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  • 2022.07.28

筋トレは脳卒中のリハビリテーションとして必要


脳血管障害(脳卒中)には、脳の血管が詰まる脳梗塞と脳の血管が破れる脳出血、くも膜下出血があります。いずれも高血圧が最大の原因です。

高血圧が長く続くと、動脈硬化が進行し、やがて脳の血管が詰まって脳梗塞になります。高血圧の程度が強い場合、脳の血管が破れて脳出血になったり、また脳の血管の一部分に動脈瘤ができて破裂してくも膜下出血になります。これらの病気を脳血管障害(脳卒中)といいます。(1)

脳卒中の患者数推移を見てみると徐々に減少傾向にはあるようです。(2)

医学・医療の進歩で死因の4位(令和2年度)となりましたが… 人生100年の時代となり、健康寿命を損ねる(寝たきり・要介護) 原因第1位の病気となっています。

一度発症すると大変なので、予防が大切です。

脳卒中の予防

脳卒中を予防するために、原因になる病気にならないよう生活習慣を修正する必要があります。

肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、多量の飲酒などです。(3)

とくに肥満になると、→高血圧→高血糖・脂質異常→脳卒中と繋がりやすくなります。肥満はさまざまな病気のトリガーになるので、普段から食事と運動のバランスを保っておく必要があると考えられます。

筋トレは脳卒中のリハビリテーションに使える

脳卒中のリハビリは急性期、回復期、生活期と段階があります。

回復期は発症から大体3〜6ヶ月の期間にあたります。回復期以降は有酸素運動や筋力増強トレーニングが強く推奨されています。

ここで、筋トレが脳卒中の回復に対する効果を確認してみたいと思います。

方法:脳卒中のリハビリテーションにおいて、(i)レジスタンストレーニングと介入なし、(ii)レジスタンストレーニングと他の介入、(iii)異なるレジスタンストレーニングプロトコルを比較した無作為化対照試験を対象とした。

結果:30の試験(n = 1051)が登録された。評価されたパラメータは以下の通り。(1)歩行、(2)筋力と運動機能、(3)移動性、バランスと姿勢制御、(4)健康関連QOL、自立と社会復帰、(5)痙性と過緊張、(6)心肺フィットネス、(7)認知能力と感情状態、(8)その他の健康関連生理指標であった。
データは次のことを示しています。

(i)レジスタンストレーニングは観察されたパラメータの大部分に有益である、(ii)レジスタンストレーニングは、下肢と上肢の筋力と運動機能、健康関連QOL、自立と社会復帰、その他の健康関連生理指標において他の療法より優れている、歩行能力、移動バランスと姿勢制御、痙性と高血圧については他の療法と有意差がない、心肺強度についてはエルゴメータートレーニングより劣る、 (iii) レジスタンストレーニングプロトコルの種類がその効果を大きく左右する。

レッグプレスは膝伸展より効率的であり、高強度トレーニングは低強度トレーニングより優れている。

結論:現在のデータでは、レジスタンストレーニングは脳卒中患者の回復をサポートするのに有益である可能性があることが示されている。しかし,現在のエビデンスは,エビデンスに基づくリハビリテーションには不十分である。(4)

レジスタンストレーニングとは、自重・ダンベル・バーベル・マシンなどを使用した一般的な筋トレです。

筋トレは脳卒中のリハビリテーションとしてはかなり有益のようです。高強度で実施できるほどより効果は高いようなので、クライアントの状態を観察しながら、許容できる範囲で負荷をかけた方が効率が良いでしょう。

逆に心肺機能についてはエルゴメーター(自転車の機器)より劣るとのことで、筋トレと有酸素運動を同時進行で取り組む必要があります。エルゴメーターが無い場合は、サーキットトレーニングで代用するのも検討して良さそうです。

まとめ

以上、筋トレは脳卒中のリハビリに必要だということがわかりました。

脳卒中の急性期、回復期の患者さんがフィットネスクラブでリハビリをすることはほぼ無いでしょうが、生活期以降はリハビリのためにフィットネスクラブに通う患者さんも居ると思います。

フィットネス業界側の人間としてもこうしたケースに対応できるように情報を整理しておくのは大事だなと思って、今回は脳卒中と筋トレについて調べてみました。患者さんの状態にもよりますが、なんとなくのイメージトレーニングは出来たので良かったと思います。

予防も含めてサポートができるよう、今後も定期的に情報を整理していきます。


参考文献

(1)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html

(2)https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/18/backdata/01-01-02-04.html

(3)https://www.jsts.gr.jp/common/asset/pdf/onset.pdf

(4)Resistance training in stroke rehabilitation: systematic review and meta-analysis

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