血圧低下のためのビタミンとミネラル:6つのサプリメント
世界で約13億9000万人が高血圧を患っており、心血管疾患と全原因死亡率の危険因子です。心臓病と脳卒中の予防に、血圧コントロールは欠かせません。
日本では、収縮期血圧(上)が140以上、または拡張期血圧(下)が90以上の場合を高血圧と診断します。
高血圧の予防には、食塩摂取量の制限と、内臓脂肪による肥満の予防、運動、これらが必要となってきます。
栄養バランスという観点から見ると、栄養補助食品であるサプリメントの活用も、血圧の改善に役立つと考えられます。しかし、世の中に流通しているサプリメントは五万とあります。
したがって、今回は、十分に研究がなされて効果があると認められている、血圧を下げるために効果的なサプリメントを紹介します。
これで皆さんが、サプリメントに迷う機会が減ると良いなと思います。
収縮期血圧
まずはビタミンの効果についてです。
ビタミンEのみが、プラセボと比較して、収縮期血圧を大幅に減少させることが判明しています。
ビタミンCとDは、プラセボと比較して、有意な減少を示しませんでした。
次にミネラルの効果についてです。
カルシウム、マグネシウム、カリウムはすべて、プラセボと比較して収縮期血圧の有意な減少を示しました。
血圧の上が高いと言われたかたは、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、カリウム、これらいずれかのサプリメントを検討すると良いでしょう。
拡張期血圧
まずはビタミンの効果についてです。
ビタミンC、D、E、いずれも、プラセボに対して拡張期血圧を減らすことができませんでした。
次に、ミネラルの効果についてです。
カリウムは3つの中で唯一統計的に有意でない拡張期血圧の減少を示しました。
カルシウムとマグネシウムは拡張期血圧を減少させましたが、研究間のバラツキが大きかったです。
血圧の下が高いと言われたかたは、カルシウムとマグネシウムを優先的に検討し、食事からのカリウムがかなり少ない場合はコレも検討すると良いでしょう。
まとめ
以上の結果から、収縮期血圧を低下させるには、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、カリウムが有効であると言えます。
先行研究では、収縮期血圧が2低下すると、心臓疾患と脳卒中による死亡率がそれぞれ7〜10%低下することが示されていることから、これらサプリメントの活用は臨床的に有意であると考えられます。
拡張期血圧を低下させるには、カルシウムとマグネシウムの両方が有効です。カリウムも悪くは無い効果です。
先行研究では、サプリメントの1日当たりの推奨摂取量が示されています。
ビタミンC、D、Eについては、それぞれ
70~90mg、10~20μg、10~15mgでした。
カルシウム、マグネシウム、カリウムの1日当たりの推奨値は、
それぞれ1000~1300mg、350~420mg、4700~4800mgでした。
これらの結果は、至適血圧を達成するために何を摂取すればよいかを明らかにした点で重要です。
これらのサプリメントは、血圧を下げるのに有効であることが証明された一方で、自然なものであり、バランスのとれた食事の一部であると考えられています。
血圧をコントロールするために医薬品を服用することに躊躇している人々にとって、まずはこれをらのサプリを使ってみてはいかがでしょうか?というひとつの提案です。
一方で、これらのサプリメントが抗高血圧薬を必要とする人々の代替品となることはありません。
高血圧の基準値をギリギリ超えたり超えなかったりするような人や、まだ超えてないけど、正常の高めの辺りであるという人は、まずは食事と運動とサプリメントを活用して下げることを試みると良いかなと思います。
高血圧ラインを安定してしっかり超える人は、医師の指示のもとコントロールしてください。
参考文献
関連
☆★☆★☆
パーソナルトレーナー 井上大輔
パーソナルジムIGF 日本橋駅徒歩1分
パーソナルトレーニングをご希望の方→カウンセリングはコチラ
IGFは日本橋で創業し6年の完全個室予約制のパーソナルジムです
お身体、運動、食事のお悩み、お気軽にご相談ください
主な情報仕入れ先
- PubMed/論文検索サイト
- NSCA/全米ストレングス&コンディショニング協会
- ACSM/アメリカスポーツ医学会
- BMJ sport medicine/ブリティッシュメディカルジャーナル
- Harvard Health Publishing/ハーバード・ヘルス・パブリッシング