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  • 2022.06.06

妊娠中のトレーニング


妊婦が運動を行う事は、母子ともに幅広い利益をもたらします。

かつては妊娠期間中のエクササイズならびに身体活動は避けるべきとみなされてきました。

しかし、広範囲な研究が行われた結果、この主張が誤りであることが証明され、現在では多くの国で妊娠中のエクササイズが推奨されています。

妊娠中のエクササイズ指導は医師の指導の下行うべきであるため、弊社で運動処方を行う事は出来ませんが、ここでは情報共有という事で書き進めていきたいと思います。※ゆくゆくは妊婦の方への運動処方も出来るように環境を整えて参ります。

筋力トレーニングが母親にもたらす利益

吐き気、疲労、腰痛、頭痛などの軽減、睡眠の改善など。

筋力の向上は自信を高め、良い姿勢、身体コントロールそ促進する。

高血圧症、妊娠糖尿病の有病率の低下。

筋力トレーニングが胎児にもたらす利益

有酸素性運動を行っている母親の胎児は、非活動的な母親の胎児に比べ、胎児の正常な心臓発達の徴候。

筋力トレーニングに特異的な胎児の反応はほとんど研究されていないが、悪い結果は報告されていない。

筋力トレーニングの増加に伴い胎児が合併症を起こす可能性が低下する。

妊娠中の運動のリスクと対策

合併症の無い妊娠に対しては、出産前の身体活動のリスクは最小限であり、妊娠糖尿病を伴う場合でも、かなりの利益が得られる。

仰向けになるエクササイズを避ける。

妊娠中はリラキシンホルモンの応答により関節の弛緩性が増大する(関節が緩くなりやすい)。

そのため、筋肉・関節の傷害を避けるため、過度なストレッチを決して行わない急な方向転換を行わないようにする。

妊娠中の体重増加は腰椎の前弯(腰が反る)をもたらし、腰痛の原因になる。

水中エクササイズはこれを和らげるうえで女性にとって有益なエクササイズとなる。

禁忌

アメリカ産婦人科学会は合併症や近畿の無い全ての妊婦に対し身体活動を推奨している。

一般的に行われる安全な身体活動には、ウォーキング、スイミングなどである。他には、エアロバイク、低強度エアロビクス、ジョギング、筋力トレーニングなどが含まれる。

絶対禁忌:不全頸管、多胎妊娠、26週後の前置胎盤、腹膜破裂、重度貧血、妊娠高血圧症、肺疾患、第2期・3期の持続的出血、心臓病などがある。

相対禁忌:慢性気管支炎、母親の心臓不整脈、1型糖尿病、極端な肥満と低体重、極端な不活発なライフスタイル歴、高血圧、整形外科的制限、甲状腺機能亢進、多量の喫煙などがある。これらはリスクと利益のバランスを考慮するため産婦人科医師と相談する必要がある。

まとめ

妊娠は、一人の女性の活動により二世代にわたるライフスタイルと慢性疾患のリスクを改善できる。

エクササイズ専門職とヘルスケア専門職から適切な助言と指導を受ける事により、妊婦は健康に関連する体力要素の多くを維持、さらなる改善をしながら健康的な妊娠を実現できる。


参考文献

Special Populations: Training the Pregnant Client

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