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  • 2023.03.02

筋トレと有酸素運動の併用は健康上さらなる利益を得る事が出来る

有酸素運動は一貫して死亡率の低下と関連していることが示されていますが、筋力トレーニングの単独行動および中程度から活発な身体活動(MVPA)との死亡率結果に対する関係についてはあまり理解されていません。

今回は、有酸素運動(中強度の身体活動)と筋力トレーニングの両方を十分に実施した場合の健康上の恩恵を確認してみたいと思います。

方法

前立腺がん、肺がん、大腸がん、卵巣がんスクリーニング試験において、Cox比例ハザード回帰を用いて、人口統計学、ライフスタイル、行動上の危険因子を調整し、ウェイトリフティングと死亡率の関連についてのハザード比(HR)と95%CIを算出する。サンプルは、ウェイトリフティングを評価する追跡調査アンケートに回答した成人のうち、その後2016年まで追跡調査を行い死亡率を決定した99 713人(中央値9、IQR7.6~10.6年)であった。

結果

追跡質問票時の平均年齢は71.3歳(IQR 66-76)、女性52.6%、平均肥満度27.8(SD 4.9)kg/m2であった。※米国の10の異なる癌センターで、介入スクリーニング群と対照群に無作為に割り付けられた55-74歳の男女154,897人が参加しています。

ウェイトリフティングは、中強度の身体活動後の全死因死亡率(HR=0.91(95% CI 0.88~0.94)) および心血管疾患死亡率(0.91(95% CI 0.86~0.97) )の9%低いリスクと関連していた。

共同モデルにより、有酸素性運動の推奨値を満たしているがウェイトリフティングをしない成人は、有酸素性運動もウェイトリフティングもしないと報告した成人と比較して、全死亡リスクが32%低い。

ウェイトリフティングも週1~2回行うと報告した人は、リスクが41%低く、いずれも全死因リスクが低くなったことが示された。

ウェイトリフティング単体では、がん死亡率の低下と関連していた。

結論

ウェイトリフティングと中強度身体活動は、全死因および心血管疾患死亡率のリスク低下と関連していたが、がん死亡率とは関連していなかった。両方のタイプの推奨運動量を満たしている成人は、さらなる利益を得ることができるようであった。

※ここでいうウエイトリフティングは、競技のウエイトリフティングではなく、ダンベルやバーベルといった重りを持ち挙げる様式の筋力トレーニングを指します。

まとめ

筋力トレーニング実施の増加と、全死亡、心血管疾患、がん死亡のリスク低下との間に逆相関があることが明らかになりました。つまり、筋力トレーニングを実施するほど、上記のリスクが減るということです。

高齢者における筋力トレーニングは、全死因および心血管疾患死亡率の低下と独立して関連していました。

有酸素性活動をしないと報告した成人では、いかなる筋力トレーニングも全死因死亡率の9~22%低下と関連していました。

全死因死亡率の低下は、有酸素運動またはウェイトリフティングのいずれかを行っている高齢者で観察されましたが、死亡リスクが最も低かったのは、両方の種類の運動を報告している成人でした。したがって、出来る限り中強度の有酸素運動と筋力トレーングを両方実施出来るように生活に組み込んでいく事が望まれます。

どちらか単体だけでも効果は得られますが、時間が限られている場合は筋力トレーニングを週2回以上行うのが良いのではないかと考えられます。

健康を維持増進する為に、トレーニングの機会を設けましょう。


参考文献

Independent and joint associations of weightlifting and aerobic activity with all-cause, cardiovascular disease and cancer mortality in the Prostate, Lung, Colorectal and Ovarian Cancer Screening Trial

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