EMS(電気でピクピク)は筋肉に効くのか？
最近、テレビや雑誌などの広告でよく見かけるフィットネス機器があります。
コレです。
メーカーや商品名問わず、この手の商品が活況を呈しています。
仕組み・理論は簡単にいうとこうです↓
筋肉は脳からの電気信号によって収縮します。
脳からの指令(電気信号)に加えて外部(EMS)からの電気信号でそれを増幅させ筋出力を高める、といった感じの理論です。
一般の方はこれを付けて過ごせば筋肉が鍛えられると考えている方もいるようです。
実際のところはどうなのでしょうか？
研究
以下の文献を読んでみましたが、確かにEMSを用いた成果が出ています。
この研究では、
- EMS /週5回8週間
- 何もしない(対照群)
の2グループで筋力・筋持久力・周径囲を調べています。
結果
- 腹筋力が58％増加したのに対し、対照群では変化がなかった。
- 腹部持久力についても、刺激群では100％向上したのに対し、対照群では28％向上した。
- ウエスト周囲径は、刺激群で3.5cm減少したのに対し、対照群では有意な変化がなかった。
- 刺激グループの24人の被験者全員が、自分の腹部がより「引き締まった」「引き締まった」と感じ、13/24人（54％）が刺激の結果、姿勢が良くなったと感じた。
- 対照群の被験者には、これらのパラメーターの変化を報告した者はいなかった。
- 体重、BMI、皮膚肥厚については、いずれのグループでも研究期間中に有意な差は見られなかった。
- 本研究で使用したNMESは、腹部領域の筋力と持久力、および被験者が認識する中腹部の形と満足度に有意な改善をもたらした。
参考文献の中にも書いてありますが、EMS機器の性能によって効果があるもの無いものがあるようです。いろいろなメーカーがEMS商品を出していますが、この点は注意して商品を選ばなければなりません。
あと、ポイントになるのが『許容できる最大の刺激を与えること』だそうで、上記の被験者はそのように支持されてEMSを行なっています。弱い刺激だと効果は期待できないです。
国際宇宙ステーションに長期滞在する宇宙飛行士の筋骨格系廃用性萎縮へのハイブリッド訓練法の効果では、利き腕で無い方にEMSを付けて利き腕との差を調べるようです。これについては結果が載っていませんでした。(示唆するとは言っているが、従来のトレーニングと比較して効果があるかは定かではない)
しかし、利き腕で無い方はそもそも利き腕に対して筋肉量は少ないケースが多いので、成長率でいえば利き腕で無い方が有利です。この辺は宇宙空間での実験なので制約が色々あると思われます。
まとめ
まとめると、腹筋に対して筋力や筋持久力の向上、腹部引き締めの効果はあるようなので、資金に余裕があれば購入を検討しても良いかなとは思います。
ちなみに研究に使用された商品は今は名前が変わっている？ようなので、どれかわかりませんでした。”Slendertone FLEXTM”という商品でした。
健康を意識する人々は今後も増え続けていくと思います。EMSも利用しつつ、自分で身体を動かす機会を作りましょう。
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パーソナルトレーナー 井上大輔
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