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  • 2022.09.08

ジャガイモのタンパク質摂取による筋タンパク質合成


タンパク質の摂取と身体活動は筋タンパク質合成を刺激し、骨格筋量の維持と増加に不可欠です。運動後の回復期に摂取したタンパク質は、筋タンパク質合成率をさらに増大させ、より長時間の運動トレーニングに対する骨格筋の適応反応をサポートします。

安静時および運動回復時の食後の筋タンパク質合成率は、異なるタンパク質源を摂取した場合、大きく異なることが報告されています。タンパク質源の同化特性は、タンパク質消化およびアミノ酸(AA)吸収速度、ならびにタンパク質中のAA組成によって大きく左右されます。※同化特性=筋肉が大きくなろうとする反応

しかし、動物性タンパク質と植物性タンパク質の同化特性を比較した研究はほとんどありません。

大豆および小麦タンパク質を摂取した場合、安静時および運動後の回復時の両方で、乳製品タンパク質と比較して同化作用が低いことが報告されています。しかし、これらの違いは必ずしも明らかではありません。植物由来タンパク質の特性は多種多様であるため、安静時および運動後の回復時の同化作用について、より多くの植物由来タンパク質を評価する必要があります。

ジャガイモは、世界で3番目に消費量の多い作物であす。ジャガイモは、新鮮な重量に基づくと、わずか1.5%のタンパク質しか含んでいません。しかし、ジャガイモをデンプン抽出に使用すると、残渣(ジャガイモ果汁)が残り、これは一般に飼料生産に使用されるか、廃棄物として処分されます。この残渣から、ジャガイモタンパク質濃縮物を抽出することができます。

ジャガイモタンパク質のアミノ酸組成は、牛乳タンパク質に酷似していることがわかっています。他のほとんどの植物由来タンパク質とは対照的に、ジャガイモタンパク質は、すべての個々のEAAを十分な量供給し、明らかな欠乏が無いことがわかっています。

表.ジャガイモタンパクと牛乳タンパクのアミノ酸組成

しかし、ジャガイモ由来タンパク質のこの有利なアミノ酸プロファイルが、摂取時の強力な同化特性にもつながるかどうかは、まだ確立されていません。

今回はジャガイモタンパク質が筋肥大に効果があるのかを調べる研究を紹介したいと思います。

はじめに

植物由来タンパク質は、動物由来タンパク質の代替として注目され、植物由来の食事やスポーツ栄養製品に頻繁に使用されるようになっている。しかし、ジャガイモ由来タンパク質の同化作用についてはほとんど情報がない。本研究では、健康な若年男性を対象に、安静時および1回のレジスタンス運動後の回復期に、ジャガイモタンパク30gと牛乳タンパク30gを摂取した際の筋タンパク合成速度を比較した。

方法

24名の健康な若年男性(24±4歳)を対象に、無作為化二重盲検並行群間デザインにより、片側負荷運動後にジャガイモ由来タンパク質30gまたは牛乳タンパク質30gを摂取した。タンパク質摂取後5時間に血液と筋生検を採取し、食後の血漿アミノ酸プロファイルと安静時および運動後の回復期の混合筋タンパク質合成率を評価した。

結果

ジャガイモおよび牛乳タンパク質の摂取は、基礎吸収後の値と比較して、混合筋タンパク質合成速度を増加させた。処理間の差異はなかった。 運動した脚では、ジャガイモと牛乳のタンパク質を摂取した後、混合筋タンパク質の合成率は、それぞれ増加したが、処理間の違いはなかった。筋タンパク質合成反応は、安静時と比較して運動した脚で大きかった。

結論

健康な若年男性において、30gのジャガイモタンパク質濃縮物の摂取は、安静時および運動後の回復期の筋タンパク質合成率を増加させた。30gのジャガイモタンパク質を摂取した後の筋タンパク質合成率は、同量の牛乳タンパク質を摂取した後に観察された率と差がない。

本研究では、健康な若年男性において、ジャガイモ由来のタンパク質30gを摂取すると、安静時および運動後の回復期に筋タンパク質合成速度が強く増加することが示されました。

牛乳タンパク質と比較して、ジャガイモ摂取後の血漿中EAA利用率の上昇は小さく、より遅延することが観察されたが、食後の混合筋タンパク質合成率は、安静時および運動回復時のタンパク質源間で差はありませんでした。

アミノ酸組成が類似しているにもかかわらず、ジャガイモ摂取後のアミノ酸の上昇は乳タンパク質と比較して抑制され、EAA、ロイシン、リジン、メチオニン濃度のピーク値は低く、到達時間はかなり遅くなった。その結果、ジャガイモ摂取後の食後5時間の血漿アミノ酸利用率は、乳タンパク質摂取後と比較して大幅に低下した。

まとめ

結論として、ジャガイモ由来タンパク質濃縮物30gの摂取は、健康な若い男性において、安静時および運動からの回復時の生体内での筋タンパク質合成速度を強く増加させることが分かりました。

ジャガイモタンパク質30g摂取後の食後の筋タンパク質合成反応は、同量の牛乳タンパク質摂取後の反応と差がありません

冒頭に述べたように、ジャガイモのタンパク質含有率は1.5%程度なので、ジャガイモから30gのタンパク質を摂取しようとするのは不可能です。従って、サプリメント開発の必要があります。

代替的で持続可能なタンパク質源を含む食品やスポーツサプリメントの消費に関心が高まっている中、植物由来タンパク質は、運動後の回復期に骨格筋のコンディショニングをサポートするために、ビーガンプロテイン製品やスポーツ栄養サプリメントに効果的に応用できる可能性があります。

本研究では、大豆および小麦由来タンパク質摂取後の食後および運動後の筋タンパク質合成反応を評価した先行研究を発展させ、ジャガイモタンパク質摂取が安静時および運動からの回復時の筋タンパク質合成率を強く増加させることが示されています。

今回のデータは、スポーツ栄養における植物由来タンパク質の利用機会が十分にあることを明確に示しているが、現在利用可能な様々な植物由来タンパク質の同化特性およびそのブレンドの可能性を評価するために、さらなる研究が必要です。


参考文献

Potato Protein Ingestion Increases Muscle Protein Synthesis Rates at Rest and during Recovery from Exercise in Humans

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