筋肉を大きくするトレーニングメニューの作り方
筋トレのメニューを作る際、これら沢山の変数を考慮して作る必要があります。
トレーニングを始めて、少しトレーニングについて勉強をして、中級者くらいになると、自分でメニューを作って実践する人もいらっしゃると思います。
そこで今回は、筋肉を大きくするために、どの変数を触るとより効果的なキンヒダイプログラムになるのか?
初心者から中級者のトレーニー、おおむねトレーニング継続1年未満の方々に向けて、解説したいと思います。
上級者でも十分使える知識なので、復習がてら聞いていただければと思います。
普段の筋トレメニュー作成のヒントになれば幸いです。
コチラの研究で、今回のテーマについて十分に検討されています。
結論から言うと、
量、頻度、強度、収縮のタイプ、反復時間、血流制限の適用が筋肥大適応を調整することが観察されました。
また、レジスタンストレーニングの変数で筋肥大適応と用量反応関係が観察されたのは、量だけでした。
逆に、運動順序、時間帯、ピリオダイゼーションのタイプなど、他の変数は、筋量増加の大きさに直接影響しないようでした。
以上を考慮して、プログラム作成の提案をします。
◆量について
週あたりのトレーニング量と筋肥大との間には、段階的な用量反応関係があることが報告されています。
つまり、挙上した総重量が増えるほど、筋肥大する量も増えるようです。
したがって、1エクササイズにつき2から3セットとし、各筋群について少なくとも週10セットをカバーすることが推奨されます。
一方、週当たりのボリュームがそれ以上大きくなっても、さらなる筋肥大効果は期待できないようでした。
10セットを超えるほどは必要ないようです。
◆頻度について
トレーニング頻度は、全体的な週間トレーニング量を変更するツールとして使用することができます。
週1よりも週2、週2よりも週3の方が、トレーニング量は増えるので肥大につながります。
したがって、週2から3回の計画をするのが良いでしょう。
◆強度について
重量の選択は、体力レベルに応じて行うことができますが、
常にオールアウトに達するか、それに近い状態になることが望ましいです。
オールアウトとは、自分で挙げようとしても筋肉が疲労困憊で全く収縮できない状態です。
例えば、腕立て伏せを10回や20回、連続でやってみてください。
終盤、あがらなくなるのを体感できると思います。あれです。
軽い重量でも重い重量でも、肥大は起こりますが、高負荷の方がより大きな適応をもたらすようです。
◆収縮の種類について
肥大反応を最適化するためには、コンセントリック収縮とエキセントリック収縮の両方を組み合わせることが適切と考えられます。
エキセントリック収縮はコンセントリック収縮と比較してさらにいくつかの利点をもたらします。
最終セットの残り3回は、勢いを使って挙げたのちに、ゆっくりオモリを下すように動作すると良いかもしれませんね。
◆反復時間について
肥大適応を刺激するためには、0.5~8秒の反復時間が適切です。意外と範囲は広いです。
一方で、長い時間(運動速度が非常に遅い)実施は逆効果であるため、反復時間を10秒以上に延ばすことは避けるべきです。
基本は、1秒で挙上、2秒で降ろす、くらいのイメージで動けば問題ないです。
◆エクササイズの順序について
この変数を調節するためには、特定の筋群に意図的に負荷をかけるなど、個人の嗜好や特定の目的に対応する必要があります。
現在のところ、適切なガイドラインを示すには十分な証拠がないため、さらなる研究が必要です。
とりあえず、デカくしたい筋肉に対応するトレーニングを、2から3種目並べてみるのが良いかなと思います。
◆時間帯について
特定の時間帯(朝か夕方かなど)がキン肥大の適応に有利であるというエビデンスは見つかっていないため、
トレーニングは私生活の中で、出来る時に実施してください。
◆ピリオダイゼーションについて
ピリオダイゼーションモデルを選択する際には、常にトレーニング量と漸進的過負荷を考えてメニューを作りましょう。
週あたりのトレーニング量が徐々に増えるように、取り扱う負荷が週ごとや隔週ごとなどで徐々に増えるように計画します。
2.5キロ重くする、1セットの回数を1から2回増やす、1セット増やす、などです。
◆血流制限について
加圧トレーニングのことです。
この手法は、広く経験を積んだ被験者や重い負荷を使用できない被験者に使用するのが適切と思われます。
アスリート(トレーニング上級者)や怪我をした人たちです。
健康な人やトレーニング中級者以下(継続1年未満くらい)の人は、加圧は必要ありません。
また、上級者や怪我をした人たちにとっても、バリエーションの一つとして覚えておけば良いくらいで、普通の筋トレと比べて効果が高いというわけでもありません。
◆まとめ
筋肥大を狙ったメニューにする場合、
まずはトレーニング量を増やしましょう。
各筋群に対して、1週間で10セットがおすすめです。
1種目2から3セット行うと良いです。
例えば、大胸筋をターゲットにした場合、
1セッションで、ベンチプレスを3セット、ダンベルフライを2セット行います。
コレを、月曜日と木曜日に実施すれば、週あたり合計10セット、大胸筋を刺激したことになります。
10セットを超えると、やったほど効果は出ないようなので、10セットが最適効率になりそうです。
週あたりのトレーニング頻度は、どのくらいトレーニングに時間を割けるにかによって戦略が変わってきます。
週2セッションが精一杯の人は、1セッションで全身トレーニングするメニューを組めばOKです。
例えば、上半身プッシュ2種目、上半身プル2種目、肩1種目、下半身2種目、体幹1種目、といった感じです。
初心者はまず週2セッションを習慣化させると良いでしょう。
週3セッションが限界の人は、上半身の日、下半身の日を用意します。
コレを、月曜日・上半身、水曜日・下半身、金曜日上半身、
翌週は逆で、月曜日・下半身、水曜日・上半身、金曜日下半身、
こんな感じで交互に実践していきます。そうすると7日間の間に上半身及び下半身に2回ずつ刺激が入る日を設けることが可能になります。
トレーニング継続を4ヶ月以上している中級者は、週3セッションも検討すると良いでしょう。
1年以上のトレーニング継続をしている上級者は、週あたり上半身2回、下半身2回を目指してみるのも良いでしょう。
または、体のパーツをさらに細分化して、それ以上の頻度も考えられます。
上級者向けのメニューはさらに複雑化しますので、ここでは割愛しますが、
上級者なら自分でメニューを作れるくらいにはなっているでしょうから、その楽しみも味わいながら取り組んでいただけると良いかなと思います。
各種目の2セット目や3セット目には、オールアウトかそれに近い状態になるように、重さを調節しましょう。
3セット目が終わってもまだ連続で挙げれそうなコンディションなら、次回から思い切って重量をアップさせてください。
挙上のスピードは、もし今、0.5秒で上げて、1秒で下げているなら、もう少しゆっくり動作する意識を持ちましょう。
1秒で上げて、2秒で下げましょう。ちょっと遅いよな、と感じるくらいのペースで意外とちょうど良いです。
参考文献
Resistance Training Variables for Optimization of Muscle Hypertrophy: An Umbrella Review
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