ゴルフ上達の最短ルートは筋トレ!飛距離と生涯現役を手に入れる科学的理由
皆さんは*「ゴルフに筋トレは必要ない」「筋肉をつけると体が硬くなってスイングの邪魔になる」*という古い常識を信じていませんか?
もしそう思っているなら、あなたは大きな飛距離アップのチャンスと、一生ゴルフを楽しむための健康を逃しているかもしれません。
今日は、スポーツ医学の世界的権威である『British Journal of Sports Medicine (BJSM)』の記事を紐解きながら、なぜ今、世界のトッププロたちがこぞってウェイトトレーニングに励んでいるのか、そしてなぜアマチュアゴルファーこそ筋トレをすべきなのかを解説します。
1. 世界の常識が変わった:飛ばすための「物理法則」
かつてゴルフはスキルだけのスポーツだと思われていましたが、現代のPGAツアーや欧州ツアーを見てください。タイガー・ウッズ以降、ブライソン・デシャンボーやローリー・マキロイなど、トップ選手はみな「アスリート」の体つきをしています。
BJSMの記事では、この変化について明確な科学的根拠(エビデンス)を示しています。
「クラブヘッドスピード」がスコアを支配する
現代ゴルフにおいて、*クラブヘッドスピード(CHS)は「聖杯(Holy Grail)」*と呼ばれています。研究データは以下の相関関係を明確に示しています。
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CHSが速い = 飛距離が出る
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飛距離が出る = 短い番手でグリーンを狙える
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短い番手で打てる = ピンに寄る確率が上がる(スコア向上・獲得賞金アップ)
では、どうすればCHSを上げられるのでしょうか?ここで高校物理の法則が登場します。
このニュートンの第2法則に基づくと、クラブを加速させる(速く振る)ためには、より大きな*「力(Force)」*を加える必要があります。
「地面反力」を使うための筋力
ゴルフスイングにおいて、力はどこから生まれるか?それは地面です。 足で地面を強く踏み込むことで得られるエネルギー(地面反力)が、下半身から体幹、そして腕、クラブへと伝わります。
つまり、「床を強く踏む筋力(スクワットやデッドリフトで鍛えられる力)」がなければ、スイングスピードの上限は頭打ちになるということです。技術練習だけでは補えない「出力の限界」を突破するのが、筋トレなのです。
2. アマチュアこそ必須!「怪我予防」という最大のメリット
「プロみたいに飛ばなくてもいいから、筋トレはちょっと…」 そう思う方にこそ伝えたい事実があります。それは、筋トレが*「怪我を防ぐための鎧(よろい)」*になるということです。
腰痛という天敵と戦う
ゴルフは一方向に体を激しく捻る、身体への負担が大きいスポーツです。特にアマチュアゴルファーの多くが「腰痛」に悩まされています。
適切な筋力トレーニングは以下の効果をもたらします。
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組織の耐性を高める: 筋肉や腱が強くなり、スイングの負荷に耐えられるようになる。
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スイングエラーの修正: 筋力不足による無理な代償動作(手打ちや過度なけぞり)が減り、フォームが安定する。
「痛くてゴルフができない」という悲劇を避けるために、トレーニングは最高の処方箋なのです。
3. ゴルフだけじゃない!「健康管理」としての最強の投資
ゴルフの素晴らしい点は、高齢になっても楽しめる「生涯スポーツ」であることです。しかし、それは*「動ける体」があってこそ*です。
ゴルフのための筋トレは、実はそのまま**「健康寿命を延ばすためのトレーニング」**になります。
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基礎代謝の向上: 太りにくい体を作り、生活習慣病を予防する。
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骨密度の維持: 骨粗鬆症のリスクを減らす。
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サルコペニア(加齢による筋減少)対策: いつまでも自分の足で歩き、力強くスイングできる。
「ゴルフが上手くなるためにジムに通っていたら、いつの間にか健康診断の結果も良くなっていた」。これがS&Cコーチとして私がクライアントに提供したい未来です。
まとめ:やらない理由が見当たらない
最新のスポーツ科学において、結論は出ています。
ゴルフの上達と長くプレーを続けるために、筋力トレーニングは不可欠である。
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飛距離が伸びる(科学的根拠あり)
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怪我をしにくくなる
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日常生活も健康になる
これだけのメリットがあって、やらない理由があるでしょうか? ボディビルダーのようなムキムキの体を目指す必要はありません。まずは週に1〜2回、自分の体重を支えるスクワットや、体幹トレーニングから始めてみませんか?
あなたのゴルフ人生は、筋肉とともに、もっと長く、もっと楽しくなるはずです。
参考文献
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- Youtubeチャンネルで運動・栄養・健康について様々な情報を発信しています
- 自宅でできるトレーニングシリーズ
- 筋トレビッグ3再考
- 筋力獲得の刺激
- ストレスマネジメントにおける運動の役割
- 減量ダイエット中のオメガ3脂肪酸補給の効果
- 睡眠障害を改善するための栄養戦略
- クレアチンのニッチな効果
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パーソナルトレーナー 井上大輔
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- PubMed/論文検索サイト
- NSCA/全米ストレングス&コンディショニング協会
- ACSM/アメリカスポーツ医学会
- BMJ sport medicine/ブリティッシュメディカルジャーナル
- Harvard Health Publishing/ハーバード・ヘルス・パブリッシング