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  • 2019.02.23

必須栄養素から考えるダイエット


今回はダイエットの為の食事を「必須栄養素」から考えていきたいと思います。

必須栄養素とは

これは、生命の維持に必要だが体内では作る事が出来ない栄養素、の事です。

つまり必須栄養素は外部(食事・サプリメント・静脈栄養など)から摂る必要があります。

具体的にどんな栄養素があるかというと、

  • 必須アミノ酸
  • 必須脂肪酸
  • ビタミン
  • ミネラル
  • 微量元素
  • 電解質
  • 食物繊維

上記が挙げられます。

 

ミネラル、微量元素、電解質は海藻や乳製品などに多く含まれます。

ビタミンはレバーや肉類、緑黄色野菜に多く含まれます。

必須アミノ酸・必須脂肪酸は肉・魚・卵・乳製品に多く含まれます。

 

糖質は必須の栄養ではない

上記に挙げられた必須栄養素の中に糖質は入っていません。

加えて、糖質制限は合理的な手段でも書いたように、

  1. 身体には糖新生という機能が備わっている。
  2. 脳はケトン体も使える。

という事から、糖質が無くても生命の維持、健康の維持には全く問題ありません。

糖新生は糖以外の物質(脂肪とアミノ酸)から糖を作るシステムです。身体でいえば脂肪は内臓脂肪や皮下脂肪の事で、アミノ酸は筋肉の事です。

この糖新生の経路がある限り、ほとんど糖質が無くても健康状態を維持できます。

 

糖質制限が健康的かつ効果的

筋肉(アミノ酸)を糖に変えるという事は、筋肉が無くなって代謝が下がるのでは?という心配が出てきますが、心配には及びません。

脂肪を代謝する経路が円滑に進むと筋肉を使う糖新生は抑制されます。

糖質を抑えて約1週間ほどで、ほとんどのエネルギーを脂肪から賄う事が出来ます。

おまけに糖質を抑えた食事ではそのぶんタンパク質の摂取量が上がるので、そちらは筋肉へ蓄積されます。

基本的に筋肉量はほぼ減らない事になります。

糖質制限は非常に効率的に脂肪を消費しやすい代謝を使う事が出来ます。

 

また、様々な病気は日常的に摂っている糖質が直接的あるいは間接的な原因になるので、予防・改善の為の食事であるといえます。

代表的なものは、糖尿病などの生活習慣病、肥満、いくつかの癌、アルツハイマー病、脳血管疾患、動脈硬化など多くあげられます。

これらは血糖値が高い事が原因の一つです。血糖値を上げるのは糖質のみです。タンパク質と脂質は血糖値を上げる事はありません。

ダイエットも出来て、様々な病気の予防にもなるので、糖質制限が数あるダイエットの中でも飛びぬけて優秀です。

 

糖質が必要な人はどんな人なのか?

中には糖質が必要な人もいます。それはアスリートか一部内臓の機能が低下している病気の人です。

アスリートの場合

特に瞬発系種目は糖質をエネルギー源としてパワーを発揮するので、これが無いと相手に優位に立たれる可能性が高くなります。

また、筋肉の肥大も糖質を摂った方が効率的に進みます。筋肉を何度も収縮させるアスリートは血中の糖を筋肉に取り込みやすいので、血糖値が高い状態が長続きする事はありません。

従って「勝つためにやっている」アスリート(プロかセミプロの人)は糖質が必要となります。仕事ですからね。

趣味でやっているスポーツが結構高いレベルにあり、どうしても大会などで勝ちたい人も当てはまるかもしれません。

 

肝硬変の場合

糖新生の機能が低下しているので、低血糖を招く恐れがありますので勧められません。

糖質制限では肉や魚を食べる量が増える(=脂質の量が増える)ので、すい炎の方にも勧められません。すい臓はすい液という消化酵素を分泌します。これはタンパク質・脂質・糖質を分解します。

タンパク質の摂取量が上がるので腎機能低下の方は医師の指導の下、行う事が必要です。また、インスリン注射やSU内服の方も低血糖の恐れがある為、医師の指導下で行いましょう。

上記の方々は食事中に糖質がそれぞれの目的に合わせて必要になってきます。

 

健康な一般人は糖質制限で適切な身体と健康を

以上、必須栄養素から糖質制限の流れでダイエットについてみてきました。

糖質はなくても代謝上生命の維持に問題はないという事が分かりました。また、様々な病気の引き金になる事から、必須栄養素に含まれていないと考える事も出来ます。

糖質を食べたい気持ちが高まる、糖質を制限すると集中力低下が起こるなどの症状は完全に糖質依存症の症状です。

健康になりたい方、よい身体を維持したい方・手に入れたい方は食事内容の見直しをして糖質制限を実施してみましょう。

 

こちらもご覧ください。

糖質制限は合理的な手段

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