脂肪燃焼におけるL-カルニチンの効果
脂肪の燃焼を効率よくしたいと考えたときに「L-カルニチン」が候補に上がってくると思います。実際、お客様にもこれを飲んでいる人も度々いらっしゃいます。
今回は、脂肪燃焼に効くとされているL-カルニチンについての効果を2020年の文献を用いて確認してみましょう。
背景と目的
ビタミン様物質であるl-カルニチンの体重減少効果を検討した臨床エビデンスでは、一貫性のない結果が得られていた。そこで本研究では、最大数のランダム化比較試験(RCT)を対象として、l-カルニチン補給の体重および体組成への影響を検討し、初めて用量反応分析を行うことを目的とした。
方法と結果
- 2019年1月までのオンラインデータベースを検索した。合計37件のRCT(参加者数2292人)が対象となった。
- メタ分析の結果、l-カルニチン補給は体重[加重平均差(WMD)=-1.21kg、95%信頼区間(CI):-1.73、-0.68、P<0.001]、肥満指数(BMI)(WMD=-0.24kg/㎡、95% CI:-0.37, -0.10;P=0.001 )および脂肪量(WMD=-2.08kg、95% CI:-3.44, -0.72;P=0.003 )に著しい減少効果があったことが示された。
- ウエスト周囲径(WC)および体脂肪率については、有意な効果は認められなかった。
- 質の高いRCTのメタアナリシスでは、体重に対する効果のみが確認された。
- l-カルニチンの補給と体重減少の間に非線形な用量反応関係が見られ(P < 0.001)、成人では1日当たり2000 mgのl-カルニチンの摂取が最大の効果をもたらすことが示唆された。
- BMI、WC、体脂肪率にはこのような関連は見られなかった。
結論
l-カルニチンの補給は、体重、BMIおよび脂肪量に対して、特に過体重/肥満の成人において、緩やかな減少効果をもたらすことがわかった。
結論の部分を見ていただくと分かりますが、過体重の人においては体重と脂肪量に緩やかな減少効果があるということが分かりました。
また、ウエストや体脂肪率に関しては、飲むのと飲まないのと比べて効果があるとは言えませんでした。
1日あたり2000mgのL-カルニチン摂取が最大の効果を引き出してくれるようです。
まとめ
これから減量をしようと考えている過体重の人(BMI 25以上)で、予算に余裕があるならば導入を検討しても良さそうです。
ただ、飲まなくても減量は可能ですし、飲んだ場合と比べて大きな差が開くこともないので、サプリメントに予算をあまりかけたくないなら必要ないと思います。
正しく減量をしようと思ったら運動が必須になるわけで、その際、サプリメントの優先度としては、①プロテインor必須アミノ酸(EAA)、②BCAA、③その他、になります。まずは①か②を購入して、さらに追加で欲しいと考えたときにL-カルニチンが候補に上がります。
従って、①とL-カルニチンを購入したらサプリメント代は月1万円くらいになります。費用対効果を考えて”安い”と考えれば取り入れるのはアリです。
L-カルニチンは減量をサポートする効果はあるので、飲むのは悪くはなく、比較的良い選択だと言えます。
参考文献
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パーソナルトレーナー 井上大輔
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