筋肉を大きくするのは痩せるより難しい、でもみんなに必要。
現代人、特に男女共に20~30代くらいは非常に筋肉量が少ないなと感じます。身体の細い人が多いです。
細マッチョという言葉が表すように、細くて引き締まったような身体が人気があるようです。
でも細マッチョは単に細いだけで、筋肉があるわけではありませんね。ぜひ「マッチョ」を取り外して頂きたいものです。
身体が普通の体型でも測定すると体脂肪率が高く、筋肉量は少ない人が多いです。
筋肉は健康を維持してくれる重要な器官であり、人間の活動を行ってくれる運動器であり、ヒトの体のスタイルを良くする見栄えにも直結します。筋肉は非常に大事にし、増やしていかなければならないものです。
筋肉を大きくしようと促すと、「ボディビルダーのように、そんなにムキムキになりたくないんだよね~」と言う人が必ずいます。
でも安心してください。そんなことを言う人は99%ボディビルダーのような体にはなれません。そんな根性もおそらく持ち合わせていません。ボディビルダーは相当な努力を積んでいます。
むしろフィットネスビキニ選手やフィジーク選手のような体型ですら厳しいです。
それだけ筋肉を成長させるのはダイエットよりも数倍、数十倍難しい作業と考えた方が良いです。
筋肥大に必要な事
- 運動負荷
- 運動総量
- 栄養
筋肉を大きくしようと思ったらこの二つが必要なわけです。必要なことが分かればいかに難しい事かわかると思います。以下解説します。
運動負荷
負荷は挙上できる回数に直結します。つまり負荷の設定はトレーニングの強度と全体量が決まることになり、プログラムの中でとても重要な変数となります。
例えばスクワットを「もう脚が動かん!」となるくらいギリギリまで行うと何回こなせるか?
10回がギリギリの場合はその人の最大筋力の約75%の負荷がかかっていると言われています。
15回こなせた場合は約65%です。6回なら85%となります。
「もう脚が動かん!」というのがミソで、この部分を知らない人・勘違いしている人が多くいます。
例えば10回の場合を言い換えると、
10回挙げれて且つ11回挙げれない重さとなります。これだとその重さは一つになりますね。
もう脚が結構疲れているけどまだ100%出し切っていないな。12回くらいまで行けそうだけど十分キツイから10回でやめておこうパターン。これは同じ10回ですが意味が全く違ってきますね。
筋肉の肥大に必要と言われている負荷は最大筋力の70%以上が必要で、70~85%くらいがよく用いられる負荷となります。
回数で言うと6~12回の間で「もう挙がらん」となるくらいの重さです。
実際、この重さの範囲でスクワットを10回×5セット、休憩は90秒くらいで行うと、マジで泣きそうになります。。。
4セット目に入る頃に心が折れそうになります。そのくらいしんどいです。
運動総量
同じ負荷でも運動量が多くなれば、運動量が多い方が筋肉は成長します。
例えば、スクワットを
- 週1回50㎏で10回4セット
- 週2回50㎏で10回3セット
この場合を考えてみましょう。
1は50㎏×10回×4セットでトータル2000㎏持ち上げた事になります。
2は同じように計算すると、3000kg持ち上げた事になります。
後者の方が筋肉の仕事量が多いので当然成長スピードは早いです。
現にボディビルダーの方々は週に5~6回はジムに行き、みっちり筋トレを行っています。そこに緻密に計算された栄養戦略を並行し、それを数年~十数年経てようやくあの身体が出来上がります。
一般の素人の方であれば仕事終わりに週2~3回がせいぜいだと思います。
冒頭の「ムキムキになりたくない」というのは要らぬ心配だという事です。
とにかく今すぐ全力で取り組みましょう!
栄養
栄養は身体を作る素材になるので重要です。
例えば基礎代謝が1600kcalの人であれば、一日にその2倍くらいは摂りたいです。
3200kcalですね。3食なら1食1000kcalを超えてきます。
体重60㎏の人なら
- タンパク質120~180g/日=肉換算で約600~800g/日
- 糖質300~400g/日=おにぎり換算で約8~10個
がおよそ必要です。その他ビタミンやミネラルなども必要ですから野菜や海藻も毎日しっかり食べて頂く必要があります。
例えば、唐揚げ定食は900kcalくらいなので、それでも少し足りません。ご飯を一回おかわりすると丁度良さそうです。それを大体朝昼晩食べると目標値に近しい栄養が摂れます。
というように結構食べなければなりません。もちろん食事で補えないからサプリメントを利用するのですが、それでもまず食べる事を頑張らなければならないのです。食もトレーニングです。
上記の基礎代謝2倍の数字を達成できなくてもそれに近ければ筋肥大は起こりますが、最初から1.5倍に目標を設定しているのと2倍を目指すのでは成果が異なります。着地は小さい数字に落ち着く可能性が高いからです。
2倍を目指して、1.7倍で着地しても悪くはない、2倍をクリアできたなら上出来くらいの考えで取り組むと良いでしょう。
まとめ
こんな風にトレーニングも食事も気を抜かない取り組みが必要になりますので、筋肥大はダイエットよりも遥かに難しい事だというのが分かります。
ちなみにトレーニング不足で食べてばかりだと太るし、食事量が変わらずトレーニングを頑張ると痩せる=筋肉の分解が起こります。
細かく言うと栄養をどのタイミングで摂るのかなどもありますが、上記の栄養摂取が筋肥大に絶対必要な要素です。
効率を求めればトレーニングの強度や量は上記のようにコントロールする必要があります。
一般人の方はそこまで追い込むのは結構大変なので、例えば70%で10回4セットとか(70%は本来12回くらいできます)、少しストレスを軽減させて、長く続けた方が良いかと思います。
食事は基礎代謝の2倍(できればそれ以上)に近づけるようにカロリーを摂っていきましょう。
筋肉は健康上と見栄え上にも必要なので、老若男女問わずしっかり維持向上させていきましょう。
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参考:The Mechanisms of Muscle Hypertrophy and Their Application to Resistance Training:Journal of Strength and Conditioning Research