嗜好品のメリット・デメリット。アルコール・コーヒーなど
アルコールやタバコ、お菓子やジュースなど、世の中には様々な嗜好品があります。
これらを完全にゼロにしているならそれは素晴らしいことですが、殆どの人は何かしらの嗜好品と付き合いながら生活をしていると思います。
私はタバコこそしないですが、それ以外のものはどっぷり浸からない程度に楽しんでいます。
今回は、様々な嗜好品がフィットネスや健康にどう影響するか、エビデンスをまとめました。内容的にはよく聞くものもあると思いますが、改めて情報を整理するためにご覧いただければと思います。
今回まとめたのは以下の嗜好品についてです。
- タバコ
- アルコール
- コーヒー/ココア
- お茶(緑茶・紅茶など)
- 清涼飲料水/ジュース
- お菓子
- 香辛料
それでは一つずつ、良い悪いについて述べていきたいと思います。
タバコ
・良い影響
タバコの喫煙は基本的に健康に悪影響を及ぼすものです。なので良いことは一つもありません。
禁煙後影響について簡単に解説します。
ニコチン離脱効果として、中長期的に運動パフォーマンスや身体能力が向上する可能性が示されています。
具体的に、3ヶ月以上の禁煙期間では、持久力や筋力の改善が観察され、運動関連の身体能力やスポーツパフォーマンスが有意に向上します。
これは、喫煙による酸素供給の低下が解消され、心肺機能が回復するためです。
また、禁煙後の炎症マーカーの減少が、全体的な健康パラメータを改善し、長期的に疾患リスクを低減する効果も期待されます。
さらに、禁煙後の体重管理がしやすくなり、体組成の改善(脂肪減少、筋肉維持)につながる場合もありますが、これは個人差が大きいです。
RCTでは、禁煙プログラムと運動を組み合わせた介入で、筋力向上と心血管健康の向上が報告されています。
・ 悪い影響
タバコ喫煙は筋骨格系の健康に深刻な悪影響を及ぼします。
筋肉タンパク質合成を阻害し、筋力低下や筋肉萎縮を引き起こすため、運動パフォーマンスが低下します。
具体的には、喫煙者は非喫煙者に比べて筋力が10から20%低下し、持久力が損なわれます。
体組成では、脂肪組織の割合が増加し、生物学的年齢が加速するため、肥満リスクが高まります。
また、心肺機能の低下により、運動中の酸素利用効率が悪化し、筋肉損傷が増大します。
健康パラメータでは、炎症マーカー(CRPなど)の増加、酸化ストレスの上昇が観察され、心血管疾患や呼吸器疾患の発症リスクを有意に高めます。
メタアナリシスでは、喫煙が骨密度低下や関節炎のリスクを増加させ、全体的な身体フィットネスを低下させるエビデンスが蓄積されています。
慢性疾患として、がんや慢性閉塞性肺疾患のリスクが増大し、喫煙量が多いほどこれらの悪影響が強まる傾向があります。
受動喫煙でも筋力低下が関連し、全体的な生活の質を低下させるため、周りにいる非喫煙者の健康も損ないます。
タバコの健康効果は明白ですが、辞めたい人は専門家に相談して頑張りましょう。
アルコール
・良い影響
適度なアルコール摂取、例えばビールやエタノールの少量(1-2単位/日)は、特定の条件下では運動パフォーマンスに悪影響を及ぼさない場合があります。
ここでの少量とは、厚生労働省の基準に基けば、ビールでいうと350ml缶1本、日本酒でいえば0.5合です。500mlや1合は少量ではなくなります。
少量であれば10週間の高強度インターバルトレーニング後のフィットネスに影響せず、回復パラメータも安定しています。
これは、適度な摂取がストレス軽減やリラクゼーション効果をもたらすためです。
メタアナリシスでは、運動後の適量アルコールが筋回復を妨げないエビデンスがあり、特にビールのような低アルコール飲料で観察されます。
