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  • 2022.07.09

2型糖尿病の方は運動を。ぜひご相談ください。


2型糖尿病は生活習慣病のひとつです。

生活習慣が原因ですから、在宅の機会が増える今、そのリスクは一層高まっていると考えられます。

新型コロナの感染リスクを下げるために”Stay at Home”をしなければならない一方で、基礎疾患を抱えてしまったりその予備軍となった場合に万が一新型コロナに感染すると重症化、最悪の場合は死亡に繋がります。

(これは推測ではありますが、米国やイタリアなどで死亡数が極めて多いのは肥満→なんらかの基礎疾患持ちが多いのではないかと考えられます。東アジアで死亡例が少ないのは痩せ型だからかもしれません。今後の分析・研究を待ちたいところです。)

生活習慣の改善が2型糖尿病の改善に繋がるとされています。2型糖尿病の標準的な治療は、治療薬と運動・食事のアドバイスです。

この標準的な治療に加え、運動・食事の管理を強化すると2型糖尿病の改善に効果があるのか検証されたので紹介したいと思います。

方法

98人を2つのグループに分けた。

  • 標準的治療群
  • 生活習慣改善群(1回30~60分の有酸素運動を週に5、6回、うち2~3回はさらに筋力トレーニングも実施)

最初の4か月間はすべて監督下で運動を実施。

炭水化物・タンパク質・脂肪の摂取量のプランを提示され、最初の4か月はカロリー制限をし、食事カウンセリングを実施しました。

生活習慣改善群で平均年齢は53.6歳、平均体重は94.7kgでした。標準的治療群では平均年齢が56.6歳、平均体重は98.1kgでした。

どちらのグループもHbA1cを治療の目標にしました。

12か月後のHbA1cが2グループで比較されました。

結果

ベースラインから12か月のフォローアップまでで、HbA1c値の平均は生活習慣群で6.65%から6.34%に、標準治療群では6.74%から6.66%に変わり(変化量の平均群間差-0.26%、95%信頼区間-0.52%から-0.01%)、同等性の基準を満たさなかった(P=0.15)。

生活習慣改善群の方がHbA1cの下げ幅が大きい結果になりました。

生活習慣改善群の方では47人で糖尿病治療薬が減りました。標準的治療群で薬が減ったのは9人でした。

有害事象については以下の結果がありました。

有害事象は生活習慣改善群で32件(最も多くは筋骨格系の痛みまたは不快感と軽度の低血糖)、標準治療群で5件あった。深刻な低血糖や有害事象による死亡はどちらのグループにもありませんでした。

まとめ

生活習慣改善群の方は、ほぼパーソナルトレーナーの指導を受けているような感じですね。

運動や栄養をしっかり管理すると、アドバイスのみの自己管理に任せるよりも改善効果(治療薬の減り)は高いという結果になりました。

健康面、医療費の面で大きな成果が得られると期待できます。

生活習慣改善群の方では、有害事象も多く発生しています。この有害事象の中身である軽度の低血糖に関しては特に注意が必要です。

しかし、筋骨格系の痛み・不快感はただの筋肉痛も含まれていると考えられますので、それを除けば有害事象発生件数の実際はもっと減ると思われます。

また、関節の痛みも含まれている可能性がありますが、これに関しては太っているのが痛みを増す原因になりますから、仮に管理の強化で減量が進めば長期的にみると痛みは改善される可能性が高いです。

私が運動・栄養管理してきた2型糖尿病のクライアントは、有害事象なく空腹時血糖、HbA1c、体重を改善出来ています(n=14)。

指導の限界ラインを見極めていけば安全に効果を出す事ができるので、2型糖尿病の方は定期的な運動と栄養管理を行いましょう。

合併症のある方は事前に主治医と相談して実施するようにしてください。

1人で行うのが不安な方は、是非一度、弊社までご相談ください。※新型コロナの感染対策を行いながらお客様をお待ちしております。

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参考

Effect of an Intensive Lifestyle Intervention on Glycemic Control in Patients With Type 2 Diabetes: A Randomized Clinical Trial.