運動はうつ病症状に対して有効である
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過去に運動がメンタルにポジティブな影響を与えたり、うつ病に対しても効果的だとする研究をいくつか見てきました。今回は、運動がうつ病に対して効果があるのか?まとめた研究を見ていきたいと思います。
結論は
- 運動はうつ病とうつ症状の治療に有効
- 監視下及びグループで、中強度の有酸素運動計画で、エビデンスに基づいた治療オプションとして提供されるべきである。
研究の概要は以下の通りです。
目的
非活動的な対照群と比較して,運動のうつ病症状に対する有効性を推定し,運動のうつ病に対する緩和効果および出版バイアスの有無を明らかにすること。
デザイン
系統的レビューとメタ回帰を用いたメタアナリシス。
データソース
Cochrane Central Register of Controlled Trials, PubMed, MEDLINE, Embase, SPORTDiscus, PsycINFO, Scopus, Web of Science を言語制限なしに検索し、開始から2022年9月13日まで(PROSPERO登録番号 CRD42020210651)。
研究選択基準
大うつ病性障害と診断された18歳以上の参加者、または有効なスクリーニング尺度で閾値以上の抑うつ症状を有する参加者を含み、運動介入(有酸素運動および/またはレジスタンス運動)の効果を運動しない対照群と比較して調査したランダム化比較試験。
結果
介入後の参加者2264人からなる41件の研究がメタ解析に含まれ、治療必要数(NNT)=2(95%CI 1.68~2.59 )に相当する運動介入に大きな効果(標準化平均差(SMD)=0.946、95%CI -1.18~0.71 )があることが支持されていることが明らかにされた。大うつ病性障害者を対象とした研究では大きな効果が見られ(SMD=-0.998, 95% CI -1.39 to -0.61, k=20)、監督下運動介入(SMD=-1.026, 95% CI -1.28 to -0.77, k=40)、解析をバイアスリスクの低い研究に限定すると中程度の効果(SMD=-0.666, 95% CI -0.99 to -0.34, k=12, NNT=2.8 (95% CI 1.94 to 5.22) )であった。
結論
運動はうつ病とうつ症状の治療に有効であり,中強度の有酸素運動レジメンを用いた監視下およびグループでの運動に焦点を当てたエビデンスに基づいた治療オプションとして提供されるべきである。多くの試験のサンプルサイズが小さく、方法の異質性が高いことは、結果を解釈する際に考慮されるべきである。
このように運動はうつ病に対して効果的なことがわかっています。実際に運動を行うと、前向きになったり自信がみなぎってきたりすることを現場でもよく見かけます。
これは運動するとセロトニンやエンドルフィンといったホルモンが分泌されるからです。
- セロトニン:精神の安定、安心感、脳を活発にするなど。
- エンドルフィン:痛みの緩和、リラックス、免疫向上など。
これらのホルモンが日々のストレスを緩和し精神的な安定に繋がり、結果的に運動がうつ病に対しても有効であると考えられます。
精神的に疲れやストレスを感じる方は、運動を行うことをおすすめします。ウォーキングや動的ストレッチのような低強度の運動ではなく、ジョギングや筋トレなどの中強度の運動が効果的です。週末や平日に定時で帰れた時など、30分くらい時間が取れる際は積極的に動くようにしてみましょう。
参考文献
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パーソナルトレーナー 井上大輔
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