もそれぞれ良い方向にアップデートされているでしょう。
良いところは積極的に取り入れて柔軟に私達も変化していきたいと思います。
全てはお客様の為に、です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
井上の所感
佐藤トレーナーより報告を受け、今年のスポルテック現場の動画や画像も確認しました。(私は昨年参加しております)
年に数回のペースでこういった大規模フィットネスイベントが開催されており、毎年いずれかに参加するようにしています。
これまでは特に大きな進化を感じられるものはなく、マイナーチェンジを繰り返しているような感じでしたが、今回のイベントでは一気にモデルチェンジ(テクノロジー化)が進んだなと感じました。
RIZAPのおかげで世の中にパーソナルトレーニングが普及してきて、お客様もちゃんとしたものを一度学ぶことがトータルで見たときに効率が良いと考える方が増えたと思います。
RIZAPの功績は、①パーソナルトレーニングを普及させたこと、②一定期間のトレーニング&栄養指導の提供を販売したこと、が挙げられます。
この2つがそろうと、ほぼ確実に効果が出ます。過去記事に書いた通り、継続して取り組むことが効果を出す一番の要因です。
そして、③パーソナルトレーニングは多少高くて当たり前、というのが定着しました。
効果が出れば、多少高額でもお客様は納得しますし、続けたいと思います。
パーソナルトレーニングのその先は機械化ということになると思われます。
「Higatrec ヒガトレック」これにはとても進化を感じました。現段階でリリースされたばかりなので、これから現場の声を聞きながらより改善を加えて洗練されていくでしょう。
そうなるとフィットネスクラブの現場はこういったものが主流になってくると思います。スタッフがいらないですからね。
トレーナーもうかうかしていると機械に取って代わられますね。(;^_^A
しかし、こういったIoT化には懐疑的な部分もあります。
- ヒトは機械にコントロールされて「トレーニングしに行かなくちゃ」と思うのか?
- ダイエットの仕方が分からない…といったように「機械の使い方が分からない」という意見が出るのでは?
- 機械導入によるコスト増=料金増をデフレ下の日本人が継続的に支払う事が出来るのか?
といったことです。
例えばですが、洗濯機にAIが導入されているものを見かけるようになりましたが、とても高額な洗濯機です。
でもこれって消費者が求めているものなのか?と思うわけです。洗濯機の値上がり分に匹敵する洗濯仕上りの違いを見い出せないのです。そうすると、やはり普通のドラム式洗濯機を買おうとなります。(少なくとも私の場合)
もちろん、脱水迄しか出来ない洗濯機より乾燥まで出来る洗濯機の方が干す手間が省けるので、その差額は充分な価値があります。が、その先のAIは何が変わるだろうか??
フィットネス業界も新しいAIやIoTが出てきてその導入に躍起になると予想されますが、新しいものを導入するとコストが跳ね上がり、それは会費となってお客様の懐を直撃します。
この辺を天秤にかけて、フィットネス従事者は考えて動かねばならないと思います。
テクノロジーに使われるのではなく、使いこなすトレーナーになっていかないといけないなと感じました。
井上