高齢者における1日の歩数と死亡率との関係
歩く事は健康にとって必要な事ですが、デスクワークや便利な移動手段(電車・車・エレベーター・エスカレーター等)の普及により、多くの人は1日の歩数が少なくなっていると考えられます。
現在、厚生労働省では目標値を以下のように設定しています。
- 成人男性:9,200歩
- 成人女性:8,300歩
- 高齢男性:6,700歩
- 高齢女性:5,900歩
私自身、高齢者へのアドバイスとしては8,000歩を目指しましょうと言う事が多いです。8,000クリアできればそれでいいし、クリアできなくてもそれを目指す事で6,000を超えてくればそれなりに健康への恩恵を受ける事が出来ると考えるからです。
今回は、高齢者の歩数と死亡率の関係がどのようになっているか最新の研究を確認してみたいと思います。
結論からいうと、高齢者は5,000歩以上をクリアすると良さそうです。
虚弱高齢者と非虚弱高齢者における客観的に測定された1日の歩数と死亡率との間の用量-反応関係
目的
客観的に評価された身体活動と死亡率との関連が、虚弱な成人とそうでない成人とで異なるかどうかは不明である。我々は、地域居住の高齢者を対象に、この関連性を調査した。方法
この前向き研究は、京都・亀岡市の65歳以上の高齢者4165人のデータを使用し、3軸加速度計(EW-NK52)を装着した。歩数は、4日以上にわたる加速度センサーのデータの1日平均値を用いて、四分位ごとに分類された。虚弱は、有効なKihon Checklistを用いて評価した。多変量Cox比例ハザード分析および制限付きスプラインモデルを用いて、死亡率と1日の歩数との関連を評価した。結果
第1、第2、第3、第4四分位群の1日の平均歩数は、それぞれ1786、3030、4452、7502歩であった。中央値3.38年(14,061人年)の追跡期間中に、合計113人の死亡が記録された。交絡因子で調整した結果、上位四分位は下位四分位よりも死亡率のハザード比(HR)が低かった(HR = 0.39, 95%信頼区間 = 0.18-0.85).虚弱状態による層別モデルでは、非虚弱者において死亡率のHRがプラトーになる1日の歩数の用量反応曲線は、1日あたり約5000~7000歩でした。一方、虚弱者では、1日あたり約5000歩以上で死亡率との逆相関を示した。結論
1日の歩数と死亡率の関係は、虚弱な人とそうでない人では異なり、虚弱な人が死亡率と逆相関を示すためには、虚弱でない人よりも多くの1日の歩数が必要であると考えられる。これらの知見は、今後の身体活動ガイドラインの作成に役立つと考えられる。
まとめ
体力レベルの低い高齢者は最低5,000歩で、6,000、7,000…と増やすほど死亡率が下がるという事が分かりました。特に歩数を含めた1日の身体活動量が少ない高齢者は、歩数を増やすほど良さそうです。
体力レベルが低くはない高齢者も7,000歩を目標に日々のスケジュールにウォーキングを組み込むと良いでしょう。
高齢ではない成人の方は1日8000歩を超えれるように生活習慣を変化させ、将来的な病気のリスクを下げると良いですね。
参考文献
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パーソナルトレーナー 井上大輔
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