また、赤ワインなどのポリフェノール含有アルコールは、抗酸化作用で軽度の心血管保護効果を示す可能性がありますが、これはアルコールによる利益ではなく、ポリフェノール等の成分によるものです。
RCTでは、適量摂取がサルコペニアリスクを増加させない場合も報告されています。
・悪い影響
過度のアルコール消費は筋力を減少させます。
体組成では脂肪蓄積を促進し、筋肉量減少を引き起こします。
高齢者では、糖尿病患者の筋肉量と握力低下が強く関連します。
健康パラメータでは、インスリン抵抗性や膵β細胞機能低下を招き、2型糖尿病、心血管疾患リスクを高めます。
運動後の回復を妨げ、酸化ストレスや炎症を悪化させ、持久力や筋力を損ないます。
メタアナリシスでは、アルコールが体重増加や身体活動レベルの低下を招き、全体的なフィットネスを低下させるエビデンスが豊富です。
慢性摂取は肝機能障害や神経系への影響も加わり、運動意欲の低下を招きます。
女性や高齢者で特に悪影響が顕著です。
アルコールも百害あって一利なしです。
コーヒー・ココア
・良い影響
コーヒーやココアの摂取は、運動パフォーマンスを向上させ、耐久性や筋力出力(最大パワー出力)を小程度(2-4%)改善します。
これらはカフェインによる効果で、持久力向上や脂肪・炭水化物利用の変化が観察され、筋力の強化も可能です。
体組成では、心血管機能改善、酸化ストレス減少、炎症軽減がみられ、心血管疾患や2型糖尿病リスクを低減します。
ポリフェノールが抗酸化作用を発揮し、代謝マーカーを改善します。
メタアナリシスでは、コーヒー摂取が血圧や血糖コントロールを助け、全体的な健康パラメータを向上させるエビデンスが確認されています。
ココアのフラバノールは精神疲労を軽減し、認知機能も向上。
日常摂取で体重管理がしやすくなります。
RCTでは、急性摂取が心保護効果を示すため、実感はありませんが、飲んですぐに効果を得られます。
・悪い影響
ありません。過剰摂取でカフェイン関連の不眠や不安が生じる可能性はありますが、信頼性の高いエビデンスでは悪影響は確認されていません。
400mg以下の摂取であれば安全で健康被害はなく、加えてパフォーマンスの向上が期待できる可能性が高いです。
コーヒー500mlでカフェイン300mgなので、普通に生活しているぶんには、心配する必要はありません。
朝、1杯のコーヒーやココアは習慣にしても良いと思います。
お茶(緑茶・紅茶など)
・良い影響
緑茶や紅茶の摂取は、運動回復を促進し、酸化ストレス、炎症、筋損傷を減少させます。
体重減少効果があり、体組成(BMI、体脂肪率)を改善し、最大酸素摂取量を向上させます。
心代謝リスク因子(血圧、血中脂質)を低減し、全死亡リスクやがん関連死亡を減少させます。
ポリフェノール(カテキン)による抗酸化作用が健康パラメータを向上させ、運動効率を高めます。
メタアナリシスでは、緑茶抽出物が体質量、BMI、脂肪率を有意に低下させ、酸化ストレスマーカーを減少させます。
紅茶も同様に体脂肪分布を改善します。
運動と組み合わせると効果が増大し、肥満予防に寄与します。
日常摂取が代謝を活性化します。
・悪い影響
ありません。
過剰摂取でカフェインの副作用が出る可能性はありますが、悪影響のエビデンスは乏しいです。
緑茶のカフェイン量はコーヒーの3分の1程度なので、ほとんど心配はいりません。
日中、普段の飲み物はお茶にすると良いでしょう。(もしくは水)
清涼飲料水・ジュース
・良い影響
ありません。
スポーツドリンクのような特殊なものは運動中の水分補給に役立つ場合がありますが、一般的な糖入り清涼飲料水では肯定的エビデンスがありません。
