有酸素性運動を行う人へ 疲労を回復させる飲み物
夏がやってきましたので、水分補給についての記事です。水分補給を怠ると運動した今日に体調が悪くならなくても、数時間後や場合によっては翌日などに症状が現れたりします。
熱中症は防げるのでやれることはやっておきましょう。
ダイエットの為や体力向上の為、ジムで有酸素性運動を行う人、マラソンやジョギングを行う人、水泳を行う人は多いと思います。
彼(彼女)らにとって水分補給は運動中のパフォーマンスを維持したり、翌日の疲労を軽減したりする役割があります。
なぜなら、運動をどのくらいの時間実施するかにもよりますが、有酸素運動では大量のグリコーゲン(体内に貯蔵している糖質)を消費するからです。
ちなみに、有酸素運動では糖質と脂質の消費はほぼ半々ぐらいの割合です。脂肪ばかりが消費されるわけではありません。
有酸素運動でエネルギーを消費される方々に、疲労を回復させるためにどんな飲み物がよいのかを解説していきたいと思います。
疲労と回復
有酸素性運動の疲労は
- 乳酸
- 温熱
- 神経要因
- グリコーゲン(糖質)貯蔵の枯渇
などの要因の組み合わせによって生じます。
長時間に及ぶ身体活動では、筋肉のグルコース摂取が肝臓によるグルコース産生・供給を超えると低血糖が生じます。
分かりやすく言うと、運動での糖質消費量が多すぎて、体内での糖質生産や外部からの摂取が間に合わない状態です。
競技やトレーニングからの回復や、セッションが緊密に予定されている際(例えば、一日における複数の練習セッション・試合など)には、グリコーゲンの再合成が重要な役割を担うので、回復は数時間のうちに可能な限り完全なものを目指すのが良いでしょう。
回復期間が短時間の場合には、急速&完全に水分補給するために、体重が1㎏減少したら1.5ℓの水分を摂取すると良いでしょう。
同時にスポーツ飲料のような、水分1ℓあたり0.3~0.7g程度のナトリウム(塩)を含んだ電解質を補うための飲料を選択すると良いです。
充分な水分量・糖質・塩分が揃うと水分の吸収効率が良くなり、回復も早まるという事ですね。
回復におけるグリコーゲン(糖質)の再合成
運動後、グリコーゲンの再合成は2段階で起こります。
最初の段階は急速かつインスリンを伴わずに30~60分にわたって起こります。
第2段階はより緩やかに、高濃度のインスリン下で数時間にわたって起こります。
運動後の回復過程において、炭水化物単独よりも炭水化物+タンパク質を摂取したほうがより効果的であることが明らかになってきています。
タンパク質を含む炭水化物飲料の補給はその後の持久力を高める事もできます。
タンパク質はイコール、アミノ酸です。
炭水化物はイコール、糖質です。
例えば、大塚製薬のアミノバリューは、水分・糖質・アミノ酸の条件を満たすので、運動中の水分補給ツールとしては最適なものの一つとなります。
まとめ
◆運動直後とその後4時間から6時間にわたって、体重1kgあたり1.2gの炭水化物をグルコースまたはスクロースとして、複数回の食事に分けて摂取するのが最大の回復にはよい。
しかし、このように多量では消化が困難であるため、最大ではあるが、素早いとはいえません。
体重60㎏の人で72gの炭水化物ですね。おにぎり2個分です。多いですよね。
◆体重1㎏あたり1時間に0.4 gのアミノ酸またはタンパク質と併せて、体重1㎏あたり1時間に0.8 gの炭水化物を摂取することで、①と同等の効果を見込むことができる。
体重60㎏の人で48gです。大きめのおにぎり1個分です。これならだいぶハードルは下がりますね。
◆固形と液体のサプリメントの比較では、どちらも同等の効果を見込めることが示唆されているが、運動後の数時間にわたっては食欲が抑制されることから、運動直後の炭水化物補給では飲料の摂取が望ましいと思います。
前述ではおにぎりで例えましたが、実は砂糖が入ったジュースが良かったりします。カロリーゼロではないスポーツドリンクですね。
また、飲料での補給は水分の摂取につながり、発汗による欠乏を補い、吸収した水分を保持し、継続的な摂取のために口渇を促します。
なので、カリウム、塩化物や水分1ℓあたり0.3~0.7gのナトリウムなどの電解質を含む飲料を摂取するのが良いでしょう。
こういった条件に極力近い飲料は「アミノバリュー4000」か「アミノバリュー8000」でしょうか。※ともに大塚製薬
それ以外だと、牛乳も意外と近い飲み物になります。(牛乳を飲みながらの運動は気持ち悪くなるかもしれませんが。。。)
DNSのプロテインドリンクシリーズも良いでしょう。(ちょっと高価ですが)
コカ・コーラ社のアクエリアスも適していますが、アミノ酸は入っていません。
アミノ酸を含む、というのが普通のスポーツドリンクにはあまりないので、市販のサプリメントを組み合わせて自身の体重に適したものを作る必要があるでしょう。
参考文献
Building a Beverage for Recovery from Endurance Activity: A Review