運動不足はCOVID-19の重症化リスクの高さと関連する
新型コロナウイルスについての詳しい情報は厚生労働省のHPをご確認ください。
新型コロナウイルス(COVID-19)が日本に上陸してから2年半ほどが経ちました。最近では、おそらくワクチンの普及やウイルスの変異(弱毒化?)により重症化率が低下しています。
国民の新型コロナウイルスに対する警戒感も緩和しているように感じます。ニュースで話題になる事も少なくなりました。
とはいえ、自己防衛のために基本的な感染予防対策(手洗い・うがい・換気)はできる限り行っていきたいですね。ウイルスはCOVID-19だけではありませんから。
運動とCOVID-19の重症化リスクを調査した研究があります。結果をまとめると以下の通りです。
- パンデミック前の2年間に一貫して運動不足だったCOVID-19患者は、一貫して身体活動ガイドラインを満たしていた患者よりも、入院、集中治療室への入院、死亡する確率が高かった。
- 高齢と臓器移植の既往を除けば,身体活動不足は COVID-19 の重症転帰の最も強い危険因子であった.
- 米国の身体活動ガイドラインを満たすことは実質的な利益と関連していたが、身体活動をある程度行っている者でも、常に不活発な者より死亡を含む重度のCOVID-19転帰のリスクが低かった。
今後、臨床にどのような影響を与える可能性があるか?
- COVID-19の重症度を下げるための習慣的な身体活動の可能性は、医療界や公衆衛生機関によって促進されるべきです。
- パンデミック対策の勧告には、すべての人口集団における定期的な身体活動が含まれるべきです。
身体活動ガイドラインを一貫して満たしていることは,感染成人における重度のCOVID-19の重症化リスク低減と強く関連していたとのことです。この結果は、身体活動を促進する取り組みを、日常的に取り入れることが望ましいと考えられます。
身体活動が様々な疾患(生活習慣病など)を予防・改善してくれるのはよく知られている事ですが、COVID-19の重症化及び死亡率のリスクも下げてくれるので、運動は最も手軽で安価で効果が高い病気の予防法だと言えるでしょう。
身体活動のガイドライン
米国の身体活動ガイドラインでは、すべての成人に少なくとも150分/週の中等度強度の身体活動を推奨しています。その他をまとめると以下の通りです。
成人
- 少なくとも週に150分から300分の中強度の有酸素運動
- または週に75分から150分の強度の有酸素運動
- あるいは中強度と強度の有酸素運動の同等の組み合わせ
- また、週に2日以上、筋力強化の活動も行うべきである
高齢者
- 有酸素運動や筋力強化の活動だけでなく、バランストレーニングを含む多成分の身体活動を行う必要があります
妊娠中および出産後の女性
- 週に少なくとも150分、中強度の有酸素運動を行うべきである
慢性疾患や障害を持つ成人
- 可能であれば成人向けの主要なガイドラインに従い、有酸素運動と筋力強化の両方の活動を行う必要があります。
勧告では、より多く動き、より少なく座ることが、ほぼすべての人に利益をもたらすことを強調しています。
身体活動が最も少ない人は、中等度から高度の身体活動を適度に増やすことで最も恩恵を受けます。さらに、身体活動を増やすと、さらなる効果が得られます。
有酸素運動と筋力強化の両方の身体活動が有益です。
最低でも、週5回、1回30分(合計150分)以上の有酸素運動を行うようにしましょう。
ほとんどの人にとっての中程度強度は“ジョギング”です。体力の少ない方は、ジョギング→疲れたら歩く→回復したらまたジョギング…という形式(インターバル走といいます)でも中程度強度になります。
まとめ
身体活動が様々な疾患(生活習慣病など)を予防・改善してくれます。
現代は運動する機会がもともと少なかったうえ、新型コロナウイルスを避ける生活で更に活動量が低下しています。これは別の病気(生活習慣病や一部のがん)のリスクを上げてしまいます。
意識的に日常生活に運動を取り入れるようにしましょう。
参考文献
関連
☆★☆★☆
パーソナルトレーナー 井上大輔
パーソナルジムIGF 日本橋駅徒歩1分
パーソナルトレーニングをご希望の方→カウンセリングはコチラ
IGFは日本橋で創業し6年の完全個室予約制のパーソナルジムです
お身体、運動、食事のお悩み、お気軽にご相談ください