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2022.08.24

果糖ブドウ糖液糖が健康に及ぼす影響

『果糖ブドウ糖液糖』を見聞きしたことがある人は多いと思います。清涼飲料水などによく使われているので、甘い飲み物の成分表示を見ると大体最初の方に表示されています。(アメリカではHFCS (high-fructose corn syrup) と呼ばれる。EU諸国では砂糖規制法規による製造業の保護のため普及率が低く5%以下。) したがって、なんとなく“砂糖”のようなものだろうなという認識では無いでしょうか。今回は『果糖ブドウ糖液糖』についてどのようなものか、どんな影響があるのかを見ていきます。 異性化糖とは 異性化糖(いせいかとう)とは、主にトウモロコシを分解して変化させ果糖に変化させたも...

2022.08.23

女子サッカー選手への栄養補給のすすめ

最適にバランスのとれた食事は、スポーツのパフォーマンスにプラスの影響を与える要因の一つです。一部の栄養素の過不足は、スポーツの結果に悪影響を及ぼす可能性があり、最適に調整されていれば、食事割当はトレーニングおよび競技中の身体の効率を最大化することができます。したがって、トレーニングによって得られる利益を最大化し、公式競技での成功の可能性を高めるために、競技ごとに対する食事の推奨を定める必要性があります。 サッカーは世界で最も人気のあるスポーツの一つであり、その人気は今もなお上昇し続けています。2000年から2006年の間に、国際サッカー連盟(FIFA)は、現役のサッカー選手の数が9%増加...

2022.08.21

ゴルフスイングのためのトレーニング-正しいスイングとは

2016 年、112 年ぶりにゴルフが再び真正のスポーツ種目として認められ、オリンピック競技大会に復帰しました。現在世界中で約6,000万人がプレーしているとされています。ゴルフのルールを規定するロイヤル・アンド・エンシェント協会によると、世界209カ国に約4万件のゴルフ専用施設があるそうです。(世界のゴルフ施設のほとんどは北米(51%)とヨーロッパ(23%)にあり、次いでアジア(16%)、オセアニア(5%)) 日本においてのゴルフはバブル期に流行したもので、現在の50代以上の人達に安定した人気のあるスポーツという認識ですが、最近では『ゴルフ女子』というワードもSNSなどでよく見かけるこ...

2022.08.20

効率的な有酸素運動および筋力トレーニングと死亡率

現代では、健康のために運動をしなければならない、ということはよく知られています。また、世界保健機関(WHO)が、“有酸素運動を1週間で150分以上、筋力トレーニングを週2回以上”と提言していることもあり、ある程度の運動量が必要だということを知っている方も多いと思います。 しかし、できれば運動をしたくない、最低限の運動で大きな成果を得たいと考える人も少なく無いはずです。 というわけで今回は、最低どのくらい運動するのが良いのかを提案します。 目的:有酸素性身体活動(PA)および筋力強化運動(MSE)と全死因死亡率との用量反応関係を調査すること。 方法:416,420人の米国成人...

2022.08.19

野球ピッチャーの肘・肩の障害予防-球数制限

夏の甲子園が開催されています。現在の高校野球で、必ずと言っていいほど話題になる『球数制限』があります。 球数制限ですが、これは投手の怪我を予防するための措置という考えのもと検討・導入されています。しかし、現在の高校野球における球数制限は『1人の投手が投球できる総数は1週間500球以内とする』となっており、実態は制限があってないようなものです。 では、どのくらいの球数なら障害を予防できる確率が高いのでしょうか。 野球の投手における投球負荷モニタリング考察 高校野球では、肩と肘の怪我が全ての怪我の63%を占め、投手は他ポジションプレイヤーよりも上肢の怪我のリスク...

2022.08.18

男子アマチュアサッカー選手の傷害予防プログラムへの参加

試合中あるいは練習中の怪我の予防のために、(プロアマ問わず)アスリートはトレーニングを行う必要があります。これは高いパフォーマンスの維持や、怪我による短〜長期の離脱を回避するためにも必要と考えられます。しかし、サッカーにおける傷害予防プログラムの実施は、依然として困難ということが知られています。 今回は男子サッカー選手に絞って、研究を通じてこの問題を考えてみます。対象の選手は以下の通りでした。 オランダのトップクラスのアマチュアシーズンに出場している成人男性サッカー選手 98名の選手が対象(平均年齢:24.6歳、平均サッカー経験:18.5年) 傷害予防運動プログラム...

2022.08.17

スポーツマッサージがパフォーマンスと回復に及ぼす効果

マッサージはエリートスポーツではどこでも行われており、アマチュアスポーツやスポーツをしていない人にとっても一般的になってきていますが、この介入に関するエビデンスは体系的に検討されたことはありません。 過去の研究により既に知られていることとしては 小規模なメタアナリシスでは、マッサージはパフォーマンスの回復にわずかで一貫性のない改善を与える。 小規模なメタアナリシスでは、マッサージは痛みや遅発性筋肉痛(DOMS)に有意な改善を与えない。 研究では、マッサージの柔軟性への効果は一貫していないことが示された。 そこで今回は、スポーツパフォーマンスおよび回復の指標に対...

2022.08.14

地中海食と2型糖尿病及び肥満との関係

“地中海食は,低脂肪食を含む対照食と比較して,良好な血糖コントロールと心血管リスク因子と関連しており,2型糖尿病の総合的な管理に適していることが示唆されています。”このように、地中海食が健康やダイエット、糖尿病などに有効という情報をよく見かけると思います。 今回は、①地中海食がどのようなものか?、②果たして健康に対しての恩恵があるのか?を探ってみたいと思います。 糖尿病疫学の背景 現在、世界的な糖尿病の人口は以下のようになっています。 世界の糖尿病人口は5億3,700万人。成人の10人に1人(10.5%)が糖尿病に罹患している。 世界の糖尿病人口は、2030年...

2022.08.12

柔軟性向上には筋トレかストレッチか?

柔軟性を向上させたいと考えたときに、「(静的)ストレッチしよう」と考えるのは一般的な考えだと思います。 柔軟性を上げたい→「筋トレしよう」と考える人は少数派でしょう。なぜなら、筋トレをすると柔軟性が向上するということを知っている人がそもそも少ないからです。逆に、筋トレによって可動域が減少しそう...と考えている人はチラホラいます。 今回は、柔軟性向上には「ストレッチ vs 筋トレ」で解説します。 静的ストレッチの効果 筋肉を伸ばして、気持ちの良い所で静止して30秒程度保持するのを静的ストレッチと言います。これは皆さんが「ストレッチ」と聞いて、一般的に思い浮かべるストレッチのやり...

2022.08.11

トランスジェンダー女性のホルモン移行と身体組成などの変化

現在、スポーツ界では、アマチュアレベルからエリートレベルまで、スポーツ競技にトランスジェンダーをどのように含めるかという課題に直面しています。 現在までにトランスジェンダーの選手がオリンピックに出場したことはありませんが、社会における性別の多様性を持つ人々の認知度が高まっているため、スポーツの管理者や立法者は、性別の二元論から外れたアスリートを受け入れるためのルールを作成しなければなりません。 男性アスリートと女性アスリートの間には、パフォーマンスに関する定量的な差が多く存在します。これに対して、性別適合ホルモン治療(GAHT)を受けたトランス女性とシスジェンダー女性との間のパフォ...

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