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  • 2023.02.07

多くのフィットネスクラブユーザーは強度不足


私は過去にフィットネスクラブのスタッフとして多くのお客様がトレーニングしているところを見てきました。

この時感じていたのは、ほとんどの人が軽い負荷でトレーニングをしていて、トレーニングの恩恵を受ける事が出来ているのか?です。筋肉を肥大させる、あるいは筋力を増加させるトレーニングを実施できている人はほとんど見かけませんでした。

自由に負荷を選択できるフィットネスクラブにおいて、ユーザーの多くはどのくらいの負荷でトレーニングを実施ているのでしょうか?この疑問の答えになるような研究があったので紹介したいと思います。

結論は

  • 参加者は、すべてのエクササイズにおいて、1RMの平均53%に相当する負荷を選択した。
  • 初心者には筋肥大・最大筋力を増加させることができる可能性がある。
  • 最大筋力の開発には、トレーニーの経験に関係なく、あまり効果がない可能性がある。

研究の概要は以下の通りです。

トレーニーは十分に重いものを持ち上げているか?レジスタンス運動における自己選択負荷。スコープレビューと探索的メタアナリシス

背景

伝統的に、レジスタンストレーニングの負荷は、1回で持ち上げることができる最も重い負荷(すなわち、1反復最大[1RM])の割合として規定されています。また、トレーニングの負荷をトレーニー自身が選択できるようにする方法もあります。後者の場合、受講者の好みに合わせて運動できる、定期的に1RMテストを行う必要がないなどの利点があります。しかし、自己選択式負荷処方法の有用性をよりよく理解するためには、訓練生がどのような負荷を選択するのかを調べる必要がある。

目的

レジスタンストレーニングのセッションにおいて、トレーニーが自己選択した負荷が1RMの何パーセントに相当するかを調べる。

検索と包含

2021年9月にPubMed、Web of Science、Google Scholarを用いた系統的な文献検索を行った。(1)査読付きジャーナルに英語で掲載されたもの、または修士・博士論文として発表されたもの、(2)健康な訓練生に、少なくとも1セットのエクササイズからなるレジスタンストレーニングのセッションを修了させて、彼らが負荷を選択したもの、(3)訓練生が負荷を選択したエクササイズに対して1RMテストを完了させたものを対象としました。18の研究が、368人の参加者を持つ、我々の主なメタ分析モデルに含まれた。

結果

我々の主なモデルは、参加者が平均して自分の1RMの53%(95%信頼区間[CI]49~58%)の負荷を選択することを示した。トレーニング経験、年齢、性別、1RMテストのタイミング(選択した負荷のRTセッションの前または後)、セット数、反復回数、下半身対上半身の運動による調整効果はほとんど見られなかった。参加者は、低い反復回数が規定されている場合、より重い負荷を選択する傾向があり、その逆も同様でした(logit(yi) = – 0.09 [95% CI – 0.16 to – 0.03]).分析した研究の多くで、参加者は負荷の選択方法に関して曖昧な指示を受け、自分で選択した負荷で1セッションを完了しただけであったことに留意してください。

結論

参加者は、すべてのエクササイズにおいて、1RMの平均53%に相当する負荷を選択しました。このような負荷と低~中程度の反復回数(例えば、5~15回)を組み合わせたトレーニングは、初心者には十分に肥大を促し、最大筋力を増加させることができるが、上級のトレーニーには当てはまらない可能性がある。このような負荷と高い反復回数を組み合わせて持ち上げ、課題達成に近づくか到達すれば、筋肥大には十分ですが、最大筋力の開発には、トレーニーの経験に関係なく、あまり効果がない可能性があります。自己選択的な負荷処方アプローチは、従来のアプローチのある種の限界を回避できるかもしれませんが、どのように、どのような目的で、どのような集団に対して実施すべきかについては、考え、さらに研究を重ねる必要があります。

まとめ

多くのフィットネススタッフが見てきたように、自由に負荷を選択できるジムでは、多くのユーザーは最大筋力の53%程度の負荷を選択する傾向にあるようです。

この負荷だと筋肥大も筋力の向上もあまり期待できません。20回以上で3セットなど行って疲労困憊に至っていれば良いですが、経験上そのようなプログラムで進めている人は居ません。

わざわざジムに来ているのに効果があまりないので勿体無いと感じます。

普段フィットネスクラブに通っている人は、自分の扱っている負荷が適切かどうか振り返ってみるとよいでしょう。実際に扱っている負荷の1.5倍程度に増やしてみるのも良いかもしれません。最大努力で6~12回程度反復できれば丁度良い負荷で、13回以上ならもう少し負荷を増やしましょう。

ジムでのトレーニングが有効になるように負荷を調整していきましょう。


参考文献

Are Trainees Lifting Heavy Enough? Self-Selected Loads in Resistance Exercise: A Scoping Review and Exploratory Meta-analysis

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パーソナルトレーナー 井上大輔

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