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  • 2023.09.06

ウエスト周囲径、ウエストヒップ比、体脂肪率、総体脂肪量と腰痛のリスク


多くの人は、健康の指標に『体重』を用いる事が多いです。ほぼ一家に一台は体重計があり、体重は簡単に測定できからです。

しかし、ある程度フィットネスについての知識や経験を積むと、体重よりも体脂肪率や体脂肪量が健康に対する指標として適切なのではないかということに気づくようになります。なぜなら、筋肉が重い事を知り、筋肉が増えると体重が増えるからです。

今回は、体脂肪と腰痛のリスクとの関係を示す研究を紹介したいと思います。これを知ることで、体重を減らすより体脂肪を減らすという考えにシフトする人が増えると良いなと思います。

目的:ウエスト周囲径(WC)、ウエスト・ヒップ比(WHR)、体脂肪率(BFR)、総体脂肪量(BFM)と腰痛(LBP)のリスクとの関連を明らかにすること。

方法:WC,WHR,BFR,BFMとLBPのリスクとの関連を調査した観察研究を2020年10月までPubMedで検索した。ランダム効果モデルを用いて、要約リスク推定値および対応する95%信頼区間(95%CI)を算出した。

結果:92,936人の参加者を含む合計15件の研究が含まれ、そのうち10件はWCに、5件はWHRに、4件はBFRに、4件はBFM合計に関連したものであった。

高いウエスト周囲径およびウエスト・ヒップ比は慢性腰痛のリスク増加と関連していたことが示された。

高いウエスト周囲径は、腰痛のリスク増加とも関連していた。

体脂肪率が10%増加するごとに腰痛のリスクは23%増加し、総体脂肪量が10kg増加するごとに腰痛リスクは24%増加した。

結論:観察疫学的証拠から、ウエスト周囲径、ウエスト・ヒップ比、体脂肪率、総体脂肪量が増加した人は、BMIが正常であるかどうかにかかわらず、腰痛のリスクが増加する傾向があることが示唆された。過剰な脂肪量がその本質であった。

このように、BMI(体重)が正常の範囲でも脂肪量が多いと腰痛が発生しやすくなる事がわかっています。

体脂肪率を測定するのに最も簡単な方法は、体脂肪率を測定できる体組成計を使用する事です。これは家電量販店で1万円前後で購入できるので、ご自宅に体脂肪率を測定できる体組成計がなければ、余裕があれば購入されることをお勧めします。

おすすめは、安いものでオムロン社の製品、値段は少し高めですが体組成計専門のInBody社の製品です。※ともに弊社及びこの記事との利益相反はありません。

体組成計を用いない方法では、ウエスト周囲径をメジャーで測定するのが伝統的な方法です。ヒップも測定すればウエスト・ヒップ比が算出できます。

内臓脂肪の蓄積の目安となるのがウェスト周囲径です。男性85cm以上女性90cm以上がメタボリックシンドロームの基準とされています。

ウエスト(cm)÷ヒップ(cm)でウエスト・ヒップ比を求めます。W/H比の値が大きいと、上半身(腹部)に脂肪が蓄積しているリンゴ型肥満(腹部肥満)であり、種々の合併症をきたしやすい肥満体型と言えます。欧米では、男性は1.0以上、女性は0.9以上が目安とされています。

まとめ

腰痛を予防するために体脂肪量を減らしていくことの大事さ、体脂肪量の測定についてお分かりいただけたかと思います。

体重が重すぎる人(BMI27以上)は、ジョギングなどは下肢の関節に大きなストレスがかかるので、まずは食事で減らすことを考えましょう。ウォーキングは並行すると良いです。

BMIが25〜27くらいの人は筋力トレーニングと有酸素運動を行いながら健康的な食生活を取り入れましょう。こうすることで、筋肉量が維持・向上し、体脂肪のみを効率的に落とせるようになります。これが良好なウエスト・ヒップ比にも繋がります。

3ヶ月以内などの短期での結果を求めず、1年かけて身体と健康的な習慣をじっくり作っていくくらいの気持ちで取り組むと良いですよ。人生は長いですからね。


参考文献

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パーソナルトレーナー 井上大輔

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