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2022.08.19

野球ピッチャーの肘・肩の障害予防-球数制限

夏の甲子園が開催されています。現在の高校野球で、必ずと言っていいほど話題になる『球数制限』があります。 球数制限ですが、これは投手の怪我を予防するための措置という考えのもと検討・導入されています。しかし、現在の高校野球における球数制限は『1人の投手が投球できる総数は1週間500球以内とする』となっており、実態は制限があってないようなものです。 では、どのくらいの球数なら障害を予防できる確率が高いのでしょうか。 野球の投手における投球負荷モニタリング考察 高校野球では、肩と肘の怪我が全ての怪我の63%を占め、投手は他ポジションプレイヤーよりも上肢の怪我のリスク...

2022.08.18

男子アマチュアサッカー選手の傷害予防プログラムへの参加

試合中あるいは練習中の怪我の予防のために、(プロアマ問わず)アスリートはトレーニングを行う必要があります。これは高いパフォーマンスの維持や、怪我による短〜長期の離脱を回避するためにも必要と考えられます。しかし、サッカーにおける傷害予防プログラムの実施は、依然として困難ということが知られています。 今回は男子サッカー選手に絞って、研究を通じてこの問題を考えてみます。対象の選手は以下の通りでした。 オランダのトップクラスのアマチュアシーズンに出場している成人男性サッカー選手 98名の選手が対象(平均年齢:24.6歳、平均サッカー経験:18.5年) 傷害予防運動プログラム...

2022.08.17

スポーツマッサージがパフォーマンスと回復に及ぼす効果

マッサージはエリートスポーツではどこでも行われており、アマチュアスポーツやスポーツをしていない人にとっても一般的になってきていますが、この介入に関するエビデンスは体系的に検討されたことはありません。 過去の研究により既に知られていることとしては 小規模なメタアナリシスでは、マッサージはパフォーマンスの回復にわずかで一貫性のない改善を与える。 小規模なメタアナリシスでは、マッサージは痛みや遅発性筋肉痛(DOMS)に有意な改善を与えない。 研究では、マッサージの柔軟性への効果は一貫していないことが示された。 そこで今回は、スポーツパフォーマンスおよび回復の指標に対...

2022.08.14

地中海食と2型糖尿病及び肥満との関係

“地中海食は,低脂肪食を含む対照食と比較して,良好な血糖コントロールと心血管リスク因子と関連しており,2型糖尿病の総合的な管理に適していることが示唆されています。”このように、地中海食が健康やダイエット、糖尿病などに有効という情報をよく見かけると思います。 今回は、①地中海食がどのようなものか?、②果たして健康に対しての恩恵があるのか?を探ってみたいと思います。 糖尿病疫学の背景 現在、世界的な糖尿病の人口は以下のようになっています。 世界の糖尿病人口は5億3,700万人。成人の10人に1人(10.5%)が糖尿病に罹患している。 世界の糖尿病人口は、2030年...

2022.08.12

柔軟性向上には筋トレかストレッチか?

柔軟性を向上させたいと考えたときに、「(静的)ストレッチしよう」と考えるのは一般的な考えだと思います。 柔軟性を上げたい→「筋トレしよう」と考える人は少数派でしょう。なぜなら、筋トレをすると柔軟性が向上するということを知っている人がそもそも少ないからです。逆に、筋トレによって可動域が減少しそう...と考えている人はチラホラいます。 今回は、柔軟性向上には「ストレッチ vs 筋トレ」で解説します。 静的ストレッチの効果 筋肉を伸ばして、気持ちの良い所で静止して30秒程度保持するのを静的ストレッチと言います。これは皆さんが「ストレッチ」と聞いて、一般的に思い浮かべるストレッチのやり...

2022.08.11

トランスジェンダー女性のホルモン移行と身体組成などの変化

現在、スポーツ界では、アマチュアレベルからエリートレベルまで、スポーツ競技にトランスジェンダーをどのように含めるかという課題に直面しています。 現在までにトランスジェンダーの選手がオリンピックに出場したことはありませんが、社会における性別の多様性を持つ人々の認知度が高まっているため、スポーツの管理者や立法者は、性別の二元論から外れたアスリートを受け入れるためのルールを作成しなければなりません。 男性アスリートと女性アスリートの間には、パフォーマンスに関する定量的な差が多く存在します。これに対して、性別適合ホルモン治療(GAHT)を受けたトランス女性とシスジェンダー女性との間のパフォ...

2022.08.10

筋肉がつる事への対処法はあるのか

夏の甲子園が行われており、中継を観ていて「選手の足がつる」シーンをよく見かけました。1試合の中で何人か発生したときもあったし、何試合か連続して誰かしらが発生する事もありました。 足に限らず、この筋肉がつる現象を「筋痙攣」といいます。久しぶりにこのテーマについて調べたので、現状で分かっていることを書いていきます。 筋痙攣とは 筋痙攣は、一時的ではあるが激しい痛みを伴う骨格筋の不随意収縮で、様々な状況下で発生する可能性があります。例えば、前述の野球プレー中など運動中に発生したり、寝ている時にいきなりつったり、変な体勢をとったときにつったり、様々なケースで突然起こります。 その中でも...

2022.08.07

性差による筋トレ効果の違い

男性と女性の身体つきを比べると、筋肉量は男性の方が多いことは誰がみても分かります。 これは、ホルモンの違いによるところが大きいとされています。女性は、男性ホルモン等、筋肉をつけたりするのに有利なホルモンがあまり分泌されないからです。または、生活習慣の違いもあると言われています。(スポーツへの参加や力仕事など) 一方で、条件を色々揃えて研究を(トレーニングをさせる)すると、筋肥大の効果は両者で同じともされています。 これらのことから、トレーニングによる効果は男女で違いがあるのか?についてはまだハッキリと結論が出ていません。この問題について、2020年の段階で一度まとめられたもの...

2022.08.01

サルコペニアの予防と改善のための運動と栄養

『サルコペニア』という問題がここ10年ほど、活発に議論と研究がなされています。 今回は、サルコペニアがどんなものか説明した後、その予防や対策方法を紹介します。サルコペニアの対策を知っていれば将来の不安を和らげることができるのではないかと考えています。※まだ”コレだ!”という明確な方法は見つかっていないので現在わかっている中での紹介です。 サルコペニアとは まず、サルコペニアの見た目の特徴を誤解を恐れず、一般の方にもわかりやすく簡単に説明すると『筋肉が無いとハッキリわかるほど細く、歩行速度が遅く、虚弱に見える』といった感じです。以下、詳しく述べていきます。 ”サルコペニア...

2022.07.30

筋力トレーニングは血圧を改善する

高血圧や高血圧ではないが血圧が高めですという人は多くいます。高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因です。 2017年の調査で、高血圧の患者数は993万人、年間医療費は1兆7900億円となっています。日本生活習慣病予防協会 高血圧は症状として現れることはほぼ無いですし、薬を飲めば血圧は下がるので改めて改善しようという動きをする人はそこまで多くないと思われます。一方で、中高年〜高齢者の悩みの1位を占めるのが高血圧です。 (年代別・世代別の課題)こちらの表を見ると40歳以上で高血圧を認識する人が増えることがわかります。その後、恒例になるまでず...

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