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  • 2022.07.30

筋力トレーニングは血圧を改善する

高血圧や高血圧ではないが血圧が高めですという人は多くいます。高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因です。

2017年の調査で、高血圧の患者数は993万人、年間医療費は1兆7900億円となっています。日本生活習慣病予防協会

高血圧は症状として現れることはほぼ無いですし、薬を飲めば血圧は下がるので改めて改善しようという動きをする人はそこまで多くないと思われます。一方で、中高年〜高齢者の悩みの1位を占めるのが高血圧です。

年代別・世代別の課題)こちらの表を見ると40歳以上で高血圧を認識する人が増えることがわかります。その後、恒例になるまでずっと付き合い続ける感じでしょうか。

今回は、中高年〜高齢者の悩みのタネであり、様々な病気のトリガーとなる高血圧の改善方法を筋力トレーニングを行うことで改善できるかを見ていきたいと思います。

筋力トレーニングと血圧の関係

実際に重量物を持ち上げている瞬間は血圧が上がるので、ものすごく強度の高い100%努力を求められるようなプログラムは高血圧の人には推奨できませんが、80%くらいの中強度といわれる範囲でのトレーニングは安全に実施できるので、取り組んでみてほしいです。日常生活では達成が難しい60〜85%の筋力トレーニングを推奨します。

417人(筋力トレーニング(RT)に割り当てられた207人と対照の210人)を対象とした研究で、収縮期/拡張期血圧ともに著しい減少があることが示されました。結論として、RT単独は、高血圧前患者および高血圧患者、特に高齢者において、収縮期および拡張期血圧を低下させることができることが示された。(1)

筋力トレーニング単体で血圧を下げる効果があるとのことです。

レジスタンストレーニングは、健康な人および心血管疾患と代謝性疾患の患者においてFMDを改善する。(2)

FMD(血管内皮機能)は血管の柔らかさの数値化のことで、筋トレをすると血管が柔らかくなるようです。血管が柔らかくなれば動脈硬化のリスクを下げることができます。筋力トレーニングには血圧だけではなく、血管に対してもポジティブな効果があります。

筋力トレーニンングには、筋肉量や筋力、代謝機能の改善に加えて、上記のような効果も得られます。現代は高齢化が進んでいることと、便利に生活できる反面 身体活動量の低下が著しいことで、生活習慣病になるリスクはかなり高いです。したがって筋力トレーニングの重要性が高いといえます。

まとめ

以上、筋トレは血圧や血管に対して良い効果があるという紹介でした。この記事を読んだ方は、ぜひ筋力トレーニングに安心して取り組んでいただければと思います。

有酸素運動でも良いですが、週5回以上が推奨されていることを考えると、忙しい現代人が安定してその時間を確保することはハードルが高いと思われます。有酸素運動は日常生活に組み込む形が良いでしょう。例えば、駅まで片道10分歩くと往復20分、朝昼夜のどこかで10分歩く、そうすると合計30分歩ける、みたいな組み込み方が現実的かと思います。

筋トレは週2回、1回30分〜でもプログラム次第で十分効果が得られるのでおすすめです。もちろん筋トレも有酸素運動も時間と頻度を確保できる人(特に高齢者)は積極的に取り組むことが望まれます。

健康寿命が延ばせるように私も引き続きお客様をサポートしていきたいと思います。


参考文献

(1).Is resistance training alone an antihypertensive therapy? A meta-analysis

(2).Effects of resistance training on endothelial function: A systematic review and meta-analysis

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