BLOG

  • 2023.06.20

筋トレで糖尿病改善


糖尿病は高血圧と並んでとても身近な疾患だと思います。なぜなら健康診断で必ず”血糖値”は測定されるからです。皆さんも血糖値を気にしたことありますよね?

  • 世界の糖尿病人口は5億3,700万人。成人の10人に1人(10.5%)が糖尿病に罹患している。
  • 世界の糖尿病人口は、2030年までに6億4,300万人(11.3%)に、2045年までに7億8,300万人(12.2%)に増加すると予測されている。
  • 糖尿病は2021年に110兆円(9,660億ドル)の医療費負担の原因となった。糖尿病の医療費負担は、過去15年間で316%増加した。
  • 新型コロナに関連する死亡リスクを除くと、糖尿病と糖尿病合併症により、2021年に世界の670万人の成人が死亡したと推定されている。これは、すべての原因による死亡の10分の1(12.2%)以上に相当する。
  • 世界の5億4,100万人(成人の10.6%)が、耐糖能異常(IGT)のある糖尿病予備群で、将来に2型糖尿病を発症するリスクが高い。(1)

こうしてみると世界の糖尿病人口はかなり多く、予備軍も含めると成人の10人に1人いるそうです。ちなみに日本は2017年時点の日本の糖尿病患者数は328万人を超えていることが報告されています。

飽食と文明の力による人間の身体活動量低下があるので世界的に増加傾向はしばらく続くでしょう。

新型コロナウイルスの重症化に関わる病気でもあります。

糖尿病は予防と改善ができる病気です。その鍵となるのが運動です。

糖尿病に対する筋トレの効果

筋トレが糖尿病に効く理由はざっくり以下に分けられます

  • 糖質をよく使う運動
  • インスリンが効きやすい身体になる
  • 筋肉を収縮するだけで糖を取り込める

有酸素運動は脂肪と糖を半分ずつ使って身体を動かしますが、筋トレはほぼ糖質を使うことになります。身体から糖を消費すれば血糖値は下がります。

また、インスリンが効きやすいと血液中の糖が筋肉に運ばれやすくなるので、結果的に血液中の糖の量が減ることになります。これも血糖値を下げる要因となります。

さらに、筋肉を収縮させるだけでインスリン関係なしに血液中から糖を取り込むようになります。筋収縮は、生体内唯一の血糖降下ホルモン(インスリン)とは異なるやり方で、血糖値を下げるのに貢献します。実はこれが糖尿病に運動が必要だという最も強力な理由です。

ちなみに取り扱う重量が重いほど、動員される筋繊維の量が増えます。例えば筋繊維が100本あるとして、ランニングや自転車だと負荷は自重以下なので50本までしか使われないです。この50本で身体をずっと動かします。残りの50本は働いていないのです。これが筋トレになると負荷に応じて80本とか90本が動員されます。この筋肉の特徴を”サイズの原理”といいます。

理論はここまでにして、実際に効果があるのか研究を見てみましょう。

2型糖尿病と筋トレの研究

962人の運動療法患者(n = 491)と対照療法患者(n = 471)から構成。

運動後のHbA1cおよびインスリンの減少は、運動強度と相関があることが示された。サブグループ解析では、HbA1cの減少は、低~中程度の強度よりも高強度において大きかった。

インスリン値は、高強度でのみ有意に減少し、低-中強度では減少しなかった。

HbA1cとインスリンの両方でサブグループ間の値が統計的に有意であり、高強度のREが非常に有益であることを示している。

我々のメタアナリシスは、2型糖尿病患者のHbA1cとインスリンの減少において、高強度のREが低~中強度のREよりも有益な効果を持つという新たな証拠を提供するものである。(2)

筋トレは可能な限り強度を高めて実施するのが良さそうですね。

20の研究がメタ分析に含まれた。

RTはコントロールと比較してHbA1cを有意に減少させた.筋力の向上が大きいとHbA1cの減少が大きくなった。

二次解析として、本研究では、RTと有酸素トレーニングを比較した場合、HbA1cに有意差は認められなかった。この研究は、RTが2型糖尿病患者のHbA1cを減少させる効果的な戦略であることを実証している。

重要なことは、大きなトレーニング効果を持つRTの介入は、中程度の効果を持つ介入や小さな効果を持つ介入と比較して、HbA1cの減少においてより効果的であるように見えたことである。(3)

こちらでは筋力の向上が大きいほど、Hba1cの減少が大きいとの結果でした。筋力の向上が大きいことは、つまり筋トレの強度が高いとなります。筋トレの強度が高いほど効果が大きいようですね。

以上の研究から、筋トレ単体でも血糖値を下げる効果があると分かりました。

まとめ

人間の身体は筋肉だけではなく、心臓血管系も鍛えたい部分ですから、筋トレのみではなく有酸素運動と混合して運動計画を立てると良いでしょう。

例えば、運動初心者は月木:筋トレ/火土:有酸素運動などが良いかなと思います。体力が付いてきたら月水金:筋トレ/火木土:有酸素運動にレベルアップするなどが考えられます。

いずれにせよ、定期的に運動をすることが糖尿病の予防と改善に繋がります。食事を考えるよりも重要だと考えます。

血糖値が気になる方はジムにいきましょう。


(1).【世界糖尿病デー】世界の糖尿病人口は5億3,700万人に増加 成人の10人に1人が糖尿病

(2).Resistance Exercise Intensity is Correlated with Attenuation of HbA1c and Insulin in Patients with Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Meta-Analysis

(3).Effect of resistance training on HbA1c in adults with type 2 diabetes mellitus and the moderating effect of changes in muscular strength: a systematic review and meta-analysis

関連

ブログ目次

☆★☆★☆

パーソナルトレーナー 井上大輔

パーソナルジムIGF 日本橋駅徒歩1分

パーソナルトレーニングをご希望の方→カウンセリングはコチラ

IGFは日本橋で創業し6年の完全個室予約制のパーソナルジムです

お身体、運動、食事のお悩み、お気軽にご相談ください