パンが身体に悪いと言われる理由
こんにちは。トレーナーの佐藤です。
身体に悪いと言われているパン。しかし、なぜ悪いのか?皆さんは考えたことはありますか?
パンが身体に悪いと言われている最大の理由は小麦を使っている、ということからきています。
そこで、なんで小麦が身体に悪いのか、を紐解いていくと理由がわかってきました。
2016年ごろからグルテンフリーのパンやパスタも流行しており、健康ブームの現在に至るまで人気は下がっていません。
その証拠にグルテンフリーも表記は様々な飲食店でも見かけると思います。
あくまで私は中立的な立場で論文や栄養学のテキストを読み直しました。
そこでわかったことや気づいたことを紹介していきます。
何故小麦が身体に悪いのか
「小麦が使われている」
これは一概に絶対悪い、とは言われてはいません。
小麦は悪だ!という論文もあれば、小麦は食べるべきだ!というような意見もあります。
しかし、小麦はアレルギーの誘因となる可能性はゼロではないのです。
小麦を摂取することで体への悪影響を起こす疾患として、「セリアック病」や「グルテン過敏症」があります。
セリアック病とは自己免疫疾患のことで、小麦に多く含まれるグルテンが体内に入ることで腸内が炎症を起こす病気です。
日本でどのくらいの人がセリアック病を発症するかは未だ定かではなく、欧米人においては1%程度とされています。
また、遺伝的な要素も大きく近親者がセリアック病であれば、セリアック病になってしまう可能性は高くなる(それでも15-20%程度)そうです。
主な症状としては下痢や低栄養、体重減少が見られます。
アレルゲン物質が入った際に下痢や嘔吐の症状が出ることはイメージ出来るが、どうして低栄養が起こるか気になり、調べました。
すると、腸内はグルテンがきっかけで炎症を起すばかりか、絨毛と呼ばれる栄養素を吸収する突起のようなものを平らにして滑らかにしてしまうのです。
なるほど。納得しました。
絨毛の働きは先日受けた栄養学のセミナーでも仰っていたので頭の中がスッキリした気分です。笑
絨毛の働きを弱くしてしまうのは一過性で、グルテンの摂取を止めれば機能が戻ります。ちょっと安心ですね。
セリアック病の解説は以上です。
「グルテン過敏症」とは何なのか
グルテン過敏症とは正式名称、「非セリアック・グルテン過敏症」と呼ばれています。
調べたところ、セリアック病ほど酷くはないが、グルテンを摂取することで同様に体内で炎症を引き起こしてしまう病気だそうです。
これに関してもグルテンを控えれば問題ないとのことでした。
また、なんとなく小麦をとったら体がだるくなった、体調が悪くなったなどがきっかけで病院に行ったら医師から上記のような疾患を診断されたケースも少なくありません。
潜在的に小麦は体に合わない、という方が時折居るということですね。
乳幼児に見られるような卵や乳アレルギーと違い、グルテンアレルギーは成人してからも幅広い年齢で発症することがわかっています。
これはあくまで考察にすぎませんが、私の周りでも2人3人程度、グルテンアレルギーの方がいます。
日本全体の正確な人数はわかりませんが、グルテンのアレルギーを持つ方はやや増えているのではないでしょうか。
アレルギー物質は身体の中で蓄積されてキャパを超えた際にアレルギー反応を引き起こすとも言われているので、食の欧米化が進み若い世代がお米ではなくパンやパスタを多く食べるようになったからこそ現在の日本では少しずつグルテンアレルギーが増えているのかもしれませんね。
グルテンについて起こりやすい勘違いとして、私も調べるまで詳しくはわからなかったのですが小麦=グルテンではありませんでした。
グルテンとは小麦粉に含まれる、「グリテニン」と「グリアジン」の2種類のタンパク質が水と混ざることでグルテンという物質に変わってしまうのです。
その為、小麦が身体に悪いのではなく、グルテンが悪い、というのが正しいですね。
パン以外にもパスタにも多く含まれるので注意しましょう。
またリッキーガット症候群と呼ばれる病気の方も一定数いて、腸から漏れ出すことが無い物質が血液中に漏れ出すことにより様々な症状を引き起こしてしまいます。
これは小麦をとったからなるというわけではありませんが、グルテンというタンパク質は他のタンパク質に比べて消化し辛いので症状が出やすい物の一つと言われています。
主な原因ははっきりとは未だ解明されておらず、未消化の食べ物や腸内の悪性の菌の繁殖、食品添加物や農薬によるもの、アルコールの取り過ぎなども原因とされています。
現在はグルテンフリーのパンやパスタなどが出ています。
以前よりも種類は多く、スーパーなどでも手軽に購入することが出来ます。
私も実家が元々パン屋さんだったこともあり、パンは好きです。
これからもっともっと技術が進化してより安全に全ての人が食を楽しめる世の中になると良いですね。
余談ですがグルテンフリーが健康食のトレンドの一つに上がり続けている昨今で、グルテンフリー人気を作った人はプロテニスプレイヤーのジョコビッチ選手だと言われています。
彼の食生活を綴った、「ジョコビッチの生まれ変わる食事」は私も読みましたが、確かにジョコビッチ選手はグルテンフリーの食生活をしているそうです。
そして彼自身がセリアック病ということもあり、グルテンは一切NGとのことですね。
世界ナンバーワンであるジョコビッチ選手がグルテンや乳製品の摂取をやめてから飛躍的にパフォーマンスが上がり、世界ランク1位、そして数々のビッグタイトルを獲得してきたとされています。
しかし、それについて私はそもそも、彼はグルテンや乳製品のアレルギー体質であるが故に、摂取を止めることでパフォーマンスが上がったのだと思っています。
結局のところグルテンによるアレルギー体質でなければ悪影響ははっきりと示唆されておりませんので、なんとも言えないところではありますが、私と同様の意見を仰っているドクターもいらっしゃいました。
完全なグルテンフリー食にすることで糖質量が著しく減れば運動パフォーマンスに悪影響が出ることは確実ですよね。
まとめ
今回はパンが何で身体に悪いのか、を紹介しました。
グルテンの話はパンに限った話ではなく、パスタや様々なパンにも当てはまる話でしたね。
私の意見としてはダイエット中には絶対に菓子パンは食べて欲しくないが、美味しいことに間違いはないのでタイミングや分量を考えて食べましょう、ということです。笑
低GIのパンであればダイエット中も取り入れてOKだと思います。
毎年何件か栄養学のセミナーや講演会に参加しますが、管理栄養士さんによっても意見は分かれます。
一人の管理栄養士さんには体内で炎症を起こすような、農薬や人工甘味料、保存料、アルコール、タバコ、グルテンは一切体内に入れない方がよいとはっきり言われたことを覚えています。
恐らくトレーナーと同様にどのような人から栄養学を学んだのか、どのような場所で活動をしているのかによって分かれているのだと思います。
もちろん、グルテン過敏症やセリアック病、リッキーガット症候群の方は避けなければいけませんが、グルテンを毛嫌いして一切を受け入れなくなるのは寂しいです。
多分それは私がパン屋のはしくれということが影響していますが。笑
あれもダメ。これもダメ。とならずに食事もトレーニング同様に頑張り過ぎずに力を抜くところは抜いて、なるべきストレスフリーに行いたいですね。
IGFではお客様に合ったトレーニング指導、そして食事の指導をしております。
ストイックにやり過ぎず、無理なく長く通えて健康でいられるようなサービスを提供しております。
(ストイックにも出来ます。笑)
カウンセリングは随時行っておりますので、お気軽にお申し込みいただけると幸いです。