単関節運動と多関節運動による筋肥大効果
筋力トレーニングには単関節運動と多関節運動の2種類があります。
単関節運動は、関節が1つだけ動くエクササイズを指します。例えば、アームカールやレッグエクステンション・カールなどです。
多関節運動は、関節が2つ以上動くエクササイズを指します。例えば、ベンチプレスやスクワット、懸垂などです。
単関節と多関節はどちらが筋肥大にとってより効果的なエクササイズなのでしょうか。それを調べた研究を紹介します。
結論は
- 多関節と単関節トレーニングの間で同様の全筋肥大を示すと結論付けている
- 単関節運動は、筋小節を優先的に肥大させる能力を提供し、より完全な筋発達を促進する可能性がある
でした。研究の概要は以下の通りです。
我々は、四肢筋の筋肥大に対する単関節(SJ)および多関節(MJ)抵抗運動の効果を比較する系統的レビューおよびメタ解析を行った。
健康な成人において、SJとMJの抵抗運動、およびその組み合わせによる筋肥大の変化を直接比較した無作為化試験を特定するために、系統的な検索を実施した。
合計7件の研究が含まれ、10件の比較から構成されていた。
メタ分析では、標準化点推定値は小さく、信頼区間推定値は比較的中程度の精度であることが示された。サブグループ分析では、SJ+MJトレーニングの組み合わせとMJトレーニング単独の組み合わせ、および、体積等倍と非等倍の条件で研究を層別化しても、結果には影響がないことが示された。
しかし、個々の研究を精査し、関連する間接的な証拠と合わせると、SJ運動は、筋小節を優先的に肥大させる能力を提供し、より完全な筋発達を促進する可能性があることがまとめて示される。
我々は、現在のエビデンスが、MJとSJトレーニングの間で同様の全筋肥大を示すと結論付けている。SJとMJを組み合わせることで、特定の筋の個々の側面をターゲットにした付加的な利点があるかもしれないが、この仮説はまだ十分に検討されていない。今後、レジスタンストレーニングにおけるSJおよびMJエクササイズの部位筋肥大への影響を探る研究が必要である。
まとめ
結果的に、現時点では単関節・多関節どちらの様式のトレーニングを実施しても筋肥大に差は無いという事でした。
多関節運動は沢山の筋肉を使用するので、1回のトレーニングは1時間程度しか取れないといった時間が限られている人は多関節運動を選択すると良いでしょう。1時間以上筋トレの時間が取れるような場合は、追加で増やしたい筋肉に対応する単関節エクササイズを入れるとより良くなります。
どちらも運動量が同じなら効果は変わらないので基本は多関節運動を軸に組み立てていくことをお勧めします。
参考文献
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パーソナルトレーナー 井上大輔
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