ただ、マラソンや長時間のスポーツの練習でないかぎり、スポーツドリンクは一般の人にとって、たとえ運動中でも砂糖入り飲料と変わりません。
ジムでの運動、屋外での30分から1時間程度の運動であれば水やお茶で問題ありません。
スポーツドリンクは私たち一般人にとっては過剰なのです。
スポーツドリンクがフィットネス活動のパフォーマンスを高めてくれることもありません。
・悪い影響
糖入り飲料の摂取は肥満リスクを増加させ、体重増加、BMI上昇、体組成悪化を引き起こします。
心血管疾患や2型糖尿病などの心代謝疾患発症リスクを高め、インスリン抵抗性や脂質異常を促進します。
身体活動レベルに関わらず、心血管疾患リスクが増加します。
代替の人工甘味料飲料も一部で代謝リスクを高める可能性がありますが、糖入りよりは小さいです。
メタアナリシスでは、摂取量が増えるほど体重増加が顕著で、栄養摂取の質低下も起こります。
すなわち糖ばかり増えて、肝心の糖を分解するためのビタミンが不足します。
これにより運動パフォーマンスを低下させ、代謝、歯の健康や骨密度にも悪影響です。
日常生活および運動中は、水かお茶で良いです。
お菓子
・良い影響
ありません。
これも糖の過剰摂取につながり、効果としては清涼飲料水と同じです。
洋菓子になると脂質も過剰になる点がより悪いです。
・悪い影響
お菓子や甘いスナックの摂取は肥満リスクを増加させ、体組成を悪化させます(体重増加、体脂肪率上昇)。
心代謝疾患のリスクを高め、インスリン抵抗性や脂質異常を引き起こします。
スナック習慣が過体重・肥満の体組成変化に悪影響を及ぼします。
メタアナリシスでは、超加工食品摂取が体脂肪率を増加させ、運動パフォーマンスを低下させるエビデンスがあります。
清涼飲料水の項でも触れたように、糖質と脂質の摂取が増えるくせに、代謝に必要なビタミンが摂れないので代謝が低下するため、とくに運動後の摂取が回復を妨げ、疲れやすく、全体的な健康を損ないます。
ただ、幸福度は上がるので、食べるなら食事からの炭水化物と脂質を調整し、たまに楽しむ程度に付き合いましょう。
香辛料
・良い影響
香辛料(唐辛子、ウコン、ニンニク、シナモン)は運動パフォーマンスを向上させ、筋回復を促進し、炎症や酸化ストレスを減少させます。
筋力(1RM)を強化し、体組成を改善(肥満指標減少)。
心代謝リスクを低減し、血圧、脂質プロファイル、血糖コントロールを向上させます。
サルコペニアリスクを低下させます。
メタアナリシスでは、カプサイシンやクルクミンが持久力向上と脂肪代謝を促進し、心血管健康を改善するエビデンスが豊富です。
抗炎症作用で回復が速く、日常摂取で代謝症候群予防に効果的です。
運動と組み合わせると相乗効果が期待されます。
・悪い影響
なし。
過剰摂取で胃腸不調が出る可能性はありますが、悪影響のエビデンスは確認されていません。
これら香辛料をいくつかまとめて摂れる具体的な料理として、インドカレー、タイカレー、キムチチゲ、タジン鍋などが挙げられます。
◆まとめ
今回は嗜好品についてまとめました。
おおかたなんとなく知っていたものも多かったと思います。
ざっとまとめると、朝はコーヒーやココア、日中やトレーニング中はお茶か水を飲んで、
ランチはカレー、夜はキムチチゲやタジン鍋でタンパク質を摂りましょう。
休日は風呂上がりにビール1杯くらいなら楽しんでも良いかと思います。
参考文献
エルゴジェニックエイドとしてのスパイス:アスリートの運動能力、筋肉の回復、炎症への影響-系統的レビュー
2型糖尿病と心血管疾患に重点を置いたコーヒーの新たな健康上の利点
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