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2022.10.07

高強度インターバルトレーニングの脂肪酸化に対する効果

数十秒のトレーニングを行い、その半分の時間の休憩を挟んだのちにまた数十秒のトレーニング→休憩…これを繰り返す事を『インターバルトレーニング』と言います。 最近は、インターバルトレーニングの中でも“高強度インターバルトレーニング(HIIT/ヒート,ヒット)”がよく書籍などでも紹介されるようになりました。HIITは全身運動の要素が高い筋トレと休憩を繰り返すのが特徴です。 HIITは高強度ゆえ、時間当たりの消費エネルギーがかなり高くなります。よって脂肪の燃焼に優れているとされています。 スプリントインターバルトレーニング(SIT)は走るインターバルトレーニングで、全力ダッシュと休憩...

2022.10.05

高齢者も有酸素運動より筋トレを優先すべき理由

心肺機能と筋肉量の低下は、いずれも加齢に伴うものであり、これらの低下はそれぞれ健康状態の悪化と関連しています。筋力トレーニングは、高齢者において筋肉量と機能を改善することは、以前から知られています。しかし、一般的に勧められている運動様式は有酸素運動です。 若年層における筋力トレーニングは心肺機能も改善することがわかっていますが、高齢者も同様に心肺機能が改善するなら高齢者集団の健康寿命もさらに延ばせる可能性があります。 有酸素運動よりも筋力トレーニングの方がトータルの恩恵が大きいなら、特に時間的制約(運動に割ける時間が少ないほど忙しい/運動をできるだけ効率よくして他の楽しみな...

2022.10.04

運動不足はCOVID-19の重症化リスクの高さと関連する

新型コロナウイルスについての詳しい情報は厚生労働省のHPをご確認ください。 新型コロナウイルス(COVID-19)が日本に上陸してから2年半ほどが経ちました。最近では、おそらくワクチンの普及やウイルスの変異(弱毒化?)により重症化率が低下しています。 国民の新型コロナウイルスに対する警戒感も緩和しているように感じます。ニュースで話題になる事も少なくなりました。 とはいえ、自己防衛のために基本的な感染予防対策(手洗い・うがい・換気)はできる限り行っていきたいですね。ウイルスはCOVID-19だけではありませんから。 運動とCOVID-19の重症化リスクを調査した研...

2022.09.30

健康のための毛細血管新生–トレーニング強度と持続時間の効果

骨格筋の毛細管形成は、骨格筋における酸素や栄養の供給、代謝物の除去の中心的な決定要因であり、健康および運動パフォーマンスにとって重要な意味をもっています。筋毛細管形成はインスリン感受性に必須であり、全身最大酸素摂取量および限界出力(筋代謝の恒常性が徐々に失われる生理的限界)と関係があるように思われます。 したがって、筋の毛細管が増加することは、健康と運動パフォーマンスの両方にとって有利であると考えられています。 身体活動のレベルは、筋毛細血管形成に影響を与えます。座りがちな生活、固定された状態、ベッドでの安静は、全てではないが、いくつかの研究で毛細血管網の退行性変化と関連しています...

2022.09.29

体重減少による代謝の変化–ダイエットはゆっくりやりましょう

少し長めの記事なので、先にこの記事のポイントを挙げておきます。 1日の総エネルギー消費量は、①安静時基礎代謝量、②非安静時基礎代謝量で構成される。 ②非安静時基礎代謝量は(日常的身体活動・運動・食物の消化)で構成される。 ①安静時基礎代謝量は1日の消費量の70%を占める 日常の身体活動は仕事内容によるが15〜50%、食物の消化は10%、運動は5〜10%、を占める。 緩やかな体重減少率は、脂肪と体脂肪率の大きな減少、および安静時エネルギー代謝の維持と関連している。 タンパク質摂取量は、過体重および肥満の人は、1.2~1.5g/kg/日が脂肪減少を最大化...

2022.09.28

体脂肪を燃やす有酸素運動

今回は体脂肪を燃やすのに効果的な有酸素運動のことについて話します。 先ず、体脂肪を落とすのには走らないと!と、いうのは間違いです。筋トレをしても体脂肪は落ちます。 有酸素運動で体脂肪を落とすことはあくまでも方法の1つに過ぎません。一般のお客様はイメージが湧かないかもしれませんが、指導者なら誰しもが知っているかと思います。 そのことを踏まえた上でどのように有酸素運動を取り入れるのが効率的かをお伝えしていきます。 有酸素運動とは 「好気的代謝によってヘモグロビンを得るため長時間継続可能な軽度または中程度の負荷の運動をいう」 と、定義付けされています。要するに、有酸素運動...

2022.09.18

腸内細菌叢についてまとめ–現在分かっていること

近年、腸内細菌叢(Intestine Flora/Gut Microbiota: GM)についての研究が盛んに行われています。文献数は2005年頃から増え始め、2019年から急激に増加しています。 これまで、栄養が身体に与える影響が注目されていましたが、腸内細菌も代謝や健康に大きな影響を与えているという証拠が見つかっており、それを解明しようと研究者たちが頑張っているわけです。 腸内細菌叢は、消化管に定着する微生物(細菌、古細菌、真菌、ウイルス)のコミュニティと定義されています。 腸内細菌叢の役割とその健康への影響、特に先進国で心血管事故のリスクを高め、その結果死亡者数を増やし...

2022.09.14

肥満症における運動-健康テクノロジーの役割

過去50年間、個人が消費する食品(特に加工食品と超加工食品)の特性と量、および個人が行う身体活動(PA)量に大きな変化があり、それが継続していることが知られています。 カロリー過剰・高エネルギー食品の消費によるエネルギー摂取量と、身体活動量の増加によるエネルギー消費量の慢性的なミスマッチが、現在の肥満の流行の根底にあります。 不十分な身体活動は、職場、家庭、交通機関、余暇での身体活動を含め、少なくとも150分の中強度または75分の強度の身体活動/週、またはその2つの同等の組み合わせを実施していないと定義します。不十分な身体活動量の有病率は、高所得国で最も高く、継続的に増加しており、...

2022.09.13

サーフィンのパフォーマンス分析–現在分かっていること

日本でのサーフィン人口は40万人程度で減少傾向にあります。(人口が減少している国なのでどのスポーツもそうなのですが…) 一方で、世界のサーフィン 世界でサーフィンを楽しんでいる国は、ISA(国際サーフィン連盟)加盟国の40ケ国とそれ以外の国々も合わせて、3,000万人近い人々がサーフィンを楽しんでいると言われています。 サーフィンのプロフェッショナリズムがますます高まり、世界的に成長する中、評価とコンディショニングの実践について、コーチや実務家を支援する研究は、現在ほとんどありません。 実際、サーフィンのパフォーマンスを分析する研究は、今日まで、競技中、トレーニング中、レクリ...

2022.09.10

高齢者が筋トレしない理由と参加への提案

筋力トレーニングの重要でポジティブな利点は専門家にはよく知られていますが、一般集団全体での参加と継続は依然として低いままです。 日本におけるフィットネス参加率は2018年で3.33%で、2014年の3.3%からほぼ変わっていません。更にこの参加者がスタジオや有酸素運動などに分散するため、純粋に筋力トレーニングに励む人は更に少なくなります。ちなみに2018年の米国のフィットネス参加率は20.3%、カナダ15.5%、英国14.8%、ブラジル4.6%などで、日本は参加率は低い方です。 特に高齢の世代ほど筋力トレーニングを行っていない傾向が高いかもしれません。実際、私がフィットネスクラブで...

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