効率的な有酸素運動および筋力トレーニングと死亡率
現代では、健康のために運動をしなければならない、ということはよく知られています。また、世界保健機関(WHO)が、“有酸素運動を1週間で150分以上、筋力トレーニングを週2回以上”と提言していることもあり、ある程度の運動量が必要だということを知っている方も多いと思います。
しかし、できれば運動をしたくない、最低限の運動で大きな成果を得たいと考える人も少なく無いはずです。
というわけで今回は、最低どのくらい運動するのが良いのかを提案します。
目的:有酸素性身体活動(PA)および筋力強化運動(MSE)と全死因死亡率との用量反応関係を調査すること。
方法:416,420人の米国成人のコホートを作成した。中等度PA、高強度PAおよびMSEの死亡リスクとの関連について推定した。モデルは、年齢、性別、人種・民族、収入、教育、配偶者の有無、調査年、喫煙の有無、肥満度、慢性疾患についてコントロールした。
結果:有酸素運動をしていない人と比較して、1時間/週の有酸素運動で死亡リスクが大幅に減少し、3時間/週の有酸素運動では横ばいになった。男女、60歳未満と60歳以上の個人で同様の結果が観察された。MSEは1回/週で死亡リスクをさらに減少させ、7回/週ではもはや有益ではないようである。
結論:有酸素運動による死亡リスクの有意な減少のための最小有効量は,中等度PAまたは高強度PAの1時間/週であり,さらに3時間/週まで死亡リスクの減少が観察された。高齢者では、この時間を超えても死亡リスクはわずかに減少しただけであった。MSEを有酸素運動と組み合わせて行うことで、死亡リスクのさらなる低減が認められたが、その最小有効量は1~2回/週であった。
この研究から見えてくることは
- 有酸素運動:週あたり最低1時間以上
- 筋力トレーニング:週1〜2回
これが最低限の推奨運動量となります。
有酸素運動は中程度以上なので、早歩き以上のスピードをイメージして頂ければと思います。多くの人にとっては、スタコラ一定ペースで歩くか、ジョギングと早歩きを自由に織り交ぜる(走ってキツくなったら歩く)インターバル形式の有酸素運動になります。
週あたり1時間以上なので、まとめて1時間でも良いし、20分を3日に回に分けても良いです。
筋力トレーニングは有酸素運動と組み合わせれば週1回でも良いでしょう。できれば週2回(有酸素運動をしないなら必ず)行いたいです。
筋力トレーニングと有酸素運動の組み合わせが、総合的に体力レベルを向上させてくれます。筋力がついて動作は楽になり、ある程度動いても疲れにくい心肺機能も獲得できます。
まとめ
上記の研究は、健康状態や家庭環境などをコントロールされたグループ運動と死亡率の関係なので、ある程度健康的な人たちは最低限これだけはやっておきたい内容となっております。生活習慣病や関節疾患などの改善は、加えてもう少し運動が必要になります。
しかし、全く運動をしていなかった人が少しでも運動を習慣化して行う事には大きな意味と効果があるので、不健康な人もまずは上記の最低限の運動量を目標に取り組んでみて欲しいなと思います。
1週間にトータル1時間は、どんなに忙しい人でも確保しやすい時間だと思います。この記事が皆さんのフィットネス参加の背中を押せると嬉しいです。
参考文献
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パーソナルトレーナー 井上大輔
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