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  • 2022.03.31

高齢の方が運動をする上でのメリットと注意点


高齢者の方が運動する上で大事な事があります。

日本における高齢者の方は年金資格を考慮すると65歳以上と定義されます。

(年々上がってきていますが・・・)

WHOという世界的な機関によると65歳以上の人を高齢者。

65-74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者としています。

筋トレはすべての高齢者にとって疾患や衰弱の危険性を改善させる事が出来るもので、健康上のリスクを排除し人が健康で居続ける為に欠かせないものです。

生活習慣病やロコモティブシンドローム、サルコペニアに対して大きな効果があります。

具体的な高齢者における筋トレの効果が示されている疾患は以下の通りです。

  • 心臓血管系の疾患
  • 大腸ガン
  • 2型糖尿病
  • 骨粗鬆症
  • 腰痛やひざ痛
  • 関節炎
  • 生活習慣病
  • サルコペニア
  • ロコモティブシンドローム

これらの症状が改善されたり予防に繋がったりする事が出来るのです。

そして上記は一例に過ぎず上記以外にも多くの症例の改善が見込まれます。

筋トレって凄いですよね。

一見すると病院に行って安静にするべきなのでは?というようなものも、しっかりとプログラムされた筋トレでは改善可能な事が科学的根拠をもって実証されているのです。

病院や整骨院に行っても一向に身体の症状が改善しない場合は運動を考えた方が良い可能性だって十分にありますね。

ただし、高齢者の方が運動をする上での注意点もあります。

この注意点を知らずに運動をしてしまうとケガや事故に対する危険回避が難しくなります。

実際には何も起こらないことの方が多いと思いますが運動する上ではしっかりとリスクを知っておきましょう。

 

高齢者が運動するうえで気を付ける点

  • バランス能力の低下による転倒リスク
  • 呼吸を止めて踏ん張る事や高負荷時の血圧上昇による脳や血管へのリスク
  • 柔軟性の低下による筋肉や腱、関節へのリスク

これらの3項目が挙げられます。

 

バランスの低下による転倒リスク

ランジやスプリットスクワット等、片脚で身体を支持するポイントがある筋トレ種目に見られます。

後は筋トレ専門のジムではあまりないですがランニングマシンで転倒してしまうケースもあります。

私自身、フィットネスクラブのランニングマシンで不意に足を取られて転倒したり、つまずいてしまう方を見た経験があります。

マシンに足を引っ掛けてしまう方もいらっしゃいます。

必ず側に掴める物を用意したり、足回りに注意したりして無理のない反復回数で徐々に身体を慣らしていきましょう。

 

呼吸を止めて踏ん張る事や高負荷時の血圧上昇による脳や血管へのリスク

高齢者の方は他の年代の方と比べて相対的に見ても血管は弱くなっています。

ましてや運動をあまりしていない方や体脂肪率が高い方は血流の流れが悪い場合や血圧が高い事が予想されます。

そんな中で思い切り重い重量を扱ったり呼吸を止めて踏ん張る、ということをしてしまうと血圧が更に上がり、血管を損傷してしまうリスクが上がってしまうのです。

予防としてはシンプルで、無理をしないで限界まで行く手前で休憩を挟むこと。そして呼吸を止めないこと、親指を握り込まないことです。

とはいえ『じゃあ、重い重さを扱うウエイトトレーニングはやらない方がいいんじゃないか?』となり、筋トレはしない方がよい、と結論付ける人もいます。でもこれは間違い。

有酸素運動だろうが、スポーツだろうが、筋トレだろうが、体力的にものすごくストレスをかければ健康へのリスクが高いのは当たりまえです。その人に適した負荷であれば筋トレは安全だしやった方がメリットだらけです。

 

柔軟性の低下による筋肉や腱、関節へのリスク

これもまた高齢者の方は比較的柔軟性が低下していることから十分に考慮するべきリスクだと思います。

ジャンプをしたり、足を遠くに出す運動をしたり、肩を酷使したりという運動は考えて行わないと危険です。

筋トレ中にジャンプをする事は特殊だと思いますが、着地やジャンプの際に筋肉は急激に伸び縮みしますその負荷に耐えきらなくて肉離れ、なんていう事が考えられます。

肩に関してもそもそもの肩周り姿勢が悪いのに考えないで筋トレをすると腱や筋肉の炎症が進み、肩の疾患の原因となる事があります。

筋トレする前は5~10分間ランニングマシンでウォーキングしたり、自転車を漕いだりして、時間が取れればストレッチをしっかり行いましょう。

 

まとめ

ざっくりとまとめてみましたが、上記の3点を考慮して安全に筋トレをしてみましょう。

筋トレを行う上で大事な点は「安全で効果的かつ効率的」なことです。

私は大丈夫と思わず、重りを扱ったり運動をしたりすることは一定の危険性があるということを頭に置いておきましょう。20代の自分と60代の自分では衰えている点がありますので。

そして自己流での筋トレにおいて、ケガや事故はいつでも起こる可能性があるものなのです。

これは高齢者の方以外にも運動初心者、慣れている方にとっても言えることですね。

このブログを見た方、見た方のご家族で運動をしている方がいればこの内容を是非伝えてみてください。

スポーツ活動や筋トレを応援する立場としても知ってもらえると安心しますよね。

このブログが運動をしている方、これから運動を始める方の一つの指針になってくれると幸いです。


※参考文献

NSCA パーソナルトレーナーのための基礎知識 第2版