科学が証明した筋肥大の正解:週に何セット行うのが最適か?
トレーニングを頑張っているのに、思うように筋肉が大きくならない。そんな壁にぶつかっている方は少なくありません。実は、筋肥大において最も重要な要素の一つが「週あたりのトレーニングボリューム」であることが、近年の研究で明らかになっています。
今回は、最新の論文データを基に、効率的にデカくなるための「セット数の正解」を紐解いていきましょう。
1. 筋肥大を左右する「ボリューム」の法則
かつては「1セットに魂を込めれば十分だ」という意見もありましたが、現代のスポーツ科学では、トレーニングの総量(ボリューム)と筋肥大には強い相関関係があることが証明されています。
2017年に発表されたブラッド・シェーンフェルド博士らのメタ解析によると、週あたりのセット数が増えるほど、筋肉の成長率も高まる傾向が示されました。具体的には、週に1〜4セット行っているグループに比べ、週に10セット以上行っているグループの方が、明らかに高い筋肥大率を記録したのです。
つまり、効率よく筋肉を付けたいのであれば、「週に10セット以上」を一つの指標にすることが科学的な推奨ラインとなります。
2. 多ければ多いほど良いわけではない
「10セットで良いなら、20セット、30セットやればもっと大きくなるのでは?」と考えるかもしれません。しかし、ここには「収穫逓減の法則」が存在します。
最新のレビュー研究では、1部位に対して1回のセッションで過剰なセット数を行うと、筋肉へのダメージが回復を上回り、逆効果になる可能性が示唆されています。また、1セッションで集中力を維持できる限界もあるため、1部位につき週に10〜20セット程度が、最もコストパフォーマンスの良い範囲であると考えられています。
もし週に20セットを目指すのであれば、1日で全てこなすのではなく、週2〜3回に頻度を分けて「質の高いセット」を積み重ねるのがスマートな戦略です。
3. 「追い込み」の質がボリュームを活かす
セット数を稼ぐことだけに意識が向くと、1セットあたりの強度が低下しがちです。筋肥大を引き起こす「機械的張力」を適切にかけるためには、正しいフォームで、限界の1〜2回前(RPE 8〜9程度)まで追い込むことが前提条件となります。
ただ重りを動かすだけの「無駄なセット(ジャンクセト)」を増やしても、身体を疲弊させるだけで筋肉は応えてくれません。1セットごとに狙った筋肉に刺激が入っているかを確認しながら、ボリュームを積み上げていきましょう。
4. まとめ:理想のメニュー構成
科学的な知見を日々のトレーニングに落とし込むなら、以下のステップを意識してみてください。
-
各部位に対して、週に合計10セット〜20セットを目標にする。
-
1部位を週2回以上に分けてトレーニングし、1回のセッションでの質を保つ。
-
毎セット、正しいフォームで限界に近い強度を維持する。
最後に:あなたに最適なプランを見つけるために
今回ご紹介したのはあくまで「科学的な平均値」です。実際には、あなたの年齢、トレーニング歴、回復能力、そして生活習慣によって、最適なボリュームは一人ひとり異なります。
自分の身体にとっての「スイートスポット」を見極めるのは、一人ではなかなか難しいものです。
もし、今のトレーニングに限界を感じていたり、より効率的なプランを知りたいと思われたら、一度プロの視点を取り入れてみませんか?
当ジムでは、最新のエビデンスとあなたの個性を掛け合わせた、世界標準のカウンセリングを行っています。無理な勧誘はいたしません。まずはあなたの目標や今の悩みをお聞かせいただけるだけで、新しい発見があるはずです。
理想の身体への近道を、一緒に見つけましょう。
参考文献
-
Schoenfeld, B. J., Ogborn, D., & Krieger, J. W. (2017). Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: A systematic review and meta-analysis. Journal of Sports Sciences. URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27433992/
-
Baz-Valle, E., Fontes-Villalba, M., & Santos-Concejero, J. (2022). Total Number of Sets as a Training Volume Repository of Resistance Training-Induced Muscle Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis. International Journal of Environmental Research and Public Health. URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35206192/
関連
- 自宅でできるトレーニングシリーズ
- 筋トレビッグ3再考
- 筋力獲得の刺激
- ストレスマネジメントにおける運動の役割
- 減量ダイエット中のオメガ3脂肪酸補給の効果
- 睡眠障害を改善するための栄養戦略
- クレアチンのニッチな効果
☆★☆★☆
パーソナルトレーナー 井上大輔
パーソナルジムIGF 日本橋駅徒歩1分
パーソナルトレーニングをご希望の方→カウンセリングはコチラ
IGFは日本橋で創業し6年の完全個室予約制のパーソナルジムです
お身体、運動、食事のお悩み、お気軽にご相談ください
主な情報仕入れ先
- PubMed/論文検索サイト
- NSCA/全米ストレングス&コンディショニング協会
- ACSM/アメリカスポーツ医学会
- BMJ sport medicine/ブリティッシュメディカルジャーナル
- Harvard Health Publishing/ハーバード・ヘルス・パブリッシング