有酸素性運動のガイドライン(例もあるよ
新型コロナウイルでジムに行けない方も多いと思います。
また、自宅に引きこもっていてばかりでは、身体は鈍るし、精神的にも滅入ると思います。
外に出て運動をしましょう。真っ先に思いつく様式は「有酸素性運動」だと思います。
その中でも、ウォーキング・ジョギング、自転車、水泳などはイメージしやすいかと思います。※水泳は今のご時世ではNGですね。
気温もちょうどいい季節ですから、かなり心身ともにリフレッシュできますよ。
有酸素性運動の効果
有酸素性運動の効果は、血中脂質プロフィールの改善、血糖値の改善、心臓血管系機能の向上、脳機能の向上、心理的ストレスの改善など、健康に対するポジティブな効果が沢山あります。
特に健康診断の項目に良い影響を与えるものが多いですね。
ドクターも運動を勧める時は大体有酸素性運動を勧める事が多いです。(もちろん筋トレも効果的ですよ!)
いずれの方法も効果を出すために、必ず管理しなければならない強度指標があります。
それは心拍数です。
有酸素性運動プログラムの作り方
どんな有酸素性運動でも心拍数を管理しながら行わなければ、せっかく時間をかけたのに狙った効果を引き出しにくくなり、損をします。
とりあえず走ればいいんだろという考えで取り組むと、強度が高すぎれば怪我のリスクが高まります。
ケガをしない範囲で、、、なんて言いながら取り組むと強度が低すぎて殆ど効果を得られず、時間の無駄にもなります。
心拍数の管理に良く用いられれているのはカルボーネン法という計算式です。
(220-年齢-安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数=目標心拍数
- 強度の設定
上記式に、年齢はそのまま自分の年齢を入れます。
安静時心拍数は、安静にした状態での60秒間の心拍数を入れます。
運動強度は効果を得たい運動強度を設定します。
- 40~50%:ウォーミングアップ、基礎代謝力の向上、乳酸の除去
- 50~60%:有酸性素能力(心肺機能)、心拍出能力の向上、積極的休養
- 60~70%:有酸性素能力(心肺機能)、乳酸の除去能力の向上(疲労回復しやすい)
- 70~80%:最大酸素摂取能力(持久力)UP、耐乳酸性持久力の向上(疲労しにくい)
- 80~90%:乳酸性無酸素エネルギーと非乳酸性無酸素エネルギーの供給力の向上(スピード持久力)※ほぼ全力疾走
- 95~100%:瞬発力・最大筋力発揮能力UP ※全力疾走です
70%以上は運動を良くされている上級者向けのイメージです。
一般の方は40~70%くらいを設定していきます。
ケーススタディ
28歳、安静時心拍数65拍/分、乳酸の除去能力を向上させたい。
(220-28-65)×60%+65=141拍/分
(220-28-65)×70%+65=192拍/分
乳酸の除去能力(疲れの取れやすい身体)にしたい場合は、心拍数が141~192拍/分の間になるように、走る速さ、ペダルの重さなどを調整したら良い。
となります。
これを週に3~5回、1回30~60分程度行うと疲れが回復しやすい身体を作る事が出来ます。
もちろん全く運動を行ったことのない初心者が、最初のトレーニングからこの強度をいきなり取り入れる必要はありません。
その場合、1週目40%、2週目50%、3週目60%(週3)、4週目60%(週4)、5週目60%(週5)、6週目70%(週3)・・・というように徐々に強度を上げていき、最終的に60~70%で週5回以上を目標に行っていくと良いでしょう。
オーバートレーニングにならないように、週1、2回は休養日を入れたり、週1は休み+週1は50%で、など疲労を抜く日を作る事も効果を上げていくうえで重要です。
心拍数をどう管理するか?
心拍数コントロール値を決めましたが、実際に心拍数をどう測るのか?
前はこの図のように、手首で測るやり方が一般的でした。
が、実際走っている最中にこのように測る事は困難ですし、走り終わった直後に測るのは呼吸がゼェゼェしながら時計を見て脈をとるのはかなり慣れていないと難しいです。
15秒で何拍して~、それを4倍して~、、、これでは数え間違いをします!
60秒間の脈を数え続けるのも面倒ですし、心拍数は運動を中止すれば徐々に下がってくるので、数えている最中にどんどん下がります。最初の10秒と最後の10秒ではかなり開きがあります。
それを平均するともはや運動強度を表す数にはなっていません。
ではどう、測定するのか?ウェアラブルデバイスって便利なんだけどなぁでも書きましたが、こういう機器を使うと便利です。
常に心拍数を測定してくれているので、リアルタイムに自分の心拍数が分かります。
また、スマートフォンと連動してデータを蓄積・可視化する事も出来ます。
精度はかなり正確とまではいきませんが、ヒトが自分で測るよりはよっぽどマシです。
まとめ
有酸素性運動に取り組む方は、出来るだけ心拍数を管理しながら取り組むようにしましょう。
ケガを防ぐ効果と、正確に狙った効果を得られるようになりますよ。
参考文献
運動処方の指針 第8版
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