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  • 2025.09.02

ホエイプロテイン:摂取タイミングの効果の差

タンパク質とタイミングの重要性

タンパク質は、筋肉の成長や強さを支える重要な栄養素です。

特に、運動をする人々にとっては、摂取するタイミングが筋肉の肥大や筋力の向上に影響を与える可能性が指摘されています。

これらの文献を統合すると、筋トレやそのほかの運動と組み合わせたタンパク質の摂取タイミングが、体の変化にどのように関わるかを明らかにできます。

まず、基本的な背景として、筋肉は運動によって刺激を受け、タンパク質を合成して成長します。

このプロセスを効率的に進めるために、タイミングが鍵となります。

今回はいくつかの研究結果を踏まえて、プロテインの摂取タイミングによって筋肥大や筋力向上に差が出るかどうかを確認し、

プロテインはいつ飲むのが良いのかを解説します。

タイミング別の効果と科学的根拠

これらの文献から、タンパク質の摂取タイミングは、運動との関係で特に重要であることがわかります。

2023年の研究によると、運動後の摂取が筋肉量の増加に最も効果的としています。

具体的に、除脂肪量が0.54kg増加し、骨格きん量が0.34kg向上するという結果が出ています。

これは、運動直後のアナボリックウィンドウと呼ばれる期間に、タンパク質が効率的に筋肉合成を促進するためです。

また、夜の摂取は筋力の向上に優れており、握力が2.85kg、レッグプレスの強さが12.12kg増加するという結果が得られております。

これにより、プロテイン摂取のタイミングが、筋肉量と筋力それぞれに影響する可能性が示されています。

2025年8月の最新の研究では、運動直後のプロテイン摂取で筋肉タンパク質合成率が1.3から1.6倍に上昇し、多セットの筋力トレーニングの45分前に摂取すると最大2.5倍になることを指摘しています。

さらに、用量として20から40gが最適で、タンパク質キナーゼBなどの経路を活性化し、合成を1から2時間持続させます。ただし、4から5時間後には活性が低下します。

これらを統合すると、運動前や直後が合成を即座に高め、特に運動前の摂取が非常に効果的であると考えられます。

摂取すると合成時間を引き延ばせるため、夜の摂取は就寝中の合成を高める機能があります。

一方、こちらの2025年8月の研究は、アスリートの体組成操作の推奨をまとめ、タンパク質摂取を個別化し、健康を優先するようアドバイスしています。

タンパク質摂取回数の推奨はさまざまで、最適なパターンは1日あたり3〜6回、3〜5時間間隔の範囲であるようです。

トレーニングの前後、特にトレーニング後のタンパク質摂取を推奨。

就寝前のタンパク質摂取も推奨されています。

全体的な食事方針として、カロリー調整と最低エネルギー量を確保し、サプリメントを過度に頼らない点を強調します。

これにより、タイミングの効果を安全に活用するための枠組みを提供しています。

全体として、摂取タイミングは筋肥大には運動後が、筋力向上には夜就寝前が有利で、ホエイプロテインが肥大にも筋力アップにも効果的です。

運動1時間前にタンパク質を摂っておくのもかなり良いので、これは食事でカバーすると良いでしょう。

タイミングによる差と注意点

次に、摂取タイミングによって筋肥大や筋力向上に差が出るかどうかについて考えてみます。

これらの文献を統合すると、はい、差はあります。

2023年の分析では、運動後のタイミングが筋肉量の増加に明確な優位性を示し、夜間が筋力の向上に特化しています。

これは、運動直後の合成期間がキン肥大を促進し、睡眠中の回復期が筋力を強化するためです。

2025年もこれを支持し、運動前の45分摂取が合成率を最大化しますが、タイミングを誤ると効果が薄れる可能性を指摘しています。

例えば、運動から時間が経過するほど、合成経路の活性化が減少します。

差が出る理由は、体の生理的リズムにあります。

運動後すぐに摂取すると、損傷した筋肉に素早く栄養を届け、合成を加速します。

一方、夜間は成長ホルモンの分泌が活発で、長期的な筋力向上に寄与します。

注意すべき点として、まず、過度な摂取を避けます。

10から60gの範囲で用量依存ですが、20から40gを超えると効果が頭打ちになる場合があります。

したがって、1回30gの摂取を目安に粉の量を調整すると良いでしょう。

また、1日のエネルギー摂取量を除脂肪量1キロあたり30kcal以下にしないよう気をつけます。

これを下回ると、つまり筋肉量が減少してしまうリスクがあり、健康に影響します。

アレルギーや消化を考慮し、可能であればホエイプロテインが最も推奨されます。

これはホエイプロテインが十分に研究されているからなので、アレルギーやお腹を下すという人は大豆プロテインでも効果はほぼ同じだと考えられます。

過去の研究を眺めているとそういった印象を受けています。

最後に、タイミングを厳密に守るより、全体的な食事バランスを優先します。

毎食30から40グラムのタンパク質を取り入れ、あとはご自身のトレーニングスケジュールや目的に応じて、

トレーニング直後のプロテイン(主に肥大)なのか、寝る前のプロテイン(筋力UP)なのかを判断すると良いです。

差はありますが、無理なサプリメントスケジュールでストレスを溜めないようにしましょう。

まとめ

まとめると、プロテインの摂取タイミングは、筋肥大と筋力向上に明確な差を生み、運動前後や夜間が効果的な選択肢です。

これらの文献を統合した結果、運動直後が筋肉量を効率的に増やし、夜間が筋力UPを支えることがわかりました。

プロテインだけを活用する人はとりあえず、その2点のみ意識していれば問題ありません。

ただし、これは食事でのタンパク質をちゃんと摂れていることが前提で、食事からのタンパク質が少ない場合は、運動直後よりも運動前のプロテイン摂取の方が良いです。

加えて、必須アミノ酸を利用する人もいると思いますが、この場合、運動前にプロテイン、運動直後に必須アミノ酸、寝る前にプロテイン、といったスケジュールが良いでしょう。

日常の運動生活でこれらを活用し、持続可能な体づくりを目指してください。


参考文献

レジスタンストレーニングを受けている成人の筋肉量、筋力、身体能力の向上に対するタンパク質補給のタイミングと種類の影響:ネットワークメタ分析

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38039960/

健康な成人における筋肉タンパク質合成とAKT/mTOR経路に関する運動と組み合わせたホエイプロテインサプリメント:系統的レビューとメタ分析

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40871607/

男性と女性のアスリートの体重と組成の操作のための食事の推奨事項:国際専門家グループからのコンセンサスステートメント、ポジションスタンド、および実践ガイドラインのスコープレビュー

https://link.springer.com/article/10.1007/s40279-025-02285-4

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