変形性膝関節症の治療とその他対策について

変形性膝関節症に悩む方は沢山いらっしゃいます。
厚生労働省では、国内での変形性膝関節症患者数を、自覚症状を有する患者数で約1000万人、潜在的な患者数 (X線診断による患者数)で約3,000万人と推定しています。
発病率は高齢になるほど上がり、年々患者数は増加しています。
50歳以降の男女比(患者割合)では、女性のほうが男性よりも1.5倍~2倍多いことがわかっています。
アメリカの政府機関、医療品質研究調査機構(AHRQ)が変形性膝関節症の様々な治療方法のデータを調査しました。
結果、高く信頼できるエビデンスによって支持される結論は無かった、としています。
中程度のエビデンスがあったもの
- 経皮的電気刺激が短期的に痛みを改善する(中等度の質の証拠)
- 体重減少が中期的に痛みを改善する(中等度の質の証拠)
- 長期的にグルコサミンとコンドロイチン併用は痛みまたは機能に効果がなく、グルコサミンまたはコンドロイチン硫酸塩単独でも痛みに効果がない(中等度の質の証拠)
- どの治療にも、深刻な害として一貫して報告されているものはない
エビデンスの質が低かったもの
短期的効果(4週から12週)
- 筋力トレーニングが膝機能を改善する
- 太極拳が痛みと機能を改善する
- 敏捷性トレーニングが痛みを改善する
- 家庭プログラムが痛みを改善する
- パルス電磁場治療が痛みを改善する
中期的効果(12週から26週)
- 体重減少が中期的に機能を改善する
- 関節内多血小板血液中にある成分の1つ。出血が起こると、出血している部分に集まって出血を止める役割をもつ血漿が痛みと生活の質(QoL)を改善する
- グルコサミンとコンドロイチンの併用が痛みと機能を改善する
- コンドロイチン硫酸塩が単独で痛みを改善する
- 全身運動プログラムが痛みと機能を改善する
- 太極拳が痛みと機能を改善する
- 全身振動療法が機能を改善する
- 家庭プログラムが痛みと機能を改善する
長期的効果(26週よりも長期)
- 敏捷性トレーニングが痛みと機能を改善する
- 全身運動プログラムが痛みと機能を改善する
- 徒手療法(マッサージ、指圧など)が痛みを改善する
- 体重減少が痛みを改善する
これらは、高い確率で痛みに有効ですよ、と言い切れないので、実際に変形性膝関節症に悩む方は何をすればよいのか?と思われるかもしれません。
そんな時は中等度の証拠があるものから取り組んでいくしかないと考えられます。
まとめ
グルコサミンやコンドロイチンはサプりメント市場でもかなり流行っていますが、ほとんど効果はないので買うのは控えた方が良いでしょう。(飲んで効果があったと感じたらなそれは、成分の作用ではなく、飲んだからこれで安心という精神的な支えによるものでしょう。※プラセボ効果)
体重を減らして膝への負荷を軽減させ、運動で筋肉を鍛える方がよほど合理的だと思います。
そのためには適切な減量も学ばなければなりません。一時的に減らしてもリバウンドで長期で見れば状態が悪くなることもよくありますからね。
参考文献
Treatment of Osteoarthritis of the Knee: An Update Review